東京大学とシンコーホールディングスが社会連携講座「地下環境の持続可能な開発のための工学」を共同開設

 東京大学大学院工学系研究科(研究科長:加藤泰浩氏)とシンコーホールディングス(社長:吉田香太郎氏)は、このほど、社会連携講座「地下環境の持続可能な開発のための工学」を共同で開設したと発表した。この講座では、地下の環境汚染の除去、拡散防止、動態の理解、およびモニタリングについて、以下のようなバイオ・環境・土木などの分野融合的な工学研究を行っていく。

(1)地下環境の原位置除染技術の開発

 バイオ電気化学的システムなどを用いた難分解化合物の分解や金属イオンの低毒化・不働態化を原位置で促進する技術の開発を行う。

(2)地下環境の汚染拡散防止技術の開発

 バイオセメントを利用した土壌固化、汚染物質封入と拡散遮蔽技術、および高付加価値セメントの開発を行う。

(3)地下環境の汚染動態の理解

 ミクロ(汚染物質と微生物の反応、難分解化合物の代謝など)、メソ(汚染物質の流動挙動の解析)、マクロ(実環境のモニタリング、流動シミュレーションによる汚染物質の動態)の各スケールで地下環境の汚染物質の動態の理解に取り組む。

(4)地下環境の汚染検出技術の開発とDX化

 地下の環境汚染の高感度・簡便なモニタリング・検出技術、及び統計やAIを利用した評価手法の開発とDX化を行う。この講座の活動を通じて、地下の環境汚染の検知・理解・対策のための分野融合的な研究・技術開発を実施し、地下の環境問題対策の拠点創成に取り組み、さまざまな環境対応に関わる技術習得と教育の充実を通し、環境問題に対応できる専門人材の育成に努めるとしている。

 

〈社会連携講座の概要〉
講 座 名:地下環境の持続可能な開発のための工学
(Engineering for Sustainable Development of Subsurface Environments)

設置期間:2024年10月1日~2027年9月30日(3年)

代表教員:小林 肇 東京大学大学院工学系研究科附属エネルギー・資源フロンティアセンター 准教授

 

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