【切削工具・周辺機器編】「JIMTOF2022」注目各社の見どころはコレだ!
時代を先行く最新トレンドを展示
●イスカルジャパン
グローバル規模で積み重ねた豊富な経験をもとに独自のソリューションを提供しているイスカルジャパンの目玉となるのは、自動盤用クイックチェンジ機能を搭載した「NEOSISS(ネオスイス)」だ。ヘッドのクランプはレバーロックの要領で引き込むタイプのため、ヘッド交換は簡単。ホルダーを共通化して多種ヘッドをレパートリーしている。「自動盤の新たなスタンダートを実現する工具です!」と自信を見せる。なお、同社では〝1日でも早い業務効率化〟を実践できるj工具選定プログラム「NEOITA」を提供している。高度なAI技術とビッグデータ分析で最適工具を選定して最良な加工を実現するものPC/イスカルワールドアプリで利用可能だ。
限界突破! 驚きの加工実演を見せつける!
●イワタツール
イワタツールの見どころは、1時間に1回、同社ブース内で披露する加工実演そのものだ。注目の製品、「ヘリカルエンドミル」を活用し、「限界を突破する驚きの加工実演を披露します!」と自信を見せる。中でも注目は、同社工具に加え、ブラザーのマシン+ロボットで展開するアルミの超高速加工。通常は10分~20分かかる加工を2分30秒で終わらせるという、推奨条件を突破した〝極限加工〟を見せつけてくれるとのこと。また同業他社であるオーエスジー、田野井製作所、ダイジェット工業から借りた工具でも、これらの〝極限加工〟を見せるというユニークな企画も展開する。さらに社長自ら1時間に一度、プレゼンを設けている。
トータルソリューションを幅広く展示
●オーエスジー
オーエスジーは、人気の「Aブランド」(タップ、ドリル、エンドミル、スレッドミル)を中心に自動車、航空機、金型、ロボット関連部品等の加工現場におけるトータルソリューションを幅広く展示。微細精密加工が求められる半導体、電子部品分野など多様化するモノづくりのニーズに最適化した専用工具や、超硬合金やセラミックスなどの脆性材の加工コスト削減を可能にするPCD工具の新ブランド「6C x OSG」などを展開する。また昨今のトレンドでもある省資源化と地球環境の保護活動につながる取り組みについても紹介。総合工具メーカであるオーエスジーの強みを活かした新製品と最新の加工技術に注目だ!
標準チャックの常識を覆す把握精度!
●北川鉄工所
北川鉄工所の注目製品は、「BR/BRTシリーズ」。これまでの標準チャックの常識を覆す把握精度0.01mmT.I.R.以下を実現し、仕上げ加工にも使用可能だ。オプションのTnut-Plusと併用すればジョーを脱着してもジョーの取付再現精度は0.01mmT.I.R.以下となり、ジョーの再成形が不要となるため段取り時間の大幅短縮を実現する。また、主力商品の展示以外にも、産業用ロボットを使った①自動ジョー交換、②ジグパレット交換、③搬送と同時に測長が可能なロボットハンド「NPGT(S)シリーズ」のデモ実演も行う。会場では、省エネ・省資源・高効率に貢献する技術を来場者に提案するとともに、同社では、「様々なお客様の声を聴かせていただき、既存商品のブラッシュアップと今後の商品開発の指針としたい」と意欲を見せる。
最新の「イゲタロイ」「スミボロン」「スミダイヤ」製品が勢揃い!
●住友電気工業
住友電気工業では、最新のイゲタロイ・スミボロン・スミダイヤ製品を多数展示。注目は、新製品の「BNC2100シリーズ」。「BNC2115」は耐境界摩耗性向上により加工面品位を向上させた焼入鋼高精度加工の決定版。優れた面粗さと安定した加工で長寿命を実現するうえ、耐境界摩耗性に優れるコーティングと強靭なCBN母材により優れた面粗さを安定して実現する。「BNC2115」は金色を採用。TiAlSiN超多層とTiCNの複合膜により耐境界摩耗、クレータ摩耗を改善。「BNC2125」は耐摩耗性と耐欠損性を向上させた焼入鋼加工の第一推奨だ。断続加工でも安定長寿命を実現し、耐摩耗性・靭性を両立させたコーティングと強靭なCBN母材で更なる安定加工を実現する。汎用材種「BNC200」のイメージを踏襲しコーティングは銀色で、CBN-TA初のTiAlBN超多層膜を採用している。
進化した「AddForce」製品群を多数展示
●タンガロイ
最新「AddForce」製品群を多数展示するタンガロイでは、従来から加工能率改善、工程集約によるコスト低減に大いに役立つソリューションを紹介しているが、中でも特に注目したいのが、〝革新的なY軸加工用工具〟「AddY-AxisTurn」(アド・Y-アクシス・ターン)だ。革新的なY軸用ホルダで、剛性の高い軸方向に切削力を受けるためビビりに強く安定した加工が可能なこの工具は、位相を無段階に変更できるので、一種類の工具で単純外径から倣い加工、高送りでの引き加工、端面加工まで、あらゆる加工形態に対応する。工具コストの大幅な低減が可能となり、工具交換や段取り時間の短縮にも貢献する。経済効果の高い工具である。
小型MCの微細加工に貢献!
