「自動化需要の回復に期待」ロボット関連三団体 賀詞交歓会を開く
日本ロボット工業会(会長=山口賢治 ファナック社長)、日本ロボットシステムインテグレータ協会(会長=久保田和雄 三明機工社長)、製造化学技術センター(理事長=加賀邦彦 三菱電機専務)のロボット関連三団体が、1月12日、都内の東京プリンスホテルで賀詞交歓会を開いた。能登半島地震地震の犠牲者に黙祷を捧げたあと、三団体を代表して山口会長があいさつをした。
山口会長はあいさつの中で昨年を振り返り、「昨年末にロボット業界にとっての最大イベントである2023国際ロボット展を開催し、その開催規模に加え、来場者数も過去最大となる14万8,000人余りの方々に来場頂き、盛会裏に終了することができた。」とお礼を述べたあと、「長引くロシア・ウクライナ情勢や中東情勢等の他、地政学的リスクに伴って不安定化がさらに進んでおり、2024年は様々な懸念を抱える中での幕開けとなった。このような状況の下、2023年のわが国のロボット産業は、中国市場の悪化や世界経済のリスクに伴う投資の削減などから、受注額で対前年比23.6%減の約8,490億円、生産額では11.2%減の約9,060億円と、当初見通しを大幅に下回ることが見込まれている。」とし、今年のロボット市場については、「世界的な経済の先行きに不透明感はあるものの、先の国際ロボット展でも改めて感じた自動化への高まる要求に鑑み、年後半に向けて自動化需要の回復を見込むことで受注額は対前年比6%増の9,000億円を期待するとともに、生産額はそれに合わせて9,000億円と見通している。」と勢いを示した。
来賓を代表して経済産業省製造産業局の橋本真吾審議官があいさつをした。この中で橋本審議官は、「日本経済は長年にわたるデフレ経済を脱却して新しい経済ステージとなった。昨年は設備投資や賃上げが30年ぶりの高い水準になっている。コストカット中心の経済から、投資、賃金、物価、売り上げなどが伸びていく成長型経済へと移行しているステージである。国内投資を強力に後押しする施策を実行して国内投資促進パッケージを進めている。中堅中小企業の成長収益力強化に向けた賃上げ促進税制や、ものづくり補助金の拡充、5,000億規模のカタログ補助金の新設といった業界の皆さまにとっても使い勝手の良い支援を通して賃上げ原資の確保のための措置をしている。」と声援を送った。
日本ロボットシステムインテグレータ協会の久保田会長が能登半島地震で被災した困難な状況にある人々が1日も早く日常を取り戻すことを願って「頑張ろう」と声をあげたあと、参会者は親睦を図った。