【年頭所感】(DMG森精機/オーエスジー/日立建機)

「中期経営計画2025が始動」
■DMG森精機 取締役社長 森 雅彦

230101DMG森精機社長 新年明けましておめでとうございます。

 DMG森精機株式会社(以下、当社)は、工程集約・自動化・DX・GX(グリーントランスフォーメーション)の取り組みを一層推し進めるべく、昨年12月に発表した3ヵ年の「中期経営計画2025」を本年より開始します。

 10年おきに起こる大きな社会変化とともに、大量生産から変種変量生産、高精度加工へと変化するお客様のニーズにお応えするため、当社は製品開発や生産プロセス、販売・サービスの提供方法を進化させてきました。

 従来、工程毎に複数台の機械で加工していたワークを5軸・複合加工機など工程集約した1台でワンチャックで加工することにより、高精度な加工を実現します。工程集約した後に自動化を進めることでオペレータ不足を補い、DXによりデータを収集・フィードバックすることで加工プロセスの最適化を実現します。

 さらに、機械台数が減ることにより、CO2排出量や消費電力の削減とともに、お客様での原材料や仕掛品・中間在庫、工場面積の削減にもつながり、お客様のネットワーキングキャピタルの改善や生産性向上にも貢献します。GXを実現するためには、高度な部品・高精度な加工が必要不可欠です。2025年のあるべき姿に向けて、当社は廉価・短納期から脱却し、グローバルで年間8,000台の機械を丁寧に生産し、高付加価値な商品をお客様にお届けしてまいります。

 世界中のあらゆる地域・業種・規模のお客様と個別に丁寧に商談を行い、高付加価値の商品をご提供するために、社員に求められるスキルや知識は一層高度化しており、人材の育成・採用にも積極的に取り組んでいます。2022年7月には、当社最大のデジタルを駆使した最先端技術の開発拠点として、奈良商品開発センタ(奈良県奈良市)を新設しました。さらに、年収ベースで世界各国の給与と適正化を図るため、まずは日本の初任給と社員の給与を改定しました。残業主体の発想ではなく、決められた総労働時間の中で高いアウトプットを出すという働き方で、「よく遊び、よく学び、よく働く」の経営理念のもと、持続的な成長を実現してまいります。

 工作機械は事業活動を推進することがSGDsに貢献する産業です。当社は2021年にグローバルでSBT認定を取得し、2030年に向けた温室効果ガス削減目標に向けたさまざまな取り組みを行っています。

 グローバルの主要拠点で太陽光自家発電やCO2フリー電力の買電を行い、またグループ会社のDMG MORIキャステック株式会社(島根県出雲市)のグリーン鋳物の製造をはじめ、サプライヤーと協働して調達部品のCO2排出量を削減し、バリューチェーン全体でカーボンニュートラルの実現を目指します。

 本年も、世界中のお客様のGXに貢献してまいります。引き続き変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

「『Beyond the Limit』成否を占う試金石となる年」
■オーエスジー 代表取締役社長兼COO 大澤伸朗

230101オーエスジー社長 2023年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
新型コロナウィルス感染症により、このように長期間に渡って世界全体が大きな影響を受けるとは当初は誰も想像出来なかった、というのも過去の話になりつつあります。ウィズコロナでの世界の経済活動は既に確立し、エネルギー、材料コスト上昇、インフレ、慢性的モノ不足問題など、我々は新たな試練に直面する段階にいます。これほど流れの速い時代に対して、足踏みをしている場合ではありません。

 当社もパンデミック以降、市況の急激な変化やサプライチェーンの混乱等で、大変苦しい時期がありました。そのような中で、新中期経営計画「Beyond the Limit 2024」を策定して、改革に取り組み始めたのは、非常に良いタイミングであったと思います。この中期経営計画では、事業効率化を図り、常に利益を生み続けることが出来る企業体質の強化を目指しています。社会変化のインパクトに負けない強い企業体質を作る事は、これからのサステナブルな社会づくりに貢献できると考えているからです。

 2022年度からスタートした中期経営計画においては、既にいろいろな戦略がスタートしています。特にマーケットシェア拡大に貢献している「Aブランド製品」の販売、新たな戦略市場と位置付けている「微細精密加工分野」への注力など、実績も順調に推移しています。2023年度はこの戦略をグローバルに、より具体的に、かつ成果を上げていく、実行力の真価が問われる一年になります。つまり、今年度は中期経営計画「Beyond the Limit」の成否を占う試金石となる年です。

 目標達成のためには、今までの常識に囚われないこと、自分に限界を設けないこと、自らの殻を破ることです。人は現状に大きな問題を感じなければ、変化を避けて現状維持をしようと思ってしまいます。現状をベストと思わず、常に何事にも疑問を持ち続けることが大事です。

 OSGの強みである「現場力」をそれぞれの職場、職務に活かして、結果が見える一年にしてまいります。社員一丸となって、限界を超えた向こう側を見るために、ともに変化を恐れずにチャレンジを続け邁進してまいります。
最後になりますが、モノづくり産業の益々の発展と皆様のご健勝を祈念いたしまして年初のご挨拶とさせていただきます。

「顧客の期待を超えるソリューションの創出」
■日立建機 執行役社長兼CEO 平野耕太郎

230101日立建機社長 昨年の建設機械市場は、中国やロシア・CIS 以外では堅調な需要が継続し、マイニング市場も、高水準の資源価格を追い風にお客さまの投資意欲が継続しました。しかし同時に、新型コロナウイルスの影響は続き、中国・上海ロックダウンによるサプライチェーンの混乱や、新たにロシア・ウクライナ情勢問題も加わり、資材・物流費の高騰や金利上昇、インフレの加速など、舵取りが難しい経済環境でした。

 そのような中、日立建機には、日立グループから独立し、日本産業パートナーズと伊藤忠商事を新たに株主として迎え入れる「筆頭株主の異動」と、ディア社と提携解消し「米州での本格的な独自展開の開始」という大きな二つの変化がありました。米州事業の立ち上がりは想定以上に好調です。引き続き、新たな資本構成のもとで米州での独自展開を成功させるべく、日立建機グループ全社一丸となって取り組んでいきます。

 さて、現中期経営計画「Realizing Tomorrow's Opportunities 2022(明日の好機をつかみとれ)」の最終年度も、残りあと3 カ月です。4 つの経営戦略「バリューチェーン事業の強化」「お客さまとのあらゆる接点で深化したソリューションを提供」「北中南米全域で実現」「変化に強い企業体質の形成」を軸に、引き続き収益向上のための施策を進めて、現中期経営計画を完遂したいと思います。

 次期中期経営計画(23 年度~25 年度)については、現在、様々な内容を具体的に検討している段階です。私たちは、お客さまの課題やカーボンニュートラルに向けた需要構造の変化など、お客さまや世の中の急激な変化に柔軟に対応する必要があります。グループ内はもちろん、取引先やお客さまとしっかりとコミュニケーションを取って、お客さまの期待を超えるソリューションを創り出してまいります。

 今、私たちは、70年を超える歴史において、「第二の創業」とも呼ぶべき転換期にいます。「豊かな大地、豊かな街を未来へ」というビジョンを常に意識しながら、この転換を確実な成功につなげて、さらなる飛躍をめざします。

 最後になりましたが、2023年が皆さんやご家族にとって健康で、穏やかな、そして明るい年になることを祈念して、新年のご挨拶とさせていただきます。

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