DMG森精機 2030年目標 オーガニック成長で売上収益8,000億円目指す

 DMG森精機(社長:森 雅彦氏)は、2024年12月期 (1~12月)の連結決算を発表した。

 当期における連結業績は、売上収益5,409億円(前年度比0.3%増)、営業利益437億円(前年度比21.0%減)、税引前当期利益371億円(前年度比24.4%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益77億円(前年度比77.3%減)となった。

 当期の連結受注額は4,960億円で、前年度比4.6%減となった。工程集約機、自動化をはじめとする顧客への価値提案力が向上し、機械1台当たりの受注単価が、2023年度平均の61.9百万円から71.0百万円へと伸長した。また、連結受注の25%(前年度22%)を占めるスペアパーツ、メンテナンス・リペアの受注額が前年度比7.4%増と、受注の安定に寄与した。

 地域別受注額は、前年度比、中国を除くアジア(構成比:6%)が8%増、米州(同:22%)は同水準となった。欧州(同:55%)が4%減、日本(同:11%)は8%減とやや弱含みである。中国(同:6%)は前年度から輸出管理をより強化した影響もあり、24%減となった。産業別の需要は、民間航空機、宇宙、メディカル、金型、発電関連向け受注は堅調に推移している。

 機械本体の受注残高は、2024年12月末時点での2,180億円と、2023年12月末の2,470億円から約300億円減少した。2025年度(1-12月)の売上収益計画を5,100億円達成のため、この受注残を確実に売上収益の計上につなげることに加え、期中受注・期中売上を積み増していく。

 同社は、「中期経営計画2025」(2023~2025年)に掲げているとおり、工程集約・自動化・DX(デジタル・トランスフォーメーション)・GX(グリーン・トランスフォーメーション)により、顧客へより付加価値の高い製品、システム、サービスを提供すること、これにより環境負荷を低減させ循環型社会にも貢献するといった、MX(マシニング・トランスフォーメーション)戦略による持続的な成長をめざす。MX推進による顧客の生産性向上とサステナブルな社会の実現に邁進する。

 2025年度(1-12月)の通期業績(連結)見通しについては、開発・製造・販売・修理復旧の各分野での活動を通じ、さらなる企業価値の向上に努め、売上収益5,100億円、営業利益380億円、親会社の所有者に帰属する当期利益200億円、基本的1株当たり当期利益129円40銭を見込んでいる。なお、米ドルレートは150.0円、ユーロレートは160.0円を想定。

 「中期経営計画2025」(2023-2025年)は本年が最終年度になるが当初の数値目標に届かない見通しから、ただちにこれを見直し、「2030年目標」(2026-2030年)の骨子を策定し、本年からこれを意識して活動するようだ。「2030年目標」は、これまでのMXの市場への導入期からMXの発展期・収益回収期と位置づけ、最適なマシニングプロセスの提供および迅速なメンテナンス・リペアの提供で、顧客からの信頼度Global Oneをめざすという。「2030年目標」における数値目標の概要は、オーガニック成長で売上収益8,000億円、営業利益率15%、当期利益率10%、1株当たり配当金200円(配当性向30~40%)などであるが、本年末までに「中期経営計画2025」の総括も含め、詳細を公表するとしている。
 

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