「明るく信頼し合うマネジメントに移行」東京都機械工具商業協同組合が新年賀詞交歓会を開く

東京都機械工具商業協同組合 山田理事長

 東京都機械工具商業協同組合(理事長=山田雅英 山田マシンツール社長)が1月9日、日本橋三井ホール(東京都中央区日本橋室町)で新年賀詞交歓会を開いた。

 あいさつに立った山田理事長は、「先を見通すことは難しい状況に置かれている。日本においては自公連立政権が昨年10月の衆議院選挙により少数与党になった。米国においては大統領選でトランプ元大統領が再就任することになった。これらによって国内外の政治経済の情勢が大きく変化することが予想される。まずは昨年の元旦のような自然災害に見舞われないこと、地政学的に発生し長期化している複数の国際紛争が終焉すること、政治が安定すること、物価高が収まること、人手不足が緩和されることなどが実現し、今年が良い年になることを祈念する。」と期待を込めたあと、昨年11月に東京ビッグサイトで開催されたJIMTOF2024に触れ、「JIMTOFでは人手不足に対応するための自動化提案の展示が随所に見られ、製造業に対して生産財を扱うわれわれの仕事における社会的役割の大きさを改めて認識する機会があった。考え方を変えれば先の見えない時代だからこそ私たちは強みが発揮できるということも言えるのではないか。欧米や中国の企業風土はトップダウンが特徴で、21世紀に入り技術革新がどのように世界を変えていくかに関し、自らの先見性を信じて冒険的な投資をする勇気があり、スピード感を持って人々を引っ張る統率力のある人たちが世界的な大成功を収めてきたと言えるのではないか。しかし、今のような先の見えない時代の冒険は、前に崖が待ち受けているかもしれない。日本の企業風土は合意形成を大切にするので変化には柔軟に対応できる素地があると考える。トップダウンの号令で動く組織は止まることができず崖に落ちてしまうこともあるかもしれないが、現場のコンセンサスを大切にする組織では崖の前では自然に足が止まり、変化に柔軟に対応できる。しかし、この強みを発揮するためには、私たちは一つ乗り越えなければならないハードルがあると自覚すべきだろう。それは昨今、製造業の不祥事の多発を見ても明らかで、職場の心理的安全性を確保する、すなわち物が言いやすい企業風土を醸成することである。言い換えれば息苦しい不信のマネジメントから、明るく信頼し合うマネジメントに移行させることだ。これが成れば日本は本来の強さを取り戻せると思う。」と力強さを示した。

全日本機械工具商連合会 坂井会長

 来賓を代表して全日本機械工具商連合会の坂井俊司 会長(NaITO社長)が、あいさつをした。この中で坂井会長は、「昨年は、不透明、不確実、不安定な1年だったと仰る方が多かった1年だったが、様々なことが少しずつ動いてきていると感じている。自動車の認証問題で昨年は大変大変だったが今年はそれもクリアされて少しは良くなってくるという話も聞いている。半導体についても今のところはAIのデータセンター向けの設備・投資が盛んだが、もうそろそろ民生用の半導体のほうにも期待したい。」と述べたあと、「ここで問題になってくるのは、業界の人手不足である。従来のモノを右から左に流すだけではなく、付加価値を付けることがお客様からも求められている。中でも自動化、省人化などには対応していかなければならないと感じている。全機工連もそういった商材に対してご提案できるように、皆様に情報提供の場を設けていきたい。また、お客様に売るものだけではなく、皆様の会社におけるDX化、IT化については、人手不足もあるうえ、法整備に対して難しい点もあるとは思うが全機工連としてはDXに関しての教育等に対して力を入れて皆様と一緒に実行していきたい。」と意気込みを示した。

 続いて、本年11月4日に東京国際フォーラムで開催される「第45回全国大会 東京大会」について大会実行委員長の新海哲也 三新社長が、「内容としては、式典のあと講演会を行う。また機械工具商で使える最新ガジェットを皆様に紹介できればと考えている。懇親会では余興を考えているのでお楽しみ頂ければと思っている。」大会の概要を説明した。

 乾杯の発声をスイデン 川合雄治社長が行い、宴もたけなわのころ散会した。

 

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