「生産額5,000億円が目標」日本機械工具工業会 新年賀詞交歓会を開く

日本機械工具工業会(会長=松本克洋 不二越 工具事業部長)が、1月14日、丸の内東京會舘(東京都千代田区丸の内)で新年賀詞交歓会を開いた。
この日は所用により松本会長が欠席し、佐橋稔之副会長(住友電気工業常務)があいさつした。この中で佐橋副会長は、昨年を振り返り、「国内全体としてはまだまだ厳しいというのが実感ではないか。一方海外において中国は個人消費も低調のままで自動車関連でもEVのあおりを受け、かなり苦戦を強いられたようでわれわれにも影響がでてきたかと考えている。米州は比較的堅調に頑張った感はあるが欧州は自動車販売が不振になり、ロシア・ウクライナ問題も長期化し、特に昨年後半は非常に厳しい減速感があった。唯一好調と言えるのが、インドだったのではないか。」との認識を示した。
本年の見通しについても触れ、「松本会長から2018年度以来の生産額5,000億円を目標にしたいとコメントがあった。日本工作機械工業会では25年の見通しとして1兆6,000億円を公表し、力強い見通しを出されている。先延ばしになっている設備投資等が後半には動き出す予想をされているので、われわれもこの動きに沿ってくれれば良いという期待を持ちながら少しチャレンジングな数字でこの春に公表していくことを考えている。」と述べ、「本年はJTA(日本機械工具工業会の略称)10周年を迎える。非常に意味のある工業会に今年もしっかり育てていきたい。」と意気込みを示した。

来賓を代表して経済産業省製造産業局 須賀千鶴 産業機械課長が、「世界に目を向けると、今年はアメリカで新政権が誕生する。強固な2国間関係のベースには経済関係があるので、特に投資については安心して日本企業が判断出来る環境を整えることが政府のミッションであると考えている。アメリカの新政権には日本の国益に資する形で日米の経済関係を一層発展させたい。また去年は、GXとかDXの進展に対応した新しい政策展開も打ち出せた1年だった。半導体については、2030年までに10兆円以上の公的支援を行う新しい枠組みを策定し、昨年末には、第7次エネルギー基本計画とGX2040ビジョン案というものも取りまとめている。JIMTOF2024では、多くの会員企業が出展され、加工物の材質に合わせた新製品、特殊加工用の工具、加工ソリューションのご提案などを通じて、工具業界のさらなる高度化の方向性、お示ししていただいた。経済産業省としても、各種の支援策を総動員し、わが国の競争力の強化に直結する民間投資を後押して皆さまのお力になれればと考えている。」と声援を送った。
乾杯の発声は森 誠副会長(富士精工 会長兼社長)が行った。宴もたけなわの頃、散会した。