DMG森精機 省スペースかつ最大加工長さ約3,000mm 「LASERTEC 3000 | 3000 DED hybrid 2nd Generation」がラインアップに追加

DMG森精機は、複合加工機にレーザ金属積層造形技術であるアディティブマニュファクチャリング(Additive Manufacturing 以下、AM)を融合し、ワンチャッキングで切削加工とAMを実現するレーザ金属積層造形機「LASERTEC DED hybrid」シリーズに、新しく最大加工長さが3,018 mmの「LASERTEC 3000 | 3000 DED hybrid 2nd Generation」をラインアップに加えた。産業機械、オイル・ガス、航空、宇宙、金型、エネルギーなどの市場を見込んでいる。
同社によると、「積層造形の市場は、従来の切削加工では困難な複雑形状を造形できるため、近年飛躍的に成長しており、産業機械、オイル・ガス、航空、宇宙、金型、エネルギーなど、さまざまな分野の製造現場で導入が進んでいる。また、生産形態の多様化に伴い、多品種少量生産の必要性が増加していることから、金属積層造形、コーティング、欠損箇所の補修などの付加加工と切削除去加工の工程集約の需要も高まっている。」としており、このような需要の高まりを受け、同社は2021年9月に最大加工長さ1,519.3 mmのDED方式のレーザ金属積層造形機「LASERTEC 3000 | 1500 DED hybrid」を販売したが、今回発売した「LASERTEC 3000 | 3000 DED hybrid 2nd Generation」は、さらなる長尺ワークの加工に対応可能にしている。


同製品は幅9,642 mm×奥行き5,081mmの省スペースな機械据付面積で、φ400 mm×2,821 mmまでの積層に対応。切削加工時にはAMヘッドをAMヘッドストッカに収納できるため、積層造形後の切削加工も段取り替え無しのワンチャッキングで可能である。
また、積層状態をモニタリングしレーザ出力を調整するメルトプールモニタリングや、パウダーノズルと溶融点までの距離を監視するワーキングディスタンスモニタリングなどを搭載したAM Assistantにより、ワークの不良を未然に防ぎ、高品質な積層造形を安定して生産できる。
さらに、レーザ安全窓やレーザ光検知センサによるレーザ光の漏れ検知、ヒュームコレクタによる金属ヒュームの集塵により、オペレーターの安全性も確保する。
同社では、「LASERTEC 3000 | 3000 DED hybrid 2nd Generationを活用いただくことで、切削加工とAMの工程集約だけではなく、必要な箇所のみ積層するAMの特性を活かした加工工程により資源の有効活用が可能となり、GX(グリーン・トランスフォーメーション)の実現にも貢献します。当社におけるGXの取り組みの一つとして、LASERTEC DED hybridシリーズを用いて、当社の工作機械の部品を内製しており、今後さらに適用事例を拡大していきます。」としている。
なお、このハイブリッド金属積層造形機による工程集約と省エネに貢献する技術開発が評価され、一般社団法人日本機械学会の「2023年度日本機械学会賞(技術)」を受賞している。