DMG森精機 日本全国の高専と連携し、「デジタルものづくり実践講座」の提供を開始
DMG森精機がこのほど、日本全国の高等専門学校と連携し、本年8月より「デジタルものづくり実践講座」の提供を開始する。
この講座は、経済産業省の令和4年度「高等教育機関における共同講座創造支援事業費補助金」において、執行団体である社会実装推進センター(JISSUI)から、同社グループ会社のテクニウムが採択を受けたことによるもの。
北九州工業高等専門学校を旗艦校として、全国の10高専、及び同校主催の第4次産業革命エグゼクティブ ビジネススクールの最大220名に向けて、最新の工作機械を用いた「デジタルものづくり実践講座」を北九州工業高等専門学校と共同で開催する。
「工作機械業界は工程集約・自動化・デジタル化によりますます変化しているが、高専においてもこの変化に対応する教育プログラムの整備が遅れており、学生は5軸加工機など最新の工作機械の知識や操作経験がなく、心理的な障壁が強いという課題がある。」と同社。
講座は「①講義」、「②自己学習」、「③実習授業」の3つで構成される。
(1)講義では、参加する全高専をWebセミナーシステムで繋ぎ、工作機械業界の現状と未来や、ゼロからの機械加工の基本、アフターコロナ時代にデジタルで学ぶ意義などについて学習。
(2)自己学習では、2020年に提供を開始し、顧客・学生が受講しているeラーニングサービス「デジタルアカデミー」でマシニングセンタや5軸加工機の基礎を、高専生向けに特別開発したコンテンツにより切削加工現場で安全に働くためのコツを学ぶ。
(3)実習授業は、同社最大の生産拠点である伊賀事業所での2泊3日の特別講座。5軸加工機・ロボットによる加工・自動化体験や、組立工場・加工工場・パーツセンタ・ソリューションセンタの見学を行い、最後に「これからの時代の機械加工×デジタル」をテーマに意見を出し合うワークショップを開催。
また、事業の過程ではVR(Virtual Reality)技術を取り入れ、NC工作機械利用に対する高専生の心理的障壁の軽減を目的とした特別コンテンツ「切削加工安全確保VR」を共同研究として開発・評価する。
同コンテンツは、熊本工業高等専門学校八代キャンパスの協力を得て撮影したもので、地理的に離れた全国10高専を繋いで本講座の中での活用を試行し、日本国内の全高専や母国語の異なる他国の学校法人での活用を目指していく方針。