日本金型工業会が「令和4年度 第49回 金型の日」記念式典を開催
日本金型工業会(会長=小出 悟 小出製作所社長)が、11月25日、上野精養軒(東京都台東区)で「令和4年度 第49回 金型の日」記念式典を開催した。この日は永年勤続優良従業員表彰、退任役員へ感謝状・記念品贈呈、国家褒章者へ記念品贈呈が行われ、基調講演は「トヨタ自動車の金型造りにおけるカーボンニュートラル、デジタル化取組み」をテーマにトヨタ自動車 モノづくり開発センター モビリティツーリング部 部長 大澤晋一郎氏が講演した。
「金型の日」を迎えるにあたって
日本金型工業会 会長 小出 悟
今年の夏も熱くまた各地での水害も多発し、近年は気象災害がすっかり常態化してしまったようでそれが過ぎると秋の訪れとなり、日本金型工業会にとってのビックイベントの一つ「金型の日」記念式典を開催する時期が到来します。今年も昨年の名古屋開催に引き続き対面にて11月25日に「第49回金型の日記念式典」を開催することと致しました。社会状況も経済状況もともにコロナ禍に振り回されているだけの状況では居られなくなり、特に経済状況はコロナ、戦争など複雑に絡み合ったしわ寄せがまさにインフレを深刻なものとし、その影響が日本では円安という状況に現れ、以前であれば輸出が円安の助けを借りて伸びていくところが、思ったほど伸びて行かず、むしろ輸入価格の高騰を招き貿易収支が大きなマイナスになっている現状は、日本の社会にとって歓迎されざる状況と言えます。このような環境の変化は今後も継続的に変化し続けるものと考えると、我々もその環境に対応したものの考え方を取り入れながら、この次に展開する環境をしっかりと予測の範囲に入れながら、自社のなすべきことであり業界として取り組んでいくことを通し、持続可能な金型業界を模索していかなければ、自社のことだけ考えるだけでは早晩じり貧の状態に遭遇し、なすすべのない状況に追いやられるものと思いますので、今こそ金型業界を取り巻く全体の環境を可視化し考察を加え「業界ワンボイス」に行動していかなければなりません。様々な施策をタイムリーに実行することが、まさに今要求される時代が到来したと言えるでしょう。このように考える中で今年度も新たな取り組みを当工業会としても数多く取り組んでいきたいと思っています。そのためには金型の日記念式典のメイン行事である、陰ひなたなく日々の仕事に邁進していただけている会員企業の優良従業員の皆様を表彰させて頂きながら、新たに取入れていく人材育成施策により、優良従業員の皆様の更なる成長も期待し、未来を切り開いていく原動力にもなって頂きたくも思っています。またもう一つが当工業会の同胞の方たちの中でめでたくも国家叙勲・褒章並びに大臣表彰などの栄誉を受けられた皆様への祝意を表しながら、金型業界の知恵袋とし、また様々な苦難を乗り越えてこられた貴重な経験値もいかんなく発揮していただき、今後訪れるだろう難局もその巧みな経験値と多様な技術をもって持続可能な業界の新しい姿に向け、率先してご協力を頂けるようお願いを申し上げたい気持です。時代はSDGs、カーボンニュートラル、技術情報管理(サイバーセキュリティー)を考えたうえでのデジタル化等、容赦なく要求される社会へと突き進んでいきます。当工業会は国から認証機関として認定された技術情報管理認証制度を巧みに利用し、当工業会が中心的存在となり、顧客団体と共にものづくり全体に関連する改革を推し進めていくべきで、そのためには会員企業の皆様はもとより関連団体、官公庁の皆様の更なるご指導・ご鞭撻ご協力をお願い申し上げ、金型の日を迎えるにあたり私のご挨拶とさせていただきます。