【この人に聞く】「使い慣れたマシンを時代に合った最強マシンに」 牧野技術サービス 専務取締役 西野 正氏

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 かつては大量生産・大量消費が当たり前だった時代は終焉を迎え、現在は、企業が持続可能な開発に対してどのように寄与できるか――が問われており、SDGs(持続可能な開発目標)の取り組みに関心が集まっている。製造業にとっては省エネへの改善努力やCO2削減など、循環型社会への実現に向けて関連性も多く、企業が戦略的にSDGsに取り組むことは持続的成長を促すことにつながり、新たな利益を生み出すとして、経営戦略としても欠かせない重要課題となっている。

 牧野フライス製作所の子会社である牧野技術サービス(以下、技術サービス)は、現在、大型機を中心にオーバーホールやレトロフィットを強化しており、時代に合致した体制で、設備資産の有効活用を促進している。同社の取り組みについて、西野 正 専務にお話しを伺った。

時代に即したサービスの強化

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「幅広く加工現場のニーズに対応できるよう体制を整えた。」と話す西野専務

 ―もともと西野専務は牧野フライス製作所の営業担当であり、マキノファンを増やして加工現場に貢献してきました。技術サービスに来られて2年が経ち、現在、大型機を中心にオーバーホールやレトロフィット事業を強化しています。その狙いを教えてください。
 西野
 マキノの機械はもともと剛性も強く機械が非常に良くできています。機械が長持ちするので、中古機販売の需要もある。加工現場で活躍されている皆様からは、「使い慣れた機械で加工を行いたい。」というご要望も多く、オーバーホールやレトロフィットを強化していくことで、幅広く加工現場のニーズに対応できるよう体制を整えました。
 ―貴社の機械を多くの加工現場で拝見しております。古くなっても質の良いものに最新の技術を加える考え方は、今の時代に合致した考え方なのかもしれません。
 西野
 レトロフィットのメリットは、古くなった機械でも新品より安価で最新の技術を搭載できることです。オーバーホールとの併用により大幅な精度の向上が実現し、最新型の機械に生まれ変わることができるのですから、大きなメリットになります。
 ―SGDsの観点からもメリットを感じます。
 西野
 機械をクリーニングし、修理や劣化した部品を取り替えるなどで、新品同様に蘇らせ、マシンの性能を回復させることがオーバーホールの役割ですが、これにより機械の高寿命化を図ることができます。オーバーホールを実施するには専門性と高度な技術が必要ですが、信頼性においては、長年培われてきたマキノブランドとしての強みがあると思っています

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オーバーホールを実施するには専門性と高度な技術が必要

 ―製造業は少子高齢化による労働人口の減少も大きな課題となっています。そのため加工現場の自動化や省力化は避けられず、最新設備による高能率化が求められていますが、その一方で、実際には、使い慣れた機械で加工したいというニーズも高く、ここに目を付けられたのですね。
西野
 われわれは、今まで使っていた機械本体の性能を生かしたまま、最新NCを搭載するなど、お客様が大切に使っていた機械を時代に合致した機械に新しく生まれ変わらせることで、品質と性能、経済効果を高めることを目的としています。例えば、今までは粗加工専用機だったものをオーバーホールとレトロフィットで、「粗から中加工までできるようにして最新の制御も付けたい。」などのご要望に応えることで、古くなった機械に付加価値を付けることができるのです。機械をご使用されるお客様の加工ひとつひとつにノウハウが詰まっていますから、付加価値を付けて生まれ変わった機械は独自性が高く、お客様の新たな競争力強化に繋がると思っています。

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サービス体制も充実させている

 ―マキノの機械はお客様も手放さないイメージがあります。実際に機械を活用される作業者も高齢化が進み、なかなか最新型の機械導入に踏み切れないといった話も聞いています。
 西野
 実際に長年活用している機械が非常に使いやすいので使い続けたいが老朽化してしまったので新しい機械と買い替えたいと思っても、すでに活用されているタイプの機械は廃盤になり、この世に存在しないものになってしまった、というパターンが多くあります。そうなると新しいタイプの機械を検討せざるを得ないのですが、違うサイズになればスペースも変わってくるうえ、価格も昔と違い高くなっています。大型機になると基礎もやり直す必要があるので、機械を置くために工場のレイアウトを変えなければならず、現在、こうした理由から、長年活用している機械をリニューアルして活用するといった風潮が出てきたのだと感じています。
 ―制御装置が新しくなると自動化にも対応しやすくなりますし、慣れてる機械が使えるとなるとレトロフィットの需要は大きくなっていくと感じます。なお、制御装置が変わると操作が変わってくると思いますが、お客様への対応はどうされていますか。
 西野
 操作過程も変わりますので、操作指導などを含め対応しています。また、安心してご利用できるよう、保証も付いておりサービス体制を充実させています。

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