●大昭和精機
BIGでお馴染みの大昭和精機。4年ぶりのリアル開催となった今回も、加工現場に貢献する豊富な製品をドーンと展示。特に注目したいのが、小型MCにおける微細加工において好評のハイドロチャック。今回はこれに〝超スリム〟〝軽量化〟を実現したタイプが新登場する。先端外径が従来品に比べ30%のφ10mmになり、加工物、治具の干渉を抑える。また本体質量も-15%の69gを実現。(同社従来品比較:HSK-E25-HDC-4S)。高速回転時のバランス、振れ精度もさらに改善が見込まれる。スリム、軽量化でもハイドロチャック本来の振れ精度4D先端3μmの高精度! HSK-E25で把握径φ3,φ4。
最新MC加工用工具による加工能率改善を提案
●ダイジェット工業
ダイジェット工業は、多様化、難削化する被削材に適応し、高能率・高精度・長寿命に貢献する最新MC加工用工具(金型加工用工具・5軸加工用工具・ドリル)を中心に出展する。中でも注目したいのは、新コーティング材種「DS1シリーズ」。チタン合金や耐熱合金などの難削材加工に抜群の性能を発揮する低化学反応性に加えて滑らかな表面を持つ新コーティング材種だ。刃先に熱がこもりにくく被削材に対しての耐溶着性が向上している。チタン合金加工では従来被膜より1.5倍、他社被膜との比較では2.5倍の長寿命を実現し、インコネルの加工においても従来被膜より摩耗が少なく、長寿命を達成! チタン合金や耐熱合金といった難削材に対しコーティングの剥離を抑えこれまでの被膜に比べ長寿命化を実現!
「高付加価値製品の提供」がテーマ
●日進工具
〝安定した高精度小径エンドミル〟で高い評価を博している日進工具は〝コアプロダクト〟を中心に展示する。コアプロダクトとは、同社エンドミルの立方晶窒化ホウ素(CBN)エンドミルをはじめ、PCDエンドミル、高硬度鋼硬度70HRCまでの高硬度鋼の切削に最適なコーティング「無限コーティングプレミアムPlus」シリーズ、φ0.1mm以下の「マイクロエッジ」を指す。今回は「高付加価値製品の提供」がコンセプト。また業界初の髪の毛に字が彫れる0.01mmのエンドミルも提供しているが、現在ではそのバリエーションも増えているとのこと。同社では、「顧客の生産性向上を実現できる工具として、お客様自身の付加価値が高められることをしっかり伝えたい。」と意気込みをみせる。
合わせ面精度を最大化するツールが誕生!
●日新ダイヤンモンド
日新ダイヤモンドの注目したい製品は、エンドミルの回転痕では出せない面祖度0.4μmRz以下を誇り、切削加工後の手磨きなど次工程を簡略化・短縮する単結晶ダイヤモンド・PCD「ヘールバイト」。つなぎ目ナシで刃幅10mmからの単結晶ダイヤバイトの製作も可能だ。また、同社では牧野フライス製作所開発の次世代ヘール加工技術ソリューション、超真空シール面の磨きレスを実現する〝スーパーヘール仕様〟に対応する。他にも、樹脂加工の常識を変える「単結晶ダイヤR面取りカッター」も要チェックだ。この製品は、樹脂・非鉄金属まで鏡面が切削で完結し、研磨レスを実現する工具である。
「工具がかわれば、ものづくりがかわる」がテーマ
●不二越
不二越の工具ブースでは、「工具がかわれば、ものづくりがかわる」をテーマに、EV化や半導体市場の活況といった環境の変化に対して、顧客のニーズに応えるさまざまな工具を提案する。11月1日に発売した「アクアREVOミルステンレス用」は、新開発の溝形状エアーフルートを採用。切りくずとすくい面との接触長さを抑制することで、切りくず離れを改善し、排出時の噛み込みや詰まりを低減する。また、接触に伴う加工熱を軽減し加工硬化を抑制したことで、切削抵抗は他社従来品比で20%低減した。さらに、冷却溝が切りくずとの間に空間を生み出すことで、工具の刃先付近までクーラントが流入しやすくなり、発熱を抑制。側面加工はもちろん、切りくず排出が困難な溝加工でも、ダントツな性能を発揮する。
マシニングセンタ2台でワークや工具の機上測定を実演!
