ヤマザキマザックグループ 社員の髙木氏が「黄綬褒章」を受章

231130マザック黄綬褒章
硬度測定の技術指導

 ヤマザキマザックグループ(本社:愛知県丹羽郡大口町)に勤務する髙木信男氏が、令和5年秋の褒章において「黄綬褒章」を受章した。「黄綬褒章」は農業、商業、工業等の業務に精励し、他の模範となるような技術や事績を有する個人に対して与えられる褒章。

 髙木氏は1984年に入社後、金属熱処理・材料試験業務に30年以上にわたり従事してきた。現在は、主軸の一貫生産をになう工場において、主軸部品の熱処理業務を担当している。

 金属の耐久性を高める技法の一つである「高濃度浸炭焼入」を用いた主軸部品の熱処理方法を確立し、工作機械の長寿命化・熱処理の高効率化に貢献したことなどが評価され、今回の選出となった。

 同グループで「黄綬褒章」を受けた社員は、今回の受章で累計10名となる。

■高木信男氏

職歴
 1984年4月 山崎鉄工所(現ヤマザキマザック入社)
 1984年~1986年 商品開発部 技術課
 1986年~1989年 大口製作所 生産技術課
 1989年~1995年 生産技術開発部 生産技術課
 1995年~2005年 技術生産改善部 生産企画課
 2005年~2011年 生産技術部 生産企画課
 2011年~現在 美濃加茂製作所 第二工場 生産技術課

〈功績・貢献の概要〉

(1)工作機械の長期高精度化・長寿命化への貢献
 工作機械用主軸に最適な高濃度浸炭焼入の熱処理条件の開発により、マシニングセンタ用主軸・複合加工機用ミル主軸のツール接触面におけるキズの発生を防止。長期にわたる加工精度の維持が可能となり、また機械本体そのものの長寿命化することに貢献した。

(2)地球環境/職場環境改善への貢献
 真空浸炭炉を使用した高濃度浸炭焼入の内製化を実現。真空炉の特徴である高温・短時間処理を可能とし、生産性向上の面のみならずエネルギー効率が良くなり温室効果ガスの排出量削減にも貢献した。また「直接炎が出ない」「室温が高くならない」といったことにより熱処理工場内の温度環境・雰囲気が良好となり、環境面にも優れた作業エリアの実現に貢献した。

(3)浸炭焼入工程の安全性・高効率化への貢献
 従来のガス浸炭炉では炉内が高温のまま停電すると浸炭ガスが爆発する危険があるため、常に人が付いていて不活性ガスを手動で注入する必要があり、3交替の勤務体制が必要であった。真空浸炭炉は炉内を真空にして処理を行なうため、炉内が高温のまま停電しても安全に停止させることができ、昼間の勤務体制でよくなり、人件費の削減に貢献した。

〈主な表彰歴・取得検定〉
【表 彰 歴】

 ・卓越技能者 岐阜県知事表彰
 ・卓越技能者 厚生労働大臣表彰 (現代の名工)
【技能検定】
 ・2級 金属材料試験技能士
 ・特級 金属熱処理技能士
 ・特級 鋳造技能士

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