日本機械工具工業会が秋季総会並びに2022年度日本機械工具工業会賞表彰式を開催

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 日本機械工具工業会(会長=田中徹也 三菱マテリアル 常務)が、10月20日、東京マリオットホテル(WEB併催)で秋季総会並びに2022年度日本機械工具工業会賞表彰式を開催した。

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あいさつする田中会長

 第一部の総会では、新規入会会員の紹介、2022年度「日本機械工具工業会賞」の発表、各委員会報告のほか、2022年度機械工具生産額改定見直しなどの報告があった。

 田中会長は日頃の感謝の意を表したあと、「当工業会は1948年に設立された日本工具工業会と超硬工具協会に端を発し2015年に統合した。本年10月、設立以来74年を経て法人化が実現した。一般社団法人日本機械工具工業会はわが国における機械工具製造業の健全な発達を図るとともに産業経済に寄与することを目的としており、今回の法人化を機に日本の機械工具の発展に向け、さらには世界のものづくりへの変革、生産技術革新の原動力となるべく一層の飛躍を遂げて参りたい。」と決意を述べた。

2022年度 日本機械工具工業会賞「業界功労賞」

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〇増田照彦氏 (元三菱マテリアル(株)、(株)MOLDINO)

業界経歴
 2010年6月~2011年6月 日本工具工業会 副理事長 1年
 2011年6月~2013年6月 日本工具工業会  理事長 2年
 2013年6月~2015年6月 超硬工具協会   理事長 2年
 2017年6月~2021年6月 関東地区会員連絡会 会長 4年

企業経歴
 2010年6月 三菱マテリアル(株)加工事業カンパニー バイスプレジデント
 2013年6月 三菱マテリアル(株)常務執行役員加工事業カンパニー プレジデント
 2015年4月 三菱日立ツール(株)(現(株)MOLDINO)代表取締役社長
 2021年3月 (株)MOLDINO退職

功績の概要
 2010年6月に旧、日本工具工業会副理事長に就任。翌年から理事長となり2013年5月にアジア圏で初開催となった世界切削工具会議(WCTC2013)京都会合では、両団体により設立された日本切削工具協会(JCTA)の副理事長として、成功裡に導くなど日本の機械工具業界の振興発展に尽力した。翌年の2013年6月から2年間、超硬工具協会理事長に就任し、日本工具工業会とともに機械工具2団体を統合へ向けた「統合推進委員会」を立ち上げ議論を開始した。両会員の融合へ内外調整に注力し、2015年6月に「日本機械工具工業会」設立を実現させた。統合後の2015年からは関東地区会員連絡会の会長として会員の強調融和に貢献した。

技術功績賞

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高性能・高精度 仕上げカッタ「MFF」の開発
●京セラ(株)石田琢也、髙森貴浩、永松淳司

【新規性】
 (1)    独自のブレーカ溝による良好なチップ保持性および切りくず排出性の確保。
 (2)    独自の調整機構による高精度でありつつ短時間での刃先調整の実現。
 (3)    独自の刃先構成による高能率加工でありながらも面精度を高くでき、研磨レス化を実現。
 (4)    独自のサーメット材料によって高速加工を可能にした。

 

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CVD単結晶ダイヤモンド ワイパーブレードの開発
●住友電工ハードメタル(株)、住友電気工業(株) 太田倫子、東 泰助、野原拓也

【新規性】
 (1)独自の気相合成技術による特殊窒素ドープと歪みを制御した高強度単結晶ダイヤモンドを開発し、量産技術を確立した。
 (2)上記高強度単結晶ダイヤモンドと結晶方位最適化に加え、新開発刃先創生技術により加工ダメージが極めて少ないシャープな切れ刃を創生した。これらにより、アルミ合金のみならず、従来の単結晶ダイヤモンドでは欠損するセラミックス等硬質粒子を含む非鉄金属材料のフライス加工でも安定長寿命を実現した。

 