●ブルーム-ノボテスト
ブルーム-ノボテストのテーマは「機上測定の量産化、変種変量生産への対応」。マシニングセンタを2台使い、ワーク測定や工具測定など機上測定を実演する。1台は産業用ロボットを使った機外のボアゲージBG60によるワークの内径を測定。もう1台は機械の幾何誤差測定や自由曲面形状測定を行う。目玉となる製品は、「LC50-DIGILOG」。回転工具を非接触で測定、アナログとデジタルを融合した「DIGILOG(デジログ)」技術で、高速、高精度、高信頼性測定を実現する。測定時間60%短縮、繰返し精度0.2µm、折損検知最小工具径5μm。また、「LC-VISION」にも注目したい。これは「LC50-DIGILOG」用ソフトウェアで、主軸の振動周波数解析や先端振れ量、ボールエンドミルR部の輪郭形状、多枚刃工具の各刃の高さの可視化、解析を行う。
「YOUR GLOBAL CRAFTSMAN STUDIO」がテーマ
●三菱マテリアル
三菱マテリアルは、「YOUR GLOBAL CRAFTSMAN STUDIO」がテーマ。同社では、「お客様一人ひとりの総合工具工房としてお困りごとに真摯に耳を傾け、ともに考え、解決するための様々なソリューションをご用意して皆さまをお待ちしております。」と意気込みを見せている。一押し商品は、転削加工用コーテッド超硬材種 「MV1020」。独自技術による新しいコーティングプロセスにより、Al含有比率を高めても結晶構造が変化しないAl-Richコーティングを開発し、高い皮膜硬さを実現させたインサート材種で、高い硬さを持った(Al,Ti)N膜を採用し、硬さに加え耐酸化性も大幅に向上させ、優れた耐摩耗性を実現し、耐熱衝撃性に優れ、熱亀裂の発生しやすい湿式切削においても加工安定性が向上するという特長を持っている。柔鋼、炭素鋼・合金鋼から析出硬化系ステンレス鋼、ダクタイル鋳鉄の加工に最適だ。
金型加工のトータルソリューションを展示
●MOLDINO
MOLDINOは「金型加工のトータルソリューション」を展示。同社のコンセプト「PRODUCTION50™ 加工半減の提案」に基づいた最新の加工改善提案を、新製品と併せて展示する。近年では、周辺機器やソフトウェアの進化により前後工程の関連性が一層深くなり、個々の対策では十分な解決が出来ない場合があることを受け、同社では、生産性向上を実現させるため、最新製品を用いた「全体を見渡す改善」を提案してくれる。目玉となるのは、「高硬度鋼加工用ボールエンドミル EPDBEH-TH3 ショートシャンクタイプ」で焼ばめホルダにピッタリフィットする全長径タイプを追加発売と同時に同時に、商品ラベルに外径実測値の表記をスタート。測定の手間いらず!12月発売予定の新製品だ。(外径実測値表記はショートシャンクタイプから順次記載の予定)。
省資源・省エネルギーにつながるツールホルダー「スーパーG1チャック」
●ユキワ精工
ユキワ精工の目玉となる製品は、「スーパーG1チャック」。同社では、「ツールホルダーは工作機械の主軸と切削工具をつなぐ重要な機器で、ツールホルダーの違いで加工精度や生産性向上に大きく貢献します」と啓蒙している。この製品の特長は、①高い振れ精度、②高い剛性、③高い把握力。工作機械と切削工具の性能を最大限に引き出すことが可能だ。実際に活用しているエンドユーザーからは、「工具費が削減できた」、「不良品が削減できた」という“省資源”、「サイクルタイムが短縮できた」、「機械のダウンサイジングが可能になった」という“省エネルギー”の両面で高い評価を博している。同社では、「脱炭素社会の実現のためにも、是非スーパーG1チャックをご使用ください!」と意気込みを示している。