サンドビック 「コロマント会総会」を三地区合同配信動画で開催
サンドビック・コロマント(カンパニープレジデント=山本雅広氏)が去る3月15日、オンラインにて「コロマント会総会」を三地区合同配信動画で開催した。
西日本、中日本、東日本の各地区のコロマント会会長よりあいさつがあった。西日本コロマント会の有本浩三会長(有恒精機商会社長)は、「サンドビックの愚直に世界における産業界の発展に寄与する卓越した商品を開発する姿勢に世界のリーディングカンパニーとしての自負がある。改めてわれわれの扱っている商品に誇りを持ってお客さまに提供させていただくことができる。」と述べた。
続いて中日本コロマント会の箕浦康弘会長(中央工機社長)が「ロシア、ウクライナ問題、まだ収束せず現在もわれわれのサプライチェーンに大きく影を落とし、エネルギーや各部品の高騰、また供給不足を招いている。それによって各国が自国の経済安全保障を強化する動きに取っていることから世界の経済は政治的な色合いも濃くなってきてるように思える。業界の変化スピードはさらに加速すると思われるが、会員の皆様と情報交換出来る場を大切にしたい。」と意気込みを示した。
東日本コロマント会の橋本豊重会長(橋本商工社長)は、「サンドビック製品は生産性を改善する上でコストパフォーマンスにとても優れた製品であるに加え、DXを活用し、デジタルツールとして製造現場の隅々まで高能率加工の情報提供をしてくれることは頼もしい限り。人手不足もあり、自動化や高速加工はお客さまの喫緊の課題であり、その問題解決はわれわれサプライヤーの重要な仕事であり使命である。」と述べた。
成長と持続可能へのシフトをアップデート
総会の中で、山本サンドビック・コロマント カンパニープレジデントがサンドビックグループの戦略について説明をした。その中で、成長と持続可能へのシフトについてアップデートをしたと述べた。
同社では、既存事業のさらなる拡大と企業買収による成長の2つの柱を掲げているが、山本カンパニープレジデントは、成長のシフトについて、「既存事業においては戦略的に重要な産業セグメントや用途向けにソリッド工具、自動車用アルミ加工製品、デジタル製品などの強化製品や旋削分野の新製品を投入し続け、集中的にマーケティングや営業活動を実行してマーケットシェア獲得しながら超硬工具メーカーとして成長をしてきた。」と述べ、「積極的なM&A活動を行いさらに成長を加速していく。」と述べた。
一方の持続可能へのシフトについては、「生産性の向上や加工時間短縮によるCO2削減などを達成する付加価値の高い製品を提供し、お客さまやビジネスパートナーの皆さまの持続可能なビジネスや活動をサポートしている。今後も当社のサステナビリティのみならず、お客さまやビジネスパートナーの皆さまのサステナビリティに貢献する製品とサービスを開発導入していく。昨年を振り返りますと、コロナ禍のみならずウクライナ戦争やインフレ、原材料やエネルギー価格の上昇、サプライチェーンの問題など厳しい市況が続きましたが経済活動は徐々に回復し、当社のビジネスも改善した。」と明るい未来を示唆した。
産業別についても触れた。それによると、「航空機、一般機械、工作機械分野がけん引し、2021年対比で大きく業績を伸ばすことができた。」とした。同社では、昨年8月に神戸市中央区のサンドビック本社と名古屋市名東区のサンドビックコロマントカンパニー本部を統合したが、山本カンパニープレジデントは、「より便利でお客さまに近い、名古屋駅そばの新しく近代的で環境に優しい施設へ移転したことにより、一層の市場機会の獲得、顧客サービスの改善、イノベーションと技術をリードするブランドリーダーとして、市場での大幅なイメージ強化を図ることができた。」と述べた。
また、注力製品分野についても触れ、「自動車産業向けアルミ合金加工用製品や、デジタル製品のサイレントツールプラスの引き合いが増えてきた。今後はサンドビックグループの傘下にありますCGTechやMastercamとの協業によるデジタルソリューションの強化に加え、ソリッド工具分野も引き続き注力していく。ヨーロッパや中国の現状を鑑み、グローバルとアジアにおける日本の存在感はますます高まっている。今後もお客さまの生産性と収益性向上に貢献し、日本のお客さまやビジネスパートナーの皆さまのグローバルでの存在感をさらに高める一助となれるよう信頼できるビジネスパートナーであり続けたいと考えている。」と述べ、「販売店様、代理店様、皆さま全員とサンドビック・コロマントのビジョンであるともに未来を創造し、ビジネスを成長させていく所存である。」と意気込みを示した。
サステナブル戦略とデジタル技術を強化
高宮真一 カンパニー副社長・西日本営業統括が本年の主要な営業戦略について説明があった。「2025年までに自動車産業の構造変化、デジタル化、自動化、環境問題など大きな変化が起こり、またわれわれ自身も大きな変化に対応しなければならない3年間である。」との考えを示し、工具とCAMのコラボデジタル強化での付加価値のあるアプローチやプロジェクトを強化するとした。最大効率のオペレーションシステムの構築を掲げ、セルフサービスツールの浸透、販売店ポータルの運用、バリューアンドチームの編成でのより充実したサポート強化などを目指す。
人材育成での持続可能性の強化についても説明があった。これによると、「ハイブリッドなトレーニングシステムを推進し、技術的スキル向上を目指す。同時に社内でもグローバル人材の育成、また人が育つ環境を目指す。」と述べた。
また、市場平均を大きく超える成長の実現を視野に、「M&A活動を含めたよりプロアクティブなマーケティング活動、技術専門部隊の強化などを目指す。」と意気込みを示した。
さらに、リサイクリングの強化やCO2削減に貢献する工具、アプリケーションの充実、デジタルエリアの強化、また同社独自のツールを活用し、取り組む姿勢を示した。
武井篤史カンパニー副社長・東日本営業統括がデジタル戦略について説明した。これによると、「コアとなる機械加工分野だけではなく、加工前工程におけるCAMやシミュレーションソフトを使ったデジタル技術を強化した。一気通貫のサービス向上を目指して、機械加工分野では環境や時代の変化に合わせた弊社独自の画期的な製品開発を継続すると同時にOEMやM&Aを実施することでさらに競争力の高い商品ラインナップへ拡大する。」と意気込みを述べた。
2022年優秀特約店発表のあと、「サンドビックのトータルソリューションの提案」をテーマに講演があった。