世界を代表する工作機械国際展示会の魅力を発信! 「EMO ハノーバー2025World Tour」を世界約30カ国で開く ~日本は東京で開催~

 

 ドイツ工作機械工業会とドイツメッセは欧州を代表する生産技術、工作機械、金属加工機械の見本市である「EMO Hannover2025」(会期=2025年9月22日~26日、主催:ドイツ工作機械工業会/ドイツメッセ)の魅力を伝える「EMO Hannover World Tour」を世界で開催し、日本は2月19日、都内のステーションコンファレンス東京(東京都千代田区丸の内)で開催した。

 「EMO Hannover2025」は、「innovate Manufacturing(イノベート・マニュファクチャリング)」をテーマに、革新性、国際性、インスピレーション、金属加工の未来を見せてくれるもので、工作機械、生産システム、アディティブ・プロセスから精密工具、オートメーション、測定技術やソフトウェアなど、金属加工のバリューチェーン全体を紹介する世界でも優秀の生産技術の展示会だ。2023年のEMOには45カ国から1,800以上の出展社が集まり、約140カ国から約92,000人の業界関係者が来場した。日本からは1,600人が来場している。

 今回のEMO2025では現在(取材日2025年2月19日)、35カ国から約1,300の出展者が課題解決のためのソリューションを提示し、各分野の専門家が自動化、AIを含むデジタル化、サステイナビリティといったメガトレンドについて議論し、金属加工におけるさらなる発展を目指す。

 当日は、ドイツ工作機械工業会 エグゼクティブデイレクター Dr.マルクス・ヘーリング氏およびドイツメッセ ヘッドオブニュービジネス ハートヴィヒ・フォン・ザース氏がドイツにおける工作機械や製造プロセスのトレンドや「EMO ハノーバー2025」の魅力を紹介。さらにEMOの魅力についてパネルディスカッションも開催され、日本からは同展示会に長年出展しているオークマ 常務 山本武司氏とヤマザキマザック 欧州副総支配人 山崎 拓氏がパネルディスカッションに参加した。

EMOハノーバーの魅力

司会進行の日本工業大学工業技術博物館 清水館長

 「EMO Hannover World Tour」は工作機械業界の第一人者である日本工業大学工業技術博物館館長の清水伸二氏の司会進行でスタートした。清水氏はEMOの魅力について、「大変魅力的で独創的な技術が展示され、わたしの研究活動の中でも大変勉強になった。」と感想を述べ、「今年はEMO50周年の記念すべき年。このような年に本誌会を務めさせていただくことを大変嬉しく、光栄に思っている。」と述べた。

ドイツ工作機械工業会のエグゼクティブデイレクターのDr.マルクス・ヘーリング氏

 ヘーリング氏が「ものづくり業界のために開催される生産技術の国際展示会」をテーマに講演をした。この中でヘーリング氏は、「EMOはエボリューション、インスピレーション、国際性を代表している。世界中のビジネスの人々が機械工学業界にいる様々な人に会うことができることが大きな価値のひとつ。まが、現在の経済、景気動向を示すトレンドセッターでもある。今年はEMO50周年記念にあたる。50年前は携帯電話がなかった。モバイルデバイスもインターネットもありません。今は最新のニュース等携帯でも受け取ることができるうえ、バーチャルショールームもある。」と話した。

ドイツメッセ ヘッドオブニュービジネスのハートヴィヒ・フォン・ザース氏

 続いてフォン・ザース氏が「EMOへ訪問すべき理由」について講演をした。フォン・ザース氏は、「私たちはコミュニケーションの大変がオンラインで起きているような世界に住んでいるなかで、見本市は私たちがクライアント、カスタマーとビジネスパートナーとつながるうえで非常に重要な場となっている。要するに電子メールやビデオ会議では置き換わることのできないような場を見本市は提供できるのではないかと思っている。来場者はブランドの下にあるプロダクトを間近で見ることができるので、その中で出展者は自分たちが何をするのか、また、ポテンシャルカスタマーを見つけるような場として活用することができ、しっかりとエモーショナルな大変強い形でブランドを見せることができることになるでしょう。」と魅力を述べた。

 パネルディスカッションでは、出展歴の長いオークマの山本氏とヤマザキマザックの山崎氏がEMOでの〝戦略的な価値〟について次のように話した。

パネルディスカッションの様子

 

オークマ  山本常務

 山本氏:社史で調べたところ、1970年にハノーバーショーがあり、それが欧州展示会に出展する最初だったようだ。やはり欧州は工作機械のメッカと考えている。お客様との接点を築いて行けるという点で、世界でも最も重要な展示会のひとつと認識している。展示会の良さはリアル感覚で、人と人との実際のコミュニケーションにある。メーカーである私どもとしてはお客様のその先のお客様といったニーズを知ることにより、理解することができる。お客様の知恵、悩み、チャレンジ、これを共有化して具現化していくという非常に貴重な機会である。

ヤマザキマザック 山崎 欧州副総支配人

 山崎氏:EMOではわれわれ欧州中のスタッフが一堂に介して皆で結束して式を高めることができる貴重なイベントになる。われわれとしてはこのイベントを通して社内の結束力を高めることもひとつの魅力であると考えている。また、EMOのような国際展示会というのは、世界中に数多く存在しているが、その中でEMOほどフェアな競争が出来ている展示会というのはないのではないかと思っている。EMOは世界中のメーカーが一堂に分け隔て無く展示している展示会になるので、出展者にとっても来場する皆様にとっても世界中のトレンドを計り知ることができるので今後の戦略を立てていくうえでも大変重要な展示会だと感じている。

EMOのココに注目!

〈金属加工 効率化のための自動化〉
 今回の「EMO2025」では、多くの出展者が幅広い自動化ソリューションが出展される予定。コボットの特別展示エリアは特に注目で、多くの自動化ソリューションが集中的に展示される。具体的には共同作業ロボットの可能な用途と使用例などが実現され、これにはグリッパー、画像処理、測定システム、ソフトウェア、産業用電子機器、フィードシステム、その他多くのものが含まれる。

〈持続可能な気候保護〉
 サステイナビリティ特別展示エリアでは、明日の持続可能な生産のための最先端ソリューションを体験できる。エネルギー効率、再生エネルギーの統合、リサイクル経済、ライフサイクルコンセプトなどのトレンドについて出展者と来場者が情報を共有できる。

〈デジタル化とAIの組み合わせによる生産性向上〉
 AI+デジタライゼーション特別展示エリアは、産業界の投資家や行政に対し、近郊知能と結合したネットワーキングの最新可能性を示してくれる。また、日本メーカーはこの分野における主導的な役割を果たすチャンス。

〈金属加工の未来〉
 3つの分野(子ボット、サステイナビリティおよびAI+デジタライゼーション)の進歩が投資を刺激し、生産技術に対する需要を押し上げると推測。加えてドイツ工作機械工業会は、金属加工に関する重要なトピックである、アディティブ・マニュファクチャリング分野の最新アプリケーションにも焦点を当てている。将来と若い才能にも目を向け、機械工学のトレーニングと開発財団(Nachwuchsstiftung Maschinenbau 英訳:Training and Development Foundation for Mechanical Engineering)は、革新的競争力を維持できるように尽力しているが、今回、Special Youth(スペシャルユース)特別ブースでは、社内における技術の普及やデジタル化の要求に対して、トレーニングの最適手法を示す。また、スタートアップ・エリアでは、若いスタートアップ企業が斬新で先駆的なソリューションを紹介する。

 

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