【工作機械編】「JIMTOF2024」注目各社の見どころはコレだ!
「JIMTOF2024」で出展される注目各社の最新工作機械を公開!
アマダグループ/岡本工作機械製作所/キタムラ機械/GROB Japan/黒田精工/芝浦機械/DMG森精機/ナガセインテグレックス/牧野フライス精機/牧野フライス製作所/三井精機工業/安田工業/ヤマザキマザック/碌々スマートテクノロジー(あいうえお順)
「FOR YOUR FUTURE ~未来を創る金属加工のトータルソリューション~」をテーマ
●アマダグループ
アマダグループは、板金、微細溶接、切削・研削盤、プレス自動化ソリューション・ばね成形機事業より、国内展示会初披露となる3機種を含む全10機種を出展。板金事業は、新開発の26kW高出力自社製ファイバーレーザ発振器を搭載したファイバーレーザマシンを国内初披露! 微細溶接事業では、レーザ溶接の良否判定や予防保全に最適なウエルドモニターと、剥離・マーキング等に対応するレーザ加工機を出展。切削・研削盤事業では、新技術の可変パルスカッティング機構を搭載し、切削抵抗を大幅に低減、高速安定切断を実現する、パルスカッティングバンドソーを国内展示会で初披露! さらに、デジタルプロジェクターを搭載し複雑な円筒研削製品の計測作業を容易化したデジタル2円筒プロファイル研削盤を世界初披露する。プレス自動化ソリューション・ばね成形機事業では、順送プレス加工自動化システムを出展する。
新機能に「遠隔監視システム」と「待機電力削減」
●岡本工作機械製作所
今回の目玉は、「PSG52SA1」は自動化と高い汎用性を兼ね備えた汎用平面研削盤だ。本機は機上計測ユニット「Quick Touch」をオプションにて実装している。これにより、手動操作でワークの厚み計測ができ、工程集約に大きく貢献。さらに、計測数値の算出により「といしの当て込みの自動化」が可能となった。また新機能として、別端末で加工状況の確認ができる「遠隔監視システム」と、待機電力を削減する「省エネモード」を今回のJIMTOFで初公開する。
「JIMTOF2024ではまだ製造現場ドットコムで紹介しきれていない製品が展示されているので、ぜひ皆様にブースまでご来場いただきたい!」とのことで期待が高まる。
失敗しない自動化システムを4機種出展!
●キタムラ機械
今回、同時5軸制御マシニングセンタをはじめ、失敗しない自動化システムを4機種出品する。キーワードは「ALL-In-One SMART FACTORY」。「Machining Challenges-Simplified」をスローガンに掲げ、2008年に開発した業界初、アイコン表示のスマートフォン感覚で簡単操作できる独自CNC装置「Arumatik-Mi」を搭載し、納入後でもいつでも常に最新機能にアップグレードできるうえ、機械も標準機を使い慣れたうえで、多数本工具交換装置(ATC)や多面自動パレット交換装置(APC)等の自動化システムへトランスフォームできる。リスクと負担の少ない自動化への移行が行える。
1台のマシンで様々な加工の要望を叶える!
●GROB Japan
注目したいのは、GROBのGシリーズ横型同時5軸マシニングセンタ。GROB独自の軸構成と主軸の「トンネルコンセプト」により、高い剛性を発揮し、工具交換時にワークエリアでの干渉を防ぐ。この特性により、自動車、金型、航空宇宙、医療技術など幅広い業界の加工ニーズに応える。また、GROB独自の軸構成により、高い剛性と切削性能を発揮し、テーブルを上下逆さまにしたオーバーヘッドマシニングにより切り屑をテーブルから自由落下で処理、加工エリアに完全に干渉しない位置での工具交換、短い工具と500mmを超えるロングツールの併用が可能で、1台のマシンで大容量切削、同時5軸加工、長穴加工と様々な加工の要望を叶えることができる頼もしいマシンだ!
