アマダプレスシステム 15軸制御 ワイヤ回転式トーションマシン「LM-16A」 販売開始
アマダプレスシステムが、このほどワイヤ回転機構と8本の加工スライドで、直感的な操作を実現する15軸制御ワイヤ回転式トーションマシン「LM-16A」の販売を開始した。
トーションマシンは、ねじりばねを得意としつつ引きばね、圧縮ばね、フォーミングなど、あらゆる線加工の成形が可能なばね成形機。新商品の「LM-16A」は、加工スライドを4軸ずつ上下に分けて、スライドの横移動を数値制御するダブルスイング軸を業界で初めて搭載した。これにより、プログラムによる高い再現性を発揮する。また、より細かい調整や複雑形状の加工時に生じる被加工材(ワーク)干渉の回避などが可能となり、加工領域が拡大する。さらに、段取り時間の短縮や作業軽減により、生産性の向上につながる。また、設置面積は従来機のTM-20Mと比べ約40%の省スペース化を実現し、工場内のレイアウトも容易となった。
近年、モノづくりの現場では品質や生産性向上の要求のみならず、少子高齢化や熟練技能者の引退などの人手不足を背景に、自動化や段取りの簡易化に対するニーズも高まっている。同社では、このような課題に対し「LM-16A」は、独自のばね成形専用プログラム「MNO2」によるプログラム作成の簡易化や見える化のほか、多彩な機能を通じて解決するとしている。今後も顧客の製造現場を総合的な視点で捉え、課題解決をサポートすることにより、広くモノづくりに貢献していく方針。
「LM-16A」 主な特長
(1)高精度加工の実現
2連フィードローラユニットを採用することで、ワイヤにかかるフィード圧の負荷を軽減し、安定したワイヤ送りが可能になる。さらに、高い分解能のサーボモーター制御により、精密な動作が可能になり、高精度加工を実現する。加えて、全スライドがセンサーとして使用できるモーターセンサーシステムにより、巻き角度、コイルの自由長などを 1/1000 mm 単位で計測できる。結果は表やグラフで表示され、各軸の修正が可能である。
(2)加工時間の短縮と段取り削減による生産性の向上
高速回転のロータリーサーボスライドが曲げ加工の時間を短縮する。スピナツールは、コンパクトでありながら軸ピンと外ピンの間隔調整が可能なため、線径ごとのピンの交換作業が不要。これにより、交換時の打ち直しや焼き入れの作業を削減でき、段取り時間とランニングコストを削減する。
(3)独自開発のプログラムによる操作性の向上
ばね成形機専用プログラム「MNO2」は、プログラムの流れや各軸の動作状況、入出力、ジャンプ項目などが一目で把握できる。ナビシステム機能とタッチパネル仕様より、操作性が大幅に向上し、簡単にプログラムを作成でき、段取り時間を短縮できる。また、IoT への対応として、マシンの稼働状況をスマートフォン、PC などで監視でき、予防保全機能による定期的なメンテナンスで生産効率の向上に貢献する。
(4)加工ニーズに合ったソリューションをご提案
干渉回避に有効なワイヤ切断後の加工を可能にする「エアグリップユニット」、コイルの外径調整をサーボモーターで行う「外径サーボユニット」、クイルの摩耗や破損を防ぐ「エアニッパユニット」、コイル長さを計測する「静電容量センサーユニット」など、後工程や計測など様々なニーズに合わせ、豊富なオプションユニットを取りそろえている。
■仕様