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動的BT 2面高速工具ホルダシャンクの開発
●(株)日研工作所 三角 進

【新規性】
 今までに、「動的に2面拘束する。」という考え方はなかった。まず世界的に特許を取得した後に、商品展開する戦略であった。全地域において特許は取得済みである。これは、回転中の工具ホルダの工具長、工具径や工具の振れを正確に測定する装置がなかったことにも起因する。動的に工具長等を正確に測定出来る装置(例えばBLUM社 DIGI-LOG)が開発され可能になった新技術である。

 

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超硬OHノンステップボーラー40-50WHNSBの開発
●(株)MOLDINO 藤原繁栄、住谷隆之、清水武則

【新規性】

 (1)既存技術は、側面視における外周コーナのホーニング形状は角度の付いた直線であった。そこで、側面視にける外周コーナのホーニング形状を凸曲線とし、その内周側のホーニング形状は直線状または大きな凸曲線とすることで、切りくず排出性を損なわずに耐欠損性を向上した。(特許出願中)

(2)既存技術は切れ刃全体のホーニング幅が一定であった。そこで、シンニング部の外周側のホーニング幅に対して、シンニング部の内周側のホーニング幅を1.5倍以上と大きくすることで、折損の起点となりやすい先端部の耐欠損性を向上した。(特許登録)

技術奨励賞

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高硬度材加工工具用被膜「DUROREY」の開発
●オーエスジー(株)、オーエスジーコーティングサービス(株) 王 媺(ワン メイ)

【新規性】
 従来の高硬度材加工工具用被膜の製品があったが、硬さ55HRC以上の被削材の切削において、刃先のチッピングが原因で耐摩耗性が十分に得られないという問題や、炭素鋼、合金鋼などの切削では耐凝着性が十分でないため十分な性能が得られないという問題があった。これを最適な成分と被膜構造の工夫によって耐摩耗性、耐凝着性を向上したことに新規性がある。

 

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難削材加工用「ストライクドリルEZN形」の開発
●ダイジェット工業(株) 長田昌文、井上裕貴

【新規性】
 ドリルの被加工物への食い付き性を向上させる新規性のあるシンニング形状を採用。シンニング切れ刃は、芯下がり方向にオフセットした直線部と大きなR曲線部により、直線部のシンニング切れ刃の先端角より曲線部のシンニング切れ刃での先端角が小さく(鋭角)になる。被加工物への食い付き時のスラスト抵抗を低減させ、また安定した加工抵抗で穴加工を行うことが可能。広いシンニングポケットで切りくず排出性に優れ、加工穴精度・加工寿命を向上させた。

 

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「超極小インサート」を用いた肩削り工具の開発
●(株)タンガロイ 阿曽孝洋、坂内由昌、小脇 隆

【新規性】
 本製品群は、インサートを小型化したことで多刃化に加え、工具本体の剛性向上に着目したところに新規性がある。インサートの小型化は、工具芯厚とインサートポケットのサポート部の肉厚を増やすことができるため、工具本体の剛性向上を可能にする。工具剛性向上によって加工可能領域が拡大し、刃数増以上の高能率加工を実現する。

 

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仕上げ加工用工具(鏡面加工用工具)の開発
●ユニオンツール(株) 広瀬景太、渡邉昌英

【新規性】
 仕上加工用ボールエンドミルとして当社従来品の「CBN-LBSF」があるが、仕上げ面性状については、磨きレス化を進める上では改善の余地があった。高い鏡面性を得る為には、バニシング効果による加工面平滑化効果を高めると共に、工具寸法が変化しない高い耐摩耗性と長時間に渡り安定した加工を行う為、クーラントの浸潤性が必要であった。本開発品では、母材に金型用鋼材に対し高い耐摩耗性を有するcBNを使用、バニシング効果を高めつつクーラントの浸潤効果を高めた特殊形状へと改良する事で、長時間安定した仕上加工を可能としたことに新規性がある。

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