「加工と計測のSmart化」を実現する製品を出展
●黒田精工
来年100周年を迎える黒田精工は「KURODA Smart machines, Smart Future (for 100 anniversary)」をテーマに「加工と計測のSmart化」を実現する製品を出展する。目玉は今年度発売を開始する新製品・精密ロータリー研削盤「GSR-600」だ。
最大の特徴は独自設計の油動圧軸受けと大径アンギュラベアリングを併用したロータリーテーブル。φ630のテーブルは上面の振れ精度、回転精度が高く、安定して高精度加工を行える。ワークの着脱や覗き込みが行いやすいハンドル・スイッチレイアウト、現場作業者目線の操作性など平面研削盤で培ってきたノウハウを生かした一台となっている。
「経験に裏打ちされた信頼と技術力で未来を形に」がテーマ
●芝浦機械
今回は、「経験に裏打ちされた信頼と技術力で未来を形に」をテーマとし、3台の機械を出展。①エネルギー業界をはじめ重厚長大ワークへ高効率加工を可能にした主軸径150㎜のロングノーズ主軸を搭載した横中ぐりフライス盤「BTH-150.R35」②2軸ロータリーテーブルと空気静圧HSK主軸で超硬直彫り5軸加工を可能とし撮像式工具形状測定器、工具経路ベクトル補正、撮像式ワーク測定システムなど多彩な自律支援機能で高精度加工を実現する超精密マシニングセンタ「UVM-450D(5AH)」③超精密非球面加工機のラインナップに油静圧案内モデル「ULG-100G(S)」を追加。非接触の案内による非常に滑らかな加工面を実現。定評あるV-V転がり案内と併せ、加工対象に応じた最適な案内面を提案する。
「DMG MORI MX(マシニング・トランスフォーメーション)」がテーマ
●DMG森精機
今回はなんと、東8ホールと南1ホールにて、5軸・複合加工機、アディティブマニュファクチャリング(金属積層造形)による 工程集約、生産性向上に貢献する自動化システム、地球環境の保護に貢献するグリーン・トランス フォーメーション(GX)の取り組み、および全体プロセスから生じる情報の収集・可視化・分析を行うデジタル ソリューションを紹介する。グループ会社を含む全ての出展機に、最新の操作盤「ERGOline X」を搭載するというから要チェックだ。「工程集約・自動化を通してGXを実現し、その一連の流れをDXで加速する工作機械を中心とした製造プロセスの変革をぜひ当社ブースにてご体感ください。」とのことで、当社の最新技術を結集し、次世代の製品・技術の方向性を一同に体感できる6日間となる。
新たなる「価値」と「市場」の創造 新規開発6機種を発表
●ナガセインテグレックス
「新たなる〝価値〟と〝市場〟の創造 -超越精密-」をテーマにした同社。今回は「超越精密」という新たな概念により、今まで達成できなかった「価値」と「市場」の創造を提案するとともに、異次元のマシンや加工システムの数々を一挙展示。新規開発マシン6機種を発表する。独自のマシン開発手法である「IGTARP DESIGNⓇ」(イグタープデザイン)を6機種中5機種に採用。新世代のミドルレンジ超精密/高精度門型平面研削盤「SGX-126」「SGX-168」、大型金型および部品の加工時間を大幅短縮する超精密門型成形平面研削盤「SGD-3012」、他にはない超精密・超能率ロータリー研削盤「RG-700」、刃物を選ばない超精密ナノマシン「N2C-520」、次世代型サブナノマシン「NSL-280」、さらに業界初のAI砥面観察システム「GRIDE EYEⓇ」、AIを搭載した次世代型研削盤など新規開発機及び多彩な周辺機器を初披露する。
monocam2による自動化提案と第三世代ソフトウェアTool Creator®に注目!
●牧野フライス精機
今回出展するのは、①自動ワーク交換装置と砥石・研削液ノズル交換装置を標準搭載した全自動機の高精密CNC工具研削盤「AGE30FX」、②小径から中径工具を高精度に生産可能なコンパクト全自動機の高精密CNC工具研削盤「SG10」、③極小径工具の製造に特化した高精密CNC極小径工具研削盤「DB1」、④標準工具から特殊工具まで対応する同社の第三世代ソフトウェア「Tool Creator ®」だ。なかでも特に注目したいのは、「Tool Creator ®」で、自動化などを想定し、様々な外部機器との連携やデータ読み込みなど、高度な拡張性を備えている。本ソフトウェアは展示機全てに搭載され、かつ専用の展示スペースでは来場者に「Tool Creator®」を実際に操作できるとのこと。
youtubeでも見どころを配信している。https://youtu.be/7cX4NGt_rCc
初公開! Vシリーズがさらに進化した!
●牧野フライス製作所
今回、初公開される新しいVシリーズの一つ、立形マシニングセンタ「V300」。この機種は、6000台以上の販売実績を誇り、市場で高い評価を博している「V33i」の安定した加工精度を、「いつでも だれでも どこでも」再現できるように進化させた後継機として発表! 従来の「V33」、「V33i」で高い評価を博している加工精度、加工面品位はもちろんのこと、切りくず処理に関しては、加工室内の切りくず排出口を拡大し、Y軸カバーに一枚カバーを採用することで信頼性をさらに高めている。また、長時間運転による自己発熱への改善を施し、設置環境の温度変化による機械全体の姿勢変形抑制にはeSTABILIZER(標準) を採用した。これにより、温度環境に影響されない長時間運転での安定した加工精度と経済性を考慮した省エネルギーを実現する。「お客様の課題を共に解決するために、進化を遂げた新製品を含む豊富な製品ラインナップをご用意しております。」とのことで、要チェックだ!
