「JIMTOF・Tokyo2022開幕に向けて」日本工作機械工業会 会長 稲葉善治
JIMTOF(日本国際工作機械見本市)は、1962年に初開催以来、工作機械産業の新技術発表の舞台として、また国際的な商取引の場としてその役割を果たしてまいりました。第31回目の開催となるJIMTOF・Tokyo2022(以下JIMTOF2022)は、60周年の節目を迎えます。
2020年の前回は、新型コロナの感染拡大に伴う東京五輪の延期によりオンラインでの開催を余儀なくされましたが、今回は、新設された南展示棟を加え過去最大の展示面積で開催する運びとなりました。4年ぶりのリアル展示会となるJIMTOF2022に向けて研究開発に励まれている出展各社、また、広報面で多大なご協力を頂いている報道関係の方々など、関連業界関係者の皆様の努力と弛まぬ熱意に心より感謝申し上げます。
JIMTOF2022のテーマは「開かれる扉(ミライ)、世界を動かす技術の出会い」です。今日、世界の製造業では、サプライチェーンを強靭化するレジリエンス、カーボンニュートラルを実現するグリーンテクノロジー、及び業務プロセスを変革するデジタルトランスフォーメーションなどが課題となっています。最新鋭の工作機械、最先端の技術が一堂に揃うJIMTOF2022では、各出展者がこれらの課題をニーズとして捉え、ユーザーの価値創造とミライへの躍進に貢献する最適なものづくりを提案し、新しい扉(ミライ)を開き、世界を動かす技術との出会いを提供することができると確信しております。
一方、主催者企画展示では、現在直面している製造業の課題を明確にし、手が届くデジタル化と最先端の知能化製造システムをご覧頂きます。また、最新鋭の工作機械から生まれる日本発TOPプロダクツを展示することで、世界を動かす最先端の技術を体感頂きます。
さて、JIMTOFはものづくり技術の祭典という側面も持っております。工作機械関連の研究者・技術者が世界中から集い、最新の研究を発表する「国際工作機械技術者会議(IMEC)」をはじめ、各種講演やセミナーを開催いたします。今回はカーボンニュートラル時代のモビリティや、金属Additive Manufacturingがもたらすものづくりの変革など、時宜を得たテーマを揃えました。更に、全国の理工系学生の皆さんを招いて開催する、恒例の「工作機械トップセミナー」を通じて、ものづくり産業の次代を担う優秀な人材の発掘・育成にも努めて参ります。
初開催から60年という還暦を経て、JIMTOFは新たなステージに上ります。これからも時代のニーズを的確に捉え、最先端の技術を発信し続けることで、ご来場の皆様と、ものづくりのミライをつなげて参ります。
最後に、全ての出展者にとって、このJIMTOF 2022が世界のものづくりの発展に貢献する良きビジネスの契機となるよう、心よりご祈念申し上げます。
「JIMTOF2022 第31回日本工作機械見本市」出展者数が過去最大の1,086社(5,619小間)で開催
世界最大級の工作機械実穂日「JIMTOF(ジムトフ)2022 第31回日本工作機械見本市」(主催:日本工作機械工業会/東京ビッグサイト)が、11月8日(火)から11月13日(日)までの6日間、東京ビッグサイトで開催されるにあたり、10月11日に東京都内の芝パークホテルで記者発表が開かれた。
今回の「JIMTOF」は、合計出展者数が1,086社、5,619小間(うちAMエリア59社173小間)となり、前回(2018年)と比較して95小間増加しており、過去最大規模での開催となる。
日本工作機械工業会の柚原一夫専務理事は、「31回目の今年、JIMTOFは60周年を迎え、過去最大規模で開催する。世界の製造業ではサプライチェーンを標準化する技術、カーボンニュートラルを実現するグリーンテクノロジー、業務を変革するDXなどが主要な課題となっている。このような動きのなかで、最新鋭の工作機械や最先端の技術が一堂に集結し、世界を動かす技術を提供できる場と確信している。」と述べた。
東京ビッグサイトの津国保夫常務は、「今回のテーマは、〝拓かれる未来 世界を動かす技術の出会い〟だが、このキャッチフレーズには、4年ぶりのリアル開催にて多くの素晴らしい出会いによって産業の躍進に繋がって欲しいという思いを込めた。また、キービジュアルでは、JIMTOFを未来に続く扉に見立て、世界を動かす技術と出会う場所とした。」と説明した。
豊富な併催プログラム
〈企画展示〉
テーマは、「最先端のものづくりの現在地(いま)とミライ」。企画展示ブース内には、〝Produce machine tool「最先端の工作機械工場」〟と〝Work by machine tool「最新工作機会が支えるシェアTOPのグローバルニッチ企業」〟の2つのコーナーを設置。「Produce machine tool」では、工作機械メーカー4社のスマートファクトリーで展開されている先端的な取組を通じ、その背景にある「製造業の課題」を来場者と共有する。課題を共有することで、来場者の「ミライのものづくり」の探求をプロモートする趣向。11月10日(木)14:00から企画展示ブース内において、クロストークショーを開催し、翌日からその収録映像を放映する。また、「Work by machine tool」では、最新鋭の工作機械が生み出す日本初のシェアTOPプロダクトを横断的に展示しており、来場者は「世界を動かす技術」を体感することができる。
〈特別展示〉
「歴史と伝統 技術と英知 不可能を可能にする力~日本のジェットエンジン開発の歴史~」とダイした特別展示コーナーを設置。世界の航空機産業の一翼を担うIHIのジェットエンジン技術を紹介することで、ひとつひとつのエンジンに、歴史と伝統に裏付けられた高い技術力が活かされていることを感じることができる展示となっている。
〈AMエリア特別展示〉(南2ホール)
TRAFAMの協力のもと「ひらめきを形に! 設計が変わる新しいモノづくり~次世代型産業用3Dプリンタ技術開発~」と題した特別展示コーナーを設置。「三次元積層造形技術や金属等の粉体材料の技術開発」、「世界最高水準の造形速度・精度を有する金属3Dプリンタの実用化」、「金属用パウダベット方式の欠陥予測システムおよび高度モニタリング、フードバック・制御技術等の開発」など、TRAFAMがこれまで取り組んできた開発成果をパネル等で紹介する。
〈講演会・セミナー〉
基調講演では、ハイブリッド車用バッテリで世界シェアトップのプライムアースEVエナジー(株)より、岡田政道氏を講師に迎え、「カーボンニュートラル時代の可能性を拓くものづくり」をテーマに講演会を行う。カーボンニュートラルが世界の潮流となり、人の生活もビジネスも大きく変貌を遂げようとしているなかで、水素とモビリティを通じて、これに挑む現場から、明るい未来の可能性を発信する。このほか、「6G」やスーパーコンピュータ「富岳」など、時宜を得たテーマの講演を企画している他、AMエリアにおいても多数の講演を予定している。
■デジタルコンテンツがさらに充実!
JIMTOF2022では、「デジタルコンテンツ」や「マッチングシステム」においても充実させている。「デジタルコンテンツ」では、公式サイト上で公開している「オンラインカタログ」での動画や画像の掲載が可能となり、より詳細な情報を確認することができる。また、新設ツールである出展社オンラインチャンネルでは、出展社の配信するワークショップや製品紹介動画を観覧することが可能。これらのデジタルツールは入場登録前から利用可能で、来場前の情報収集に活用することができる。加えて、より多くの商談機会を創出するため、マッチングシステムを用意しており、来場者と出展社間におけるアポイント調整のみならず、出展者同士のマッチングも可能。