DMG森精機 奈良商品開発センタをお披露目

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説明をする森社長

 DMG森精機(社長=森雅彦氏)がこのほど、研究開発拠点と本社機能を有した奈良商品開発センタ(以下、奈良PDC)を披露した。

 奈良PDCは、JR奈良駅東口から歩いてすぐの場所に位置し、本社機能を有した6F建ての研究開発拠点。建物のデザインは建築家の隈 研吾氏が担当した。1階から2階は研究開発のための実験センタとして最先端のデジタル技術を活用した工作機械や自立走行型ロボット研究開発、大学の実習などに活用される。3F~6Fはオフィスやレストランなどが入り、災害やサイバー攻撃対策として第二本社機能を有する。

 同社の歴史は長く、1948年大和郡山市で創業している。その後も奈良を本社として工作機械の製造販売およびサービスを行い、1970年には三重県伊賀市に伊賀事業所が創業を開始した。事業が拡大していくなか、自動車産業の中心地である中部圏や関東圏の顧客や取引先とのアクセス改善のため、2004年には大和郡山市から名古屋市へ本社機能を移転している。その後、2015年にはドイツDMG MORI AGを連結化し翌年の完全企業統合を経て現在に至っている。

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JR奈良駅から歩いてすぐの場所に位置する

 大和郡山市にある奈良事業所で生産していた小型ターニングセンタおよび同時5軸加工機は、今後その全てを伊賀事業所に集約し、伊賀事業所は2016年1月から稼働しているシステムソリューション工場4,200㎡に加え、従来機械加工や組立を行っていたエリア15,000㎡を全面改修し、従来比約4倍の敷地面積のシステムソリューション工場に変更する。これにより、工作機械業界では世界最大の工作機械を中心とした自動化ソリューションの組立・調整工場となる予定だ。今回新たに開設した開設した奈良PDCでは、先端技術者の交流の推進や全国の優秀な人材を採用するための拠点としても機能する。

 森社長は会見の席で、「奈良事業所を自動化やシステム構築に特化した研究開発にあたり、エンジニアの拠点が必要である。」との考えを述べ、JR奈良駅から西名古阪自動車・郡山ICまでの県道沿いにグループ会社の施設などを設置する構想を説明した。

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研究開発のための実験センタとして最先端のデジタル技術を活用した工作機械や自立走行型ロボット研究開発、大学の実習などに活用される

 同社では、本年3月、女性技術者・研究者の教育推進支援を目的として奈良女子大学と包括協定を締結しているが、この件について「機械系のエンジニアは世の中で大歓迎とされている。従来の男文化のイメージを払拭したい。」旨を話し、奈良商品開発センタでの実習を行い、工学系の女性育成を支援していく方針を述べた。

 また、森記念製造技術研究財団とNEXUSの出資により音楽家の活躍の場を創出することを目的として設立されたジャパンナショナルオーケストラは、2021年ショパンコンクールで2位の成績を収め、現在は日本で最もチケットが取れないピアニストといわれている反田恭平氏が社長を務めているが、「技術と音楽は親和性がある。新たな文化芸術創造の地としても地域に貢献したい。」旨を説明した。

 

名  称:奈良商品開発センタ (Nara Product Development Center)
所 在 地 :奈良県奈良市三条本町2番1号 (JR奈良駅 徒歩1分)
敷地面積: 3,624.65㎡
建  物:6階建て (1階 機械開発、2階 要素技術開発、 3-5階オフィスフロア、6階 カンファレンスセンタ、レストラン、カフェ) 
従 業 員 :   約300名
 

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