「人」と「技術」を未来へ
●三井精機工業
今回は新機種2台の他に工作機械とコンプレッサが融合したカーボンニュートラルの事例を紹介する。
注目したいのは、大型高精度横形マシニングセンタ「HPX150」。このマシンは横形マシニングセンタの中でも最大クラスのストロークとワーク積載質量を兼ね備え、クイル主軸を搭載した大型マシン。航空機、建機、半導体製造装置、発電、産業機械、工作機械などの大型部品を高精度に加工ができる。JIMTOFには全体カバー無しで、大径φ130mm, W軸ストローク500mmのクイル(オプション)を装備している。大型ワークへの接近性が向上、直線軸の早送り速度はクラス最速の15m/min、最大ワークサイズは直径φ2800mm高さ2000mm(オプション)、最大積載質量15t(オプション)。ユーザーのニーズに応じてカスタマイズが可能。もうひとつの新製品は、高精度ジグ研削盤「J350G Ⅱ」。ジグ研削盤は高精度金型や光学関連や測定関連の部品加工などに使われる最終仕上げを目的とした機械だが、今回、J350Gの特徴に加え、J350GⅡでさらに精度に磨きをかけて丸穴加工の真円度・円筒度を飛躍的に向上させている。
スローガンは「Beyond the Future with YASDA : YASDAで未来を超える」
●安田工業
今回のJIMTOF2024では、「Beyond the Future with YASDA : YASDAで未来を超える」をスローガンに掲げ、誰でも簡単に高精度加工を再現できる自動化展示を中心に、「精度や品質を重視しつつ、デジタル技術を活用したものづくりで、お客様に“真の価値”を提供できる製品とソリューションをご提案させていただきます。」と自信を見せる同社。特に注目したいのは「YBM Vi50」で、このマシンは、トレンドとなっている冷間鍛造金型やダイキャスト金型、航空機部品、半導体製造装置といった大型ワークの高精度加工に対応するハイエンド5軸マシニングセンタだ。搭載ワークの最大径はφ650mm、最大重量500kgまで対応可能で、会期中はEROWA社製AWCとの連携による高精度5軸部品加工の自動化を提案してくれる。
自動車産業のトレンドを押さえたマシンが登場!
●ヤマザキマザック
目玉となるのは、ホカホカの新製品、一体成型されたアルミダイカスト部品の加工に最適な横形マシニングセンタ「FF-1250H」だ。自動車産業では部品点数の削減や車体の剛性を高めるため、サブフレームなどの構造部品を鋳造で一体成型する「ギガキャスト」と呼ばれる生産技術の導入が始まっている。これにより、大型のアルミダイカスト部品の加工に対応した高い生産性を持つ工作機械のニーズが高まりを受けた同社。今回開発したFF-1250Hは、今後増加が見込まれる自動車のサブフレームなどの大型で形状が複雑なアルミダイカスト部品の量産加工に特化した機械なのだ。最大で直径1600mm、高さ1100mm の大型ワークを積載可能なチルト・ロータリーテーブルを搭載し、形状が複雑なワークでもワンチャッキングでの多面加工で工程集約を実現。#50クラスの主軸を採用しており、大径・重量工具や特殊形状工具での効率的な加工が可能。切粉の排出性を高めた加工エリアの構造により、長時間無人運転を行う量産ラインにも対応する。
技術革新を象徴する「AndroidⅢ-MT」の複合微細加工機コンセプトモデルが登場!
●碌々スマートテクノロジー
あのAndroidがさらに進化し、Ⅲにバージョンアップ! 「Android Ⅲ」の進化した点は、加工面品位の向上をさらに目指して案内機構を改良。これにより従来機と比べてウェービング量を約50%に押さえることに成功。また、主軸内部構造を見直し、最大13%の剛性アップ(OP)を実現。さらに、気化熱対策(OP)として鋳物に直接切削材がかからないようにすることで、この姿勢変形を押さえて高い精度を維持する。注目したいのは、同社独自のオペレーターインターフェースだ。「MA-OS2」とさらに進化を遂げた。同社では、「微細加工の精度向上は、単に加工機の性能を進化させるだけでは達成が難しい段階に入っている。これからの精度向上における重要なキーワードは〝工程集約〟。今回のターゲットは〝研削加工〟。」としている。漆黒のマシンに要注目だ!