アマダグループが髙橋金属と「MF 技術大賞」、大貫工業所と「MF 技術優秀賞」を共同受賞
アマダとアマダプレスシステム、髙橋金属は、このほど「MF 技術大賞 2022-2023」(日本鍛圧機械工業会主催)において、最高賞である「MF 技術大賞」を受賞した。また、同時にアマダとアマダプレスシステム、大貫工業所は「MF 技術優秀賞」を受賞した。
今回「MF 技術大賞」を受賞した髙橋金属の「プレス金型内ねじ転造によるプラグネジの製造」は、自動車用ステアリングコラムのピニオンギア用位置決めプラグネジとなる製品加工技術。 高剛性ナックルリンクプレス「PDL-400」とNCレベラフィーダ「LCC06HLS」を用いた板鍛造により、1台のプレスマシンの同一金型内で素材成形からねじ転造までの製造システムを構築し、一貫加工を実現した。素材板厚のバラツキ±200µmを金型内で吸収し、ねじ転造加工上重要な外形真円度を20µm以下で成形する加工技術を構築したことと、プレス「1」ストローク内でねじ形成を高速化する技術開発により、コイル材から完成品に仕上げることができる。この成果により、生産性2倍、製造原価の低減、生産リードタイム 1/6以下、さらに工程の仕掛りレスを図ることができる。また、環境負荷の高い熱処理、ボンデ処理(化成被膜処理)や切削加工等の後処理が不要なことと、潤滑油のリサイクル技術など、地球環境にも貢献している点が評価され、受賞につながった。
「MF 技術優秀賞」を受賞した大貫工業所の「精密深絞りプレス加工複合化部品」は、次世代の自動車や産業用ロボット等の精密電磁バルブ用高耐食性、高信頼性ハウジングの製品加工技術。製品の中間熱処理が不要な精密金型の開発・製作から、デジタル電動サーボプレス「SDE1522 (SF)」による難加工材オーステナイト系ステンレス材の1段深絞りプレス加工と、その加工品のレーザバリ取り、ファイバーレーザ溶接機「ML-6810C」(アマダウエルドテック製)による溶接をワンライン化して生産性の向上を図っている点が評価された。さらに、中間熱処理を不要としたことでの消費電力削減や、従来の5段絞りから1段絞りが可能となったことで、4台の金型が不要となるなどレアメタルなどの省資源化にも貢献している点が評価され、受賞につながった。
MF技術大賞は、鍛圧塑性加工技術の発展に寄与することを目指して、Metal Forming (MF)に 不可欠な鍛圧機械、製品加工、金型、システム、素材、製品組立、研究の7つの項目について評価し、「ものづくり総合力」を顕彰する賞で、アマダグループの「MF技術大賞」の大賞受賞は、2010-2011、2012-2013、2014-2015、2018-2019、2020-2021に続いて6回目となる。