芝浦機械グループ 「ソリューションフェア2023」開催 ~BEVへの幅広い取り組みや先進技術を紹介~

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御殿場会場の様子

 芝浦機械が去る10月31日から11月2日の3日間、同社沼津工場(静岡県沼津市大岡)及び御殿場工場(静岡県御殿場市駒門)の2拠点で「第18回芝浦機械グループ ソリューションフェア2023」を開催した。各会場には製品カンパニー別に時代のニーズに応えた旬なマシンやシステムが展示された。

 今回は、①サステナビリティ(持続可能性)、②サーキュラーエコノミー(循環経済)、③デジタル化――――の3つのキーワードと「先進技術で繋ぐ循環型社会の実現を目指して」をコンセプトにしてBEV(電気自動車)への幅広い取り組みや先進技術を紹介した。

 展示会では、普段はなかなか見ることができない工場内を歩くこともでき、同社工場では、最先端の技術と長年培ってきたノウハウを活かして自社製のプラノミラーや横中ぐり盤、研削盤などを使って高精度な加工部品および製品をつくり、人と機械が調和をしつつ、工作機械生産工場として稼働している。

技能レスと自動化を推進

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沼津工場 受付の様子

 沼津工場では、Hall1から8までの会場が使用され、Hall1(1F)では、BEV分解モデルが展示されており、注目を集めた。hall2は制御カンパニーの製品である人型双腕協働ロボット、スカラ型双子腕協働ロボットや、各種ロボットシステム、BEV用インバータ、モーター、各種コントローラが展示されていた。ここでは、コンセプト展示として〝シミュレーション&フィードバックによる障害物自動回避〟のデモが行われた。ロボットの動作経路内に障害物があったときに回避するルートをシミュレーションで作成し、シミュレーションをしたとおり回避動作を行った。

 Hall3は工作機械カンパニー(超精密加工機)の展示がされていた。ここでは「超精密・高精度加工機による新たな分野への参入」がテーマであり、高精度5軸加工機「UVMシリーズ」にて、エアスピンドル+高精度5軸による超硬プレス金型の高精度加工実演を行った。

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超精密加工機「ULG-100D(5A)

 また、近年、モバイル機器や自動車市場等において光学部品に対するニーズの高まりを受け、超精密加工のさらなる進化を目指した「ULG/ULCシリーズ」では、工作機械業界初となるリアルタイム真直度補正技術によって微小うねりを改善しており新しい開発技術として注目が集まった。この新しい開発技術とは、超精密加工機「ULG/ULCシリーズ」向けに工作機械業界初の案内面の真直度誤差を低減するサーボ式真直度誤差補正機能や、進行方向及び進行方向に対する直交成分を含む位置決め技術を確立すると同時に遅れゼロフィードバックを達成する高機能型処理回路基板。有限系V-V転がり案内の優位性でもある加工精度の安定性と再現性を維持しつつ、工作機械では世界最高水準となる〝ナノメートルオーダー〟の真直度を実現している。

 他にも小口径から大口径までのガラスレンズの生産性向上を目指した「GMPシリーズ」も展示されていた。

環境にも考慮した製品群がズラリ

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Hall7で展示されたリチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置


 Hall4、Hall6~8は成形機カンパニー(射出成形機、押出成形機)の展示がされており、リサイクル材の有効活用や樹脂使用量削減の提案がなされた。画期的だったのは超大型電動式射出成形機「EC3000SXⅢ」で、VRゴーグルを使用したバーチャル展示もあった。

 また、「シート製造装置の自動化、予防保全のデジタル化の提案」では、超小型シートフィルム製造装置の自動化のデモを行っており、従来では押出制御の自動化は可能でも通紙は不可能だったが、今回は通紙までを一貫して自動化を試みる技術を紹介していた。

 他にも、セパレータフィルム(BSF)はリチウムイオン二次電池を形成する主要部品のひとつだが、リチウムイオン電池向けBSF製造装置フルラインの提案をしていた。近年、トレンドでもある電気自動車やスマホなどの電子機器に使用されているため、同社のBSF製造装置は近年注目されている。ここでは巨大BSFサンプルも展示されていた。

 御殿場工場のHall9は、工作機械カンパニー(工作機械)と成形機カンパニー(ダイカストマシン)が「自社技術でアルミ大物部品への対応(金型・鋳造・FSW)」をコンセプトに展示しており、新技術を搭載した注目の門形マシニングセンタ「MPC-3120H」が展示されていた。

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MPC-3120H

 「MPC-3120」のコンセプトは、「粗~仕上げまで」。このマシンは粗加工用のスナウトと仕上げ用のアタッチメントが併用可能であり、荒加工ではフライス加工で毎分735ccの削除量を達成したうえ、高速5軸アタッチメントにより金型の傾斜面における工具短縮や周速ゼロ点を避けたカッタパスを実現することによりビビリの回避や加工面質の向上を実現した。他にも同社のTSA(Total Support Application)、撮影式工具形状測定機能を用いることで工具先端の状況が定量化できるに加え、任意角度の摩耗量が確認でき、正確な工具摩耗量を測定できることでエリア段差の発生を抑制するメリットを有している。

 芝浦機械グループでは「ソリューションフェア2023」を通して新たな産業を創造するための新たな価値を来場者に示していた。

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