日本機械工具工業会が「第10回定時総会」並びに「2024年度『生悦住賞』『新庄(陰徳の士)賞』表彰式を開く


 日本機械工具工業会(会長=松本克洋氏)が6月5日、アーバンネット大手町ビル 東京會舘(東京都千代田区大手町)で「第10回定時総会」を開いた。

 総会終了後、2024年度「生悦住賞」、「新庄(陰徳の士)賞」が紹介されたあと、事務局から「2024年度機械工具生産額見通し」について報告があった。

 それによると、正会員(82社)へ実施したアンケートでは、「機械工具観測調査」DI値によると、全体業況は、足元(2023年度末)に比べ上期は良くなる回答が多く、機械工具の生産額も増加予測で内需・外需ともに先行きは良化するとみられている。業種別では自動車関連向けが増加傾向、外需地域別では自動車関連が回復基調だが、工具需要は遅れがあること、中国の低迷、長期化する国際風霜とそれに起因知り物価高騰などを考慮すると、経済環境の完全回復は2025年度上期以降になると予想する回答が多くを占めた。

 このことから2023年度実績は前年度比95.4%の4,641億円となった。今回調査した2024年度見通し調査結果と観測調査のDI値とは必ずしも相関しないが正会員へ調査依頼をした生産品目ごとの対前年同期比見通し集計を基に、機械関連業界の傾向や上記観測調査の意向も踏まえた結果、2024年度当初生産額見通しは前年度実績を上回る、前年同期比106.7%の4,950億円とした。

 続いて、総務委員会、技術委員会、環境委員会、国際委員会からそれぞれ報告があった。

 第二部の懇親会では、寺島誠人副会長(東鋼社長)が乾杯の発声を行い、宴もたけなわのころ、散会した。

2024年度生悦住賞

表彰式の様子 写真左:三井氏 右:松本会長

 生悦住賞は、1978年に生悦住貞太郎ダイジェット工業(株)会長が傘寿を迎えたことを機に、超硬工具協会(現日本機械工具工業会)が同年に創立30周年に当たることを記念して協会に多額の寄付をし、この有効活用を目的として「生悦住基金」が設けられ、①会員で草の根的に功労のあった人、②会員内外を問わず業界発展に貢献された人、を表彰するために設定された表彰制度である。

 〇三井雅夫氏(彌満和製作所)

略歴
 1991年~2001年 ねじ切り工具専門委員会
 2001年~2021年 ねじ切り工具専門委員長、技術委員

会社略歴
 2004年 彌満和製作所 技術本部 チーフエンジニア
 2015年 同社 技術本部シニアエンジニア 現在に至る

■ 功績の概要
 三井氏は、1991年からねじ切り工具専門員会の委員として、また2001年から2021年3月まで約20年もの長きにわたり同専門委員長および技術委員会委員として活躍した。中でもねじ加工工具に関連するISO規格、JIS規格、および工業会規格であるTAS規格の見直し改定を主に精力的に取り組んだ。技術・環境、合同委員会には、1989年の第1回から2019年まで連続出席されるなど両委員会の交流に尽力し、現在でも2021年5月からねじ切り工具専門委員会のアドバイザーとして出席している。

2024年度 新庄(陰徳の士)賞

 新庄賞は新庄鷹義氏が55年在任された冨士ダイス(株)社長職から会長職へ昇格し、併せて米寿の慶事にあたる年に、同氏から多額の寄付をもとに新庄基金が設けられた。需要資格者は、会員企業(正会員)の〝陰徳の士〟的立場にある人(一般には目立たないながら、会社にとって非常に有用なことを実践している人、パート従業員、派遣社員、ボランティアを含む)で、所属企業からの推薦を受け表彰する制度である。

 〇小塩政利(MMCリョウテック)
 〇夏目哲久(オーエスジー)
 〇小林由美(共立合金製作所)
 〇大野政則(サイトウ製作所)
 〇高尾祐子(サンドビック)
 〇永野川茂夫(田野井製作所)
 〇稗田尚美(日本新金属)
 〇星野公夫(日本特殊合金)
 〇岡本伏美子(ニチアロイ)
 〇豊田晴康(富士精工)
 〇田端浩弘(マコトロイ)
 〇佐伯卓司(三菱マテリアル)
 〇岡田 隆(MOLDINO)
 

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