サンドビック・コロマント・センターが開所
サンドビック コロマントカンパニーが去る6月12日、サンドビック・コロマント・センター(名古屋市中川区北江町2-2)の開所式を開いた。
開所式では、同社のグローバルセールス&マーケティング担当バイスプレジデントのマイケル・エネベリ氏があいさつした。その中で、エネベリ バイスプレジデントは、「日本は当社にとって重要な市場であり、日本市場において当社の地位を強化することはサンドビック・コロマントにとって戦略的にとても重要なことだ。グローバルで約15のセンターを持っているが、デジタルを通じて世界中のサンドビック・コロマント・センターとつながることで、お客さまやパートナーの皆さまにカスタマーエクスペリエンス(顧客体験価値)を提供することができる。当社の最新テクノロジーとイノベーションを楽しんでいただき、このセンターを一緒に活用することで共通のビジネスをさらに大きくすることを願っている。」と意気込みを示した。
続いて、山本雅広サウス・アンド・イースト・アジア ジェネラル・マネージャーが、「サンドビックは2022年8月に本社を名古屋に移転したが、日本産業の中核となる自動車、航空機、工作機械産業が集結している名古屋の中心地にセンターを新設し、あらゆる幅広い産業でグローバルに活躍している日本のお客様に限らず、東南アジア、オセアニアのお客様にも最新のデジタルソリューション、機械加工デモンストレーション、トレーニング、加工テストを提供していく。本日お集まりの日本の重要販売店、代理店の皆様にもこのセンターを最大限活用していただきたい。」と思いを述べた。
続いて青木雅彦 山善 執行役員 ツール&エンジニアリング事業部長が、「愛知県は日本の製造業における延べ床面積が日本最大と聞いている。この地に新たな挑戦をされることに経緯を表したい。現在、円安と歴史的なインフレ局面で日本経済やものづくりの価値が問われている。サンドビックは生産性の向上に寄与されるためにコロマント・センターを設立され、グローバルカンパニーらしい新製品や新技術、加工ソリューション、情報を発信されており、われわれも共に取り組んで参りたい。」と声援を送った。
ブランドロゴも一新 ~基本はマニュファクチャリング・ウェルネス~
同社は昨年10月、コロマントのブランドアイデンティティーが刷新され、同社のブランドロゴが変更されている。色使いも大きく変更し、シンプルなデザインになっている。また、新しいブランドアイデンティティーはマニュファクチャリング・ウェルネスの考えが基となっており、同社によると、「皆が幸せになれる経営活動方針」を指す。同社では革新的なソリューションを提供しながら顧客と共に社会や環境にも貢献しながら、持続可能な未来を共に創造していこうという願いが込められている。
同社ではマニュファクチャリング・ウェルネスを達成するため以下の8つの習慣を掲げ、顧客と共に未来へつながる企業活動をサンドビック・コロマント・センターがサポートするとの方針を示した。
(1)広い視野を持つこと。
(2)革新的なテクノロジーの導入
(3)常に持続可能な道を選択して進む
(4)無駄の排除
(5)データからあらゆる可能性を引き出す
(6)パートナーからの強力な援助を受ける
(7)人材開発に徹する
(8)成功に向けた自動化
今回、名古屋に開所したコロマント・センターは、同等の施設が世界に15ヶ所ある。各センターでは基本的に同じような作り、コンセプトを基につくられており、対面、オンライン問わずにたくさんの人々が結びつくような重要な役割をそれぞれになっている。
現在世界中でコロマント・センターのリニューアルや新センターの開所が次々と行われており、今後も増加していく予定だ。
同センターの役割は、主に、①イベント、②トレーニング、③プロジェクトに注力しており、イベントでは、テーマに沿った各種イベントを実施する予定で、例えば最先端技術を実機で体験する、あるいは世界中のセンターと中継したオンライン型の実作イベント、または航空機やEV加工セミナーなどトレンドや産業に特化した特別イベントを行っていく。
トレーニングでは、同社の豊富な知識と経験に基づいた教材を使用したトレーニングを各種用意しており、オーダーメイド型の切削加工トレーニングや、eラーニングなど、デジタル教材を用いたトレーニングや体験型トレーニングもある。同社独自のデジタルツールの使い方を学ぶ、〝コロプラス・マスターコース〟の実施も現在行っている。ユーザーや販売店、代理店専用のトレーニングも用意している。
プロジェクトでは、顧客のニーズに沿ったカスマイズソリューションの提案の総称を指しており、最適な加工方法と工具の提案をするもので、一般的な切削加工やフライス加工に加えて5軸制御を必要とする複雑な加工にも対応している。また、遠方の顧客向けには、機内カメラを設置した中継システムを利用可能であり、オンラインで対応することが可能になる。
開所式では、実機による加工デモも行われ、場所をうつして懇親会が開かれた。