令和6年度「卓越した技能者(現代の名工)」にヤマザキマザック社員1名が選出
ヤマザキマザックグループのヤマザキマザックマニュファクチャリング所属である栗田浩之氏が、令和6年度の「卓越した技能者(現代の名工)」に選出された。「現代の名工」は、きわめてすぐれた技能を有し産業の発展に寄与した者を、厚生労働大臣が表彰する制度である。
栗田氏は入社以来、主に工作機械の製造業務に携わり、機械加工・機械組立・保守管理に従事してきた。その間に培ってきた技能と知識により、生産ラインの自動化や組立工程の見直し、後進への育成に力を発揮し、同社の生産効率の向上及び技能伝承に努めてきたことなどが評価され、今回の選出となった。
ヤマザキマザックグループで「現代の名工」に過去選出された社員は、今回で累計15名となった。
今後も同社では、高度な技能を有する人材の育成に努め、高性能な工作機械の提供を通して世界のものづくりの発展に貢献していく方針。
■栗田浩之氏
入 社 日 :1980年3月10日
職 歴 :1980年~1985年 大口製作所 精密部品課
1985年~1993年 サービス統括部 東京営業所サービス
1993年~2003年 美濃加茂製作所 組立課
2003年~2020年 美濃加茂製作所 品質管理課評価チーム
2020年~2024年 美濃加茂製作所 カスタマーサティスファクション(CS)課
〈功績・貢献の概要〉
【機械加工】
ボールねじは刃物台やテーブル部を案内する部品として、工作機械の性能を左右する重要な機械要素の一つ。高精度な加工を実現するためには、位置決め精度が求められる。ボールねじは、この要求を満たすため、高い精度と滑らかな動作を実現し、加工面の高品位化に貢献する。栗田氏は、ボールネジの仕上げ工程における精密研削加工において、円筒研削盤の自動加工化に取り組み、一人で複数台持ちを可能とする作業工程に見直し、生産性を20%向上させた。
【保守管理】
栗田氏が、東京営業所サービスに異動になった1980年頃は、NC旋盤刃物台心出し方法は、各サービスエンジニアの経験値に任されていた。そこで栗田氏は、刃物台の中心を測定する治具を製作し、測定値の正確性と安定性を向上させることに成功した。以降、各営業所に治具を配付し、同社の製品品質向上に寄与し、顧客満足度も向上させた。
【機械組立作業】
従来、工作機械の組立工程においては、各部品が倉庫から出庫される順に組立を行っていた。栗田氏は、QC活動の手法を用いて、主要部品である主軸・刃物台・外装・電装品の各ユニットを別々の工場で完成させて、一つの工場で総組立を行う、モジュールシステムと呼ばれる工法に見直し、機械の組立時間を大幅に短縮させた。
【後進指導育成】
技能検定において技能検定委員や補佐員として試験運営に携わり、美濃加茂製作所及びサービスエンジニアも含めて機械保全技能士1級約80名、特級も約10名を誕生させ、技能伝承に尽力してきた。また、長年培ってきたサービスエンジニアとして機械の保守知識についてサービスガイドに手順書としてまとめあげるなど、サービスエンジニアへの技能教育にも力を発揮してきた。