DMG森精機 2024年度業績予想を増額修正
DMG森精機(社長:森 雅彦氏)は、去る4月26日、2024年12月期第1四半期(1月~3月)の連結決算を発表した。
当第1四半期連結業績は、売上収益1,329億円、営業利益108億円、税引前四半期利益93億円、親会社の所有者に帰属する四半期損失87億円となった。なお、親会社の所有者に帰属する四半期損失については、ロシアの製造子会社がロシア政府によって収用されたことにより、当該会社を連結対象から除外し、損失として148億円を計上したことによるものだ。これは保険での補填により損失を相殺する予定となっている。
当第1四半期の連結受注額は、1,368億円となり、前年同期(2023年1~3月)比では5.8%減となったが、前四半期(2023年10~12月)比では13.5%増と回復した。これは工程集約、自動化、GX(グリーン・トランスフォーメーション)をDX(デジタル・トランスフォーメーション)により実現するDMG MORIのMX(マシニング・トランスフォーメーション)戦略が、順調に市場に浸透している表れだ。さらには顧客への付加価値提案力が向上し、機械1台当たりの受注単価が、2023年度平均の61.9百万円から74.7百万円へと大きく伸長した。また、連結受注の23%を占めるサービス・補修部品の受注額も前年同期比10%増と寄与している。
地域別受注額は、前年同期比、欧州(構成比:60%)が9.9%増、米州(同:20%)が8.3%増と、円安の効果もあり順調に拡大した。日本(同:9%)が30.8%減、中国を除くアジア(同:4%)は22.4%減となった。この2地域は、前四半期ではほぼ横ばいとなり、今後の回復が期待される。中国(同:7%)は、前年同期が過去のピーク水準であったことに加え、昨年から輸出管理をより強化した影響もあり、54%減となった。産業別の需要は、民間航空機、宇宙、メディカル、金型、発電機器、エネルギーを含むインフラ関連、防衛向けが好調に推移している。
年度の連結受注見通しについては、期初計画の5,200億円を据え置くが、第2四半期以降の状況を基に随時見直していく。機械本体の受注残高は、2023年12月末の2,470億円から、2024年3月末には2,630億円へと増加した。この受注残高は今期および来期の売上収益の増加に貢献する。
同社は、2023年から2025年を期間とする「中期経営計画2025」でも掲げられているとおり、工程集約・自動化・DX・GXにより、顧客へより付加価値の高い製品、システム、サービスを提供すること、これにより環境負荷を低減させ地球環境保護にも貢献するといった、MX戦略による持続的な成長を目指している。MXの推進による顧客の生産性向上とサステナブルな社会の実現に邁進するという。
2024年度(2024年1~12月)の業績見通しについて、予想を増額修正した。売上収益を5,500億円(従来:5,400億円)、営業利益を585億円(同:570億円)、親会社の所有者に帰属する当期利益を360億円(同:350億円)へとそれぞれ増額した。親会社の所有者に帰属する当期利益は、ロシアの製造子会社の連結除外損失が保険により補填されることを前提としている。第1四半期の受注高が計画を上回ったことから、年度内の売上収益も期初計画を上回る見込みだ。また、費用構造も計画どおりに推移していることから、増収にともない営業利益、当期利益も期初計画を上回る見込みである。