【年頭所感】(日本工作機械販売協会/日本建設機械工業会/日本歯車工業会)
「1兆8000億円を目指して」
■日本工作機械販売協会 会長 髙田研至
皆様、新年明けましておめでとうございます
健やかに新春を迎えられました事、謹んでお慶び申し上げます
昨年を振り返りますと、終息しないコロナ、地政学的な紛争・米中覇権争い・資源高・円安など、先行き不透明、予測不能な状況が続きました。
コロナによる生活様式の変化は集団と個人の在り方や就業感を変えてしまいましたが、デジタルとアナログの違いを理解した上で、双方の融合によるハイブリッドな世界も形成されつつあります。昨年11月には4年ぶりにJIMTOFが開催され、リアル展示の有り難さと必要性を実感しました。展示内容からも自動化、デジタル化、カーボンニュートラル等がテーマとなり、今後の「ものづくり」の方向性が示され、まさに販売する我々のスキルアップが求められていることを感じました。
さて、当協会は、昨年、2年遅れで50周年記念式典を開催しました。50年以上の協会の歴史の中で、1991年以来主要な活動として続けてきておりますセールスエンジニアリング(SE)教育を、社員の販売技術向上の為にも、時代に合わせ、更に内容の拡充に努め、デジタル化も進めつつ、皆様に提供できればと思っております。
2023年は厳しい年と言われますが、昨年末の日工販の忘年懇親会にて、私の主観ではありますが、あえて受注総額1兆7500億円から1兆8000億円程度と予想いたしました。先述のとおり見通しにくい環境ではありますが、日工販としては、この数字を目標に受注活動を努めてまいります。
最後になりますが、皆様方の益々のご多幸とご健勝を祈念致しまして、私の年頭のご挨拶とさせて頂きます。
「社会の持続的発展に貢献」
■日本建設機械工業会 会長 本田博人
新春を迎え謹んでお慶びを申し上げます。会員各社ならびに関係省庁、関係団体の皆様には平素より、日本建設機械工業会の活動に格別のご支援とご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
本年も工業会の設立理念である「調和と発展による世界への貢献」ならびに「共生と競争」のもと、新しい工業会の事業活動を考え変革・発信を続け、社会の持続的発展に貢献して参りたいと、思いを新たにしております。
昨年も新型コロナウイルスは形を変えながら感染は収束していないため、引き続き適切な感染対策を実施し、感染リスクを低減する必要性を痛感しております。一方で国内でも徐々に“Withコロナ”も浸透し、5月には当工業会の総会を3年ぶりに会場にて開催することができました。海外の対応も様々ですが、昨年末にカタールで開催されたサッカーワールドカップでは日本代表の活躍に興奮したのと同時に、スタジアムの観衆の様子に驚いた方も多かったのではと思います。
このような中、建設機械の市場動向につきましては、昨年8月に当工業会から令和4年度(2022年度)、令和5年度(2023年度)の建設機械需要予測を発表致しました。令和4年度(2022年度)全体の通期需要予測は、国内は底堅く推移、輸出は続伸し、前年比3%増を見込んでいます。令和5年度(2023年度)通期では国内が前年度比2%増・輸出は5%増と堅調に推移する予測となっており、全体で前年度比4%増と3年連続で増加し、過去最高のものとなる予測となっております。“Withコロナ”での経済活動の活発化が背景にあると捉えておりますが、為替変動の影響・継続的な部品調達難、海外市場間物流の停滞と、それらに起因する物価上昇などが懸念材料ではあります。新たな事象が発生することで、市場への供給対応に不足や遅延が発生する状況を経験してきましたが、世界のインフラ整備を担う建設産業を支えていく工業会の使命を果たすためには、建設機械本体や部品・サービスを安定して提供することが重要であり、従来からの取り組みにデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みを上乗せしていくことで市場の要求・予測困難な時代の要請に対応できるよう引き続き注力してまいります。
また引き続き、工業会は防災・減災・老朽化インフラへの対応のみならず、カーボンニュートラルに代表される環境・省エネルギー化への貢献、会員各社のグローバル展開への支援、i-Constructionなど新しい技術への対応、またICTを活用した情報化施工の普及促進で少子高齢化・担い手不足の解消に貢献すべく、活動を推進して参りますので、ご支援・ご協力の程よろしくお願い致します。
最後になりますが、皆様にとって安全で素晴らしい一年となりますように祈念いたしまして年頭のご挨拶とさせて頂きます。
「躍動、激動、変動」
■日本歯車工業会 会長 植田昌克
新年あけましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申し上げます。
旧年中は日本歯車工業会の事業運営に格別のご支援、ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
昨年は、米国と中国の経済摩擦、新型コロナウィルスの感染拡大、ウクライナ危機の影響、輸送コストの急騰等による世界的な半導体不足が続き、半導体が無いために製品を出荷できない事態に陥ったメーカーが多く有ったと聞きます。また、エネルギー価格や食料価格の高騰により消費マインドを下がり、先行き不透明感が漂いました。一方、これまでの中国、ロシアとの経済活動を他国へシフトしたことにより、工作機械、ロボット、エネルギー関連の需要が急速に高まり、業種によっては超繁忙期を迎えたところも有りました。今、まさに世界が「躍動、激動、変動」の真っ只中におり、確実にそして着実に変化が起きています。コロナウィルスの感染拡大が再び増加傾向にありますが、感染対策を徹底しながら、この変化の波に乗って、新年がスタートできることを心より願っています。
さて、弊会の教育支援事業「ギヤカレッジ」は、昨年も全面的にオンラインによる講義に変更して実施しました。受講生同士の対面による交流の場が持てなかったことは残念ですが、著名な講師の講義を画面越しではありますが受講できたことは、受講生にとって新鮮かつ充実した学習の機会になったと思います。今年度は対面による実施を目指して準備を進めているところです。日本の将来を担う若き歯車技術者の育成に向けて、引き続きこの教育支援事業に取り組んでまいります。
ギヤカレッジ修了者を対象にした「フォローアップ研修会」、次世代の若手経営者の育成並びにネットワーク構築のための「若手経営者研究会」につきましては、対面により実施することができました。日頃の業務における問題点や疑問を相互に出し合うことで問題解決の糸口を見つけることができ、充実した内容となりました。今年度はさらに工夫を凝らし、広く参加者を募ります。
経営研修会も工場見学で2社訪問することができ、多くの会員様にご参加頂きました。ISO国際規格の会議は、引き続きオンラインとなりましたが、今年度は対面による会議へ移行しつつあります。コロナ禍は続きますが、感染拡大前の状況に少しずつ戻りつつあります。いずれの事業も地道に継続することにより、歯車業界を牽引する次なる人材養成に繋がると確信しています。
弊会は「国際競争力強化を視野に事業推進」「会員にとって魅力ある企画の実行」「次世代経営者・技術者育成事業」を柱として事業展開しております。“歯車”はこれまでも、そしてこれからも重要な機械要素の一つとして各種産業機械に使われ続けます。これにはグローバル化の推進、若きエンジニアの育成が必須で、弊会の各種事業を通して歯車業界を下支えしていく所存です。
今後も、経済産業省、各教育機関、諸団体の方々と密接に連携しながら、歯車産業ひいては日本の機械産業の発展を願い、皆様のお役に立てる工業会をめざし努めて参りたいと存じます。
今年が皆様にとって飛躍の年になりますよう祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。