【年頭所感】日本機械工業連合会/日本ロボット工業会

「新しいデジタル社会の構築に向け機械産業の発展に貢献」
●日本機械工業連合会 会長 東原敏昭

230116東原会長 新年明けましておめでとうございます。年頭に当たり、平素より当会にお寄せいただいている皆様方の温かいご支援とご協力に、改めて深く御礼申し上げます。本年は卯年となります。卯(うさぎ)は穏やかで温厚な性質であること、飛び跳ねる姿から、「飛躍」を象徴する年として親しまれてきました。景気が好転するとも言われ、大変縁起のよい年として期待したいと思います。新型コロナウイルス感染については、昨年夏以降、沈静化の兆しがあったものの、新たな変異種オミクロン株の世界的流行等、明るい話題が未だ少ない状況ではありますが、「景気が好転する年」「飛躍する年」として、機械産業において、皆様において、本年が変化と飛躍の年となることを心より祈念いたします。

 昨年からの当会の活動状況についてご紹介いたします。昨今、会合実開催が困難な状況の中、会員の皆様へ、コロナ対応含む必要な情報を発信し、会員サービスの質を落とすことのないよう努めて参りました。今後もWEB等を活用した事業の運営を積極的に行い、引き続き、会員の皆様に必要な情報や、意見交換の場を提供して参ります。

 これまで我が国製造業は、自由貿易と国際分業を基礎に発展してきましたが、近年の環境変化は急速であり、迅速・適切な対応が求められています。特にグローバルバリューチェーンは、新型コロナウイルス感染拡大がもたらす生産要素の移動に関する様々な制約や産業構造の変化、米中間の覇権争いによる貿易・投資・技術・ヒトの移動に関する規制と障壁等により、産業に本質的な対応を要求しています。当会では2021年度に引き続き、公益財団法人JKA補助を得て、関連する委員会との連携のもと、特に、通商、セキュリティ、デジタル化、環境の4点に着目し、今後の製造業の課題と対応に関する検討を始めております。2年目となる2022年度内に調査結果を公表予定でございます。

 次に、税制改正についての取り組みをご紹介いたします。当会では、機械業界の要望内容の策定、およびその実現に向けた要望を中心に税制に関する活動を行っております。「令和5年度税制要望」については、「新時代に向けた我が国経済の活性化、カーボンニュートラル実現等を目指す」として、「研究開発税制の拡充」「新時代に向けた設備投資促進税制の拡充、整備」「持続可能な地球温暖化防止対策の推進-カーボンニュートラルの実現に向けて」「経済の電子化に伴う課税上の課題への対応」を重点項目として要望いたしました。また、製造業関連7団体連名にて、「グリーントランスフォーメーション実現に向けた令和5年度 税制改正共同要望」を策定し、要望項目の実現に向け、共同で陳情活動を展開いたしました。

 「ロボット大賞」は、今年度、第10回の開催を実施いたしました。「優秀省エネ脱炭素機器・システム表彰」は、国内唯一の産業機械における省エネ表彰として、日本の省エネ推進に貢献して参りました。CO2排出抑制という表彰分野を加え、JKAの補助を受けながらスタートを切り、本表彰が省エネ並びにCO2削減に寄与することを期待しております。

 次に「ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会(RRI)」への活動支援についてご紹介いたします。RRIは、成長戦略の一環である政府策定「ロボット新戦略」に基づき2015年に発足し、8年が経過いたしました。現在の会員数は約427となりました。

 産業IoT領域における取組みとして、ドイツのインダストリー4.0推進母体をはじめ、国内工業会など関係団体との協力関係を築き、産業セキュリティ対策、ビジネスモデル構築、人材育成など世界共通の課題解決に向けた議論を進めています。また、国際電気標準会議スマート製造システム委員会国内事務局を務め、国際標準化活動も行っております。

 RRIは多種多様な企業の集合体のため競争領域もありますが、今後は協調領域について議論しながら連携を図り、グローバル競争に向けた価値創出にリソースを集中することが日本全体の競争力強化のために急務と考えます。

