「支払い条件の変革を推進」日本精密機械工業会が賀詞交歓会を開く

あいさつをする北井会長

 日本精密機械工業会(会長=北井正之 北井産業社長)が、去る1月15日、第一ホテル東京(東京都港区新橋)で賀詞交歓会を開いた。

 挨拶に立った北井会長は、「昨年の工作機械受注総額は1兆4,700億円、前年比1.1%減の結果だったが、JIMTOFで多少盛り上がったものの良くない状況だったというのが実感だ。今年の予想は昨年から10~15%増としているので、市場の回復を祈るばかりだ。」と話したあと、「従来の工作機械販売の商習慣である支払い条件の変革を推進したいと考えている。当工業会の会員企業の多くは中小企業であり、中小企業の工作機械メーカーでもしっかりと成り立っている要因としては個社が独自の得意技術を持っており、その技術を駆使して顧客の要求に対し、満足する機械を一品一葉で製造販売している。そのため顧客ごと、受注時期ごとに異なる仕様の要求となるので受注金額のかなりの比率は新設計からの機械がほとんどある。このような状況の中で機械への支払い条件は機械引き渡し後、翌月末以降が一般的であり、顧客の要求する機械を製造するための材料費、外注費、購入部品費は全て支払日まで機械メーカーの立て替えとなっている。通常個人で購入する注文住宅でも、購入者はまず30%の着工金を支払い、その後建築を始めるのが一般的である。工作機械への支払いも、受注時に契約金として30%を頂く。それを当たり前とすることにより、かなりの工作機械メーカーの資金繰りが円滑になると思われる。海外案件の場合は保証金として30%を先に頂いてから製作にかかる会社がほとんどだと思うが、国内販売では契約金として30%を要求した場合、この会社大丈夫なのかと心配されてしまうのが現状だ。高度成長期のように標準機を作れば売れる時代ではなく、同機種でも一台一台のカスタマイズし、一台として同じ機械でない状態で売らなければならない現在、今までの古い商習慣では経営を圧迫し、工作機械の進歩を妨げてしまう可能性がある。受注時に契約金を頂くことが当たり前の商習慣に変えていくことを推進、発信していきたい。」と意気込みを示した。
 

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