MOLDINOが2023年度「MOLDINO VISION」を配信 意気込みを示す

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 MOLDINO(社長=鶴巻二三男氏)が6月27日、オンデマンド配信で今年度の「MOLDINO VISION」を配信し、経営戦略骨子、業績の報告、今後の展望について説明をした。

 はじめに鶴巻社長より、経営戦略の説明があった。鶴巻社長は日頃の感謝の意を表した後、「MOLDINOの理念〝開発技術のMOLDINO〟の下、独創的な商品開発力と提案力をもって豊かな社会づくりに貢献するに変わりはありません。」と意気込みを示し、昨年の実績について、「市場関係は非常に厳しいなか、対前年比9%増の249億円の売上を上げることができたが、金額的には為替影響などもあり、物量的には必ずしもこの結果ではないと言う点は皆様の実感と一致するところではないかと推測している。現状にとどまらず2030年にいかなる姿であるべきかを考え、中期経営戦略を策定し、4つを基本骨子として定めた。」と述べた。

 鶴巻社長は、「金型に加え、難削加工を抱えている顧客にとことん寄り添う、独創工具の創出と付加価値提案を磨き続ける、金型子工具市場で世界シェア20%を目指す、安定した経営基盤を維持するため、基盤の源泉である人材と資金を確保し続ける。そしてブランドコンセプトの可能イノベーションの現実に向かってさらに進行していく。」と説明した。

 加工イノベーションの実現に向けて具体的には、「ソリューション営業のみならず、開発メンバー技術サービス体制を再強化し、顧客のコンタクトを増やし商品開発につなげる。工場では先進的な技術導入に挑戦し、人手作業の自動化、独自の製造技術の構築など、積極的な設備投資を継続的に行い、皆さまに魅力ある製品を安定的にお届けする。再生可能エネルギー活用やリサイクル資源の有効活用なども取り入れ、カーボンニュートラルに代表される社会的な貢献も行っていく。」ことを述べ、顧客と社会に役立つ取り組みとして、「『Production50』の新たな可能性を展開する。」と意気込みを示した。

 『Production50』とは、同社が2002年から20年にわたり〝加工半減〟を提唱してきたもので、製造工程をトータルに見極め最適化するもの。この提案は、日本をはじめ欧州など様々な地域の顧客と取り組んできたものである。

 鶴巻社長は、「『Production50』は、製造現場で生まれる新たな課題にも貢献できるよう努めていく。CO2削減、人材不足解消、磨きのない加工や深い加工といった難削加工、ものづくりは未知の領域への挑戦である。」と力強く述べた。

持続的顧客価値創造に向けて

230730MOLDINO2 後藤 理 営業本部長から営業部方針について報告があった。後藤営業本部長は、「昨今のビジネス環境の不透明性、不確実性、多様化するユーザーニーズに対して、われわれは何をすればよいか。販売店、代理店の皆様も、従来の工具単体だけにとどまらず、機械、ツーリング、CAD/CAM、ロボット、さらには搬送やシステムといった周辺機器など多岐にわたり、お客さまの生産性向上のご提案を日々実施している。今まで以上に、お客さまのお客さま、さらにはそのお客さまに対して、よりマーケットに近づき、最終製品化への優位性を早くキャッチし対応できるかが勝負の鍵。切削工具の基礎知識、最適なマター、最高の使用環境のご提案、セミナー、工場見学等により、積極展開をしていく。入社間近の方、中堅社員、さらにはベテランとフレキシブルに皆さまのご要望に応じ、少人数で開催している。技術サービスや工場技術員との同行により、技術目線での積極的な提案を実施する。工具のみでなく、CAD/CAMや、磨きや自動化などを含めたトータル加工提案を行います。」と意気込みを示した。

 難削加工への積極展開にも触れ、「標準品のみでなくお客様それぞれの加工現場に即した特殊品での積極展開を実施する。」とした。同社が考える難削加工について後藤営業本部長は、「鏡面を意味する美しい、圧倒的な加工短縮を意味する早い、直彫り加工に代表される深い、さらには、微細を意味する細い、材料革命を意味する難削材加工材。最後にカーボンニュートラルをはじめとする循環型社会を意味する環境の環。これらを難削加工と定義し、お客さまの加工改善に真摯に取り組み、金型にとどまらずProduction50思想を基に加工イノベーションを、皆さまと共に実現していきたい。」との思いを述べた。

Production50テクニカルチェンジ

230730MOLDINO2 木野晴喜ソリューション営業部長から『Production50テクニカルチェンジ』について、説明があった。「製造業は、新型コロナウイルスの影響、自動車を取り巻く変化によって、さまざまな課題への対応と進化が求められている。身の回りの製品とその金型においては、例えばハイサイクル化、高品質化、複雑化、精密化といった進化といえる。その上、各企業は、さらなるコストダウンへの対応とCO2排出量の削減が求められている。そのような中で、短い期間で早く作る技術、サービスを提供すること。Production50のコンセプトは、これから進化する製造業の課題に向け、直接的に効果を生み出していくソリューション方法である。」と述べ、「約20年前に当社が提唱したProduction50は、その後、全世界で多くの実績を残し進化を重ねた。単に切削加工を早く終わらせることだけではなく、いかにして人の工数を削減できるか、無駄な停滞時間を削減できるかといったテーマをもって新製品を開発し、お客さまに提案することを目指している。これが近年のMOLDINO Production50である。」と意気込みを示し、同社の最新工具について説明があった。

ドリル事業の強化へ

230730MOLDINO3 小櫻一孝国内営業部長から国内営業部方針の説明があった。小櫻営業部長は、「国内営業部ではドリル事業の強化をしている。特に難削加工の小径荒加工ではチラシを作成し、新規顧客の獲得を行っている。」と述べたあと、細穴放電加工に頼っていたエジェクタピン穴を当社ドリルへ置き替えた事例を紹介し、「熱処理後に切削で小径荒加工ができると大変好評だった。」と話した。

 また、「全国の幅広い業種で成功事例が増えている。」とし、「小径荒加工でお困りのお客さまにお役に立つべくものづくりに取り組んでいく。」と意気込みを示したあと、「コロナ禍の明けた今、待望のリアル体験として、ものづくりの現場にある当社へお越しいただきたい。各種工作機械により、お客さまとのProduction50の取り組みを実証している。現場でテスト結果をご確認いただいたり、加工条件を変更することも可能だ。また、各工場では全員参加で小集団活動に取り組んでおり、その改善実例をお客さまの参考にしていただけたら幸いである。」とした。


 

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