 当会は、引き続きRRIと共に、新しいデジタル社会の構築に向け、日本の機械産業に貢献し更なる発展を実現できるよう誠心誠意努める所存ですので、今後とも関係各位の引き続きのご指導、ご鞭撻をお願い申し上げます。最後となりますが、皆様の一層のご健勝とご活躍を心からお祈り申し上げ、年頭の挨拶とさせていただきます。

「初の1兆円超えを期待」
●日本ロボット工業会 会長 山口賢治

230116山口会長 昨年は当会が創立50周年を迎えたことで、10月に記念事業として「記念シンポジウム」や「記念式典」等を実施いたしました。関係各位及び会員各位のご協力のもと盛会裏に終了することができましたことをご報告致しますとともに、厚く御礼申し上げます。

 さて、世界経済はロシアのウクライナ侵攻の長期化によるエネルギー供給不足での価格高騰に伴い、世界的インフレ圧力が、更には中国での新型コロナウイルス対応や不動産危機等での景気悪化が見られます。このようななか、国際通貨基金の世界におけるGDP見通しでは、2021年の成長率6.0%が、昨年は3.2%、そして今年は2.7%にまで減速するとの観測にもあるように、世界経済の減速懸念を抱えたなかでの幕開けとなりました。

 このような状況の下、2022年の我が国ロボット産業は、半導体をはじめとする部品不足や中国でのロックダウン等による影響が見られましたが、国内外とも自動化投資意欲に支えられ、2022年は、受注額で対前年比2.9%増の約1兆1,100億円となるとともに、生産額では5.5%増の約9,910億円が見込まれます。

 そして、今年のロボット市場は、様々な問題が徐々に改善されることを期待するとともに、堅調な自動化需要に支えられ、受注額は対前年比3.6%増の1兆1,500億円、そして生産額は6%増の1兆500億円と生産額においても初の1兆円超えとなることを期待しております。

 当会の今年の活動ですが、50周年記念事業として「ロボット産業ビジョン」の策定と「50年史」の編纂が残っておりますが、いずれも本年度内での完成に向け、現在、鋭意取組んでおります。特に、「ロボット産業ビジョン」については、今回が完成版ということではなく、委員会体制を残し、継続的に議論を続けることで、アップグレードしていくことを考えております。

 これらに加え、業界活性化のさらなる推進に向け、昨年に引き続き以下の3点を重点項目として取り組む所存です。

 第一は「市場拡大に向けた取組」です。当会ではロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会との連携のもと、ロボット市場の拡大に向けて、その役割を引き続き積極的に務めて参ります。

 また、ロボットの利活用推進にとってシステムインテグレータの役割は極めて重要ですが、当工業会内の「FA・ロボットシステムインテグレータ協会」も今年で設立5年目を迎え、SIer業界の経営基盤や事業環境の向上、さらには専門性の高度化に向け、活動の一層の充実を図り、また組織的にも更なる発展を目指していくこととしております。

 第二は「イノベーションの加速化に向けた産学連携の推進」です。グローバル市場での我が国の優位性確保や潜在市場の顕在化のためにもイノベーションの加速化が急務となっており、引き続き日本ロボット学会をはじめ関係学会及び関連業界との連携に努めることとします。

 第三は「国際標準化の推進、国際協調・協力の推進」です。国際標準については、欧米が市場獲得の手段として戦略的に取り組んでおりますが、我が国としてもリーディングカントリーとして官民挙げて国際標準化活動に対して引き続き積極的に取り組むとともに、国際ロボット連盟を通じた活動並びに国際交流を積極的に推進していく所存です。

 また、本年は、5月31日~6月2日にかけ「第24回実装プロセステクノロジー展」を、そして11月29日~12月2日にかけて「2023国際ロボット展」の2つの展示会を、コロナ禍以前の状況での開催を目指し実施致します。両展示会を通じて技術情報の発信とともに様々な分野へのロボット利用拡大への意欲を喚起することに加え、市場調査、技術振興等の各事業を意欲的に展開する所存です。

 引き続き関係各位の一層のご支援とご協力をお願い申し上げますとともに、皆様のご活躍とご発展を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

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GTJ2023