森精機 放射能防護プロセス認証を取得
2012年03月05日
昨年3月の福島第一原子力発電所における事故後、日本から輸出される製品に対して放射能汚染の懸念が寄せられるようになったのを受け、森精機製作所(社長=森雅彦氏)は、こうした懸念を適切な放射能防護プロセスを導入することで一早く払拭し、世界各国の顧客に対し安心して製品を提供するため、伊賀事業所、奈良事業所第一・第二工場、千葉事業所および連結子会社であるマグネスケール伊勢原事業所の計5箇所において放射能防護プロセスを導入し、テュフ ラインランド ジャパンより認証(Radiation Monitoring and Control Process by TÜV Rheinland)を取得した。
テュフ ラインランドグループ(TÜV Rheinland Group、ドイツ ケルン市)は 設立140年、61カ国に500の拠点をもつ世界でもトップクラスの第三者検査機関。数十年に渡り、原子力の応用システムや関連する部材の適合性評価、放射能の防護および計測に至るまでの幅広い分野で活動している。テュフ ラインランドグループには、チェルノブイリ原子力発電所の事故に関連した放射能の防護・計測の知見をもった専門家がおり、福島第一原子力発電所の事故直後にはドイツ本社より来日し、2011年3月より放射能汚染物質検査、ラボラトリーでの測定、放射能防護プロセス構築支援サービスを行っている。
「放射能防護」とは、製品や従業員や周囲の環境を放射能汚染の懸念から防護するためのコンセプトで、サプライチェーン上で必要と判断された工程に検査・管理プロセスを導入し、それを適切に維持していくものである。放射能防護プロセス認証は、こうした取組みをマネジメントと実際の管理数値の両面から評価し、予め設定された目標に対する適合性と妥当性を客観的に証明する。
同社では欧州放射能情報緊急情報交換会ECURIE(European Community Urgent Radiological Information Exchange)が定めるガイドライン(バックグラウンド値(*1)+0.2μ㏜/h以下)より更なる安全を考慮し、製品出荷前の放射線量測定を実施し、測定結果がバックグラウンド値(*2)+0.1μ㏜/h以下であることを出荷条件とした。(*1自然界に存在する放射線量 *2定められた場所で定期的に測定した0.1μ㏜/h以下の値)。