「受注総額1兆5,000億円の見通し」日本工作機械工業会 賀詞交歓会を開く

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稲葉会長

 日本工作機械工業会(会長=稲葉善治 ファナック会長)が1月10日、都内のホテルニューオータニ ガーデンタワーで賀詞交歓会を開いた。能登半島地震の犠牲者に黙祷を捧げたあと、稲葉会長があいさつをした。

 あいさつに立った稲葉会長は昨年を振り返り、「新型コロナが5類に移行し経済活動が正常に戻った一方で米中対立やウクライナ戦争の長期化、さらに中東パレスチナでは激しい軍事衝突が勃発し、世界情勢は不透明、不確実の度合いをさらに強めている。」と述べたあと、工作機械の受注に触れた。それによると、「内需は当初見込まれていた半導体製造装置関連や自動車の需要開拓が思うように進まず目標に達しなかった。外需は欧米が比較的高水準を維持したが、中国は不動産の不良債権問題などをきっかけに景気が低迷し、大幅に減速した。厳しい経済環境で2023年の工作機械受注額は1兆4,800億円程度に達した模様である。」と話した。

 2024年の展望については、「世界情勢の先行きに対する不透明感が継続する中で、年前半は緩やかな調整局面が続くと思われる。しかしながら人材不足や人件費高騰に対応する自動化、効率化投資、またAI、IOTを活用したデジタル革新、環境対応といった設備のニーズは根強いものがあり、工作機械の受注を下支えしていくことが期待される。また半導体の需要増加に、自動車の新エネルギー対応のために今年後半には工作機械に対する新たな需要が見込まれる。」との見解を示し、2024年の工作機械受注総額は、「1兆5,000億円になる見通しである。」と発表した。

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経済産業省 伊吹製造産業局長

 来賓を代表して経済産業省の伊吹英明製造産業局長があいさつをした。この中で伊吹局長は「災害が起きたときは政府全体が力をひとつにする中において、経済産業省は大きな役割がある。電気やガス等、エネルギー関係のライフラインしっかり通さなければならず、早期復旧に全力を注いでる。水、食べ物、特に冬の能登は非常に寒く、例えば灯油のストーブや毛布、仮設トイレなど様々な物資が必要であり、これらを調達して現地に送り、生活の支えにしていただくことである。」と述べたあと、「ビジネスを立ち上げようとした時には様々な費用がかかるので、資金繰りなどしっかりサポートしていくこともわれわれの大きな役割なので緊張感を持って取り組んでいきたい。」と意気込みを示した。

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