日進精機が岡谷市21経営社研究会と交流
岡谷市の若手経営者で構成する「21経営者研究会」が、超精密、特殊加工などのハイテク部品や次世代金型を手掛ける日進精機(社長=伊藤敬生氏、本社:東京都大田区多摩川)の長野飯田工場(長野県飯田市竜江)を見学した。日進精機は国内2拠点と海外4拠点(中国無錫工場、中国深圳工場、フィリピン工場、タイ工場)で約900名(うち国内130名)が高度なものづくりを行っており、品質の高さで顧客から厚い信頼を博している。
岡谷市産業振興部工業振興課の小松主査は、今回の目的を「21経営者研究会の企業様と日進精機様とで新しい取り組みや情報交換をもとに刺激を受けていただきたい。」と期待を込めた。この日は懇親会も開かれ、双方が交流を深めた。
日進精機は1957年に東京の大田区で産声を上げた。当時はモータコア金型の製造販売を多く行っていたが、超硬合金を世に先駆けて(モータコア)金型に用いたのも同社とされる。その後、精密金型製造技術を核に、塑性加工の中でも特に難易度が高い順送プレス金型(複数の工程を単一型内に等間隔に配置しコイル材を連続加工する様に設計された金型)による深絞りプレス加工(一枚の金属の薄板から容器状の製品を継ぎ目なく成形する技術)を追求してきた。この技術は、需要の大きな伸びが見込まれる電動車や半導体製造装置などに多く使われ、ニーズは今後益々拡大していくと思われる。また、日進精機は樹脂成形も社内で行っているが、注目すべきは超高性能リフレクター金型のスペシャリストである点だ。長年にわたり培われた金型技術をもとに、開発から量産までユーザーニーズに応えている。
2000年には電気通信大学と共同で開発した「CNC三次元フリーフォームパイプベンダー」(以下、NPB)が日本発明大賞特別賞を受賞し注目を集めた。以降、2013年は東京商工会議所主催の「勇気ある経営大賞」優秀賞、2017年には経済産業省より「地域未来牽引企業」に選定されている。2018年にアメリカ西海岸に代理店を設置している。
NPBでは近年サービス事業にも取り組み、新ブランド『bendo! tokyo』を立ち上げている。NPBにより曲げられたパイプの特徴(曲げたパイプの偏肉が少なく仕上りも綺麗。3 次元複合 R でストレートが入らず連続的に曲げられ強度にも優れる等)を生かしたデザイン志向の製品製作を行い、特許製品Wave-Truss®(NPBで波形の三次元形状に曲げたパイプを其々の接点で拘束し、壁状・アーチ状・ドーム状に組立てた骨組み構造体の空間創作アイデアプッシュ型製品)も生み出している。INTERMOLDなどの展示会では工作機械メーカー大手の牧野フライス製作所ブースの装飾を「成長の木・拡張の木」をモチーフにして施した。その作品は(展示会終了後に)再活用され、(牧野フライス製作所)厚木事業所内のインテリアとして大きな存在感を示している。