岡本工作機械製作所 代理店を対象に「2024年度PSG会 支部連絡会」を大阪・名古屋・東京で開く

岡本工作機械製作所(社長=石井常路氏、本社:群馬県安中市)は、去る2月18日に新大阪江坂東急REIホテル(西部支部)、同19日にメルパルク名古屋(中部支部)、同20日にベイサイドホテルアジュール竹芝(東部支部)で「PSG会 支部連絡会」を開いた。
(取材は東部支部)
アフターサービスの強化に注力
江連 営業本部東日本統括部長が日頃の感謝の意を表したあと、同社の概要について説明をした。それによると、同社の機械が納入している業種について、「一番多いのは産業機械装置向け、続いて自動車関連(EV)、半導体関連の順になっている。」と説明したあと、複合研削盤の伸び率が大きくなっている。脆性材向けの複合研削盤の受注がある。脆性材はガラス、セラミックス等の関係で伸びている。」と話した。
また、汎用の平面研削盤のシェアをさらに伸ばしていくとしたうえで、「重要なことは、アフターサービスの対応である。まず、サービス員の増員を図るため施策を始めている。現状は10拠点でサービス員を45名体制まで持っていくことができた。また、サービス員のスキルや様々な経験が重要になってくる。また、サービスパーツの即納率を上げるため、現在安中工場の中に自動走行システムを建設中である。これまで以上にアフターサービスに注力していく方針だ。」と力を込めた。
次に2025年度の受注予想について、「春以降にはV字回復をするということを想定して種まきを現在行っている。好調業種である半導体、EV関連、脆性材加工向けのユーザーへアプローチをする。また、SDGsを見据えた環境対応、自動化、省人化等、付加価値のある製品の提案をしていきたい。主力製品である平面研削盤のシェアアップ、また新型機種を導入することによって新たな市場を開拓しようと考えている。アフターサービス強化に注力をして、部品即納率のアップ、ダウンタイムを減らすことを考えながら行動をしていく。弊社は2015年より研削革命を目標にさまざまな提案を行ってきた。高効率研削、機上計測、自動化、複合化、周辺機器メーカーとのタイアップ、これも含めて今後も引き続き研削革命を行っていきたいと考えている。」と意気込みを示したあと、協力を要請した。
加工のトレンドを押さえた「省エネ」「自動化」「超精密」の3つの柱

今回のPSG会では、「省エネ」「自動化」「超精密」の3つのトピックスを柱に好調業種に向け、どのような機械を提案し、どのような機能を盛り込むかを含めた説明がされた。
「省エネ」では、同社の省エネ研削盤シリーズが紹介された。省エネ補助金(一定の省エネルギー効果がある取り組みに要する経費を補助することで各分野の省エネルギー化を推進し、内外の経済的社会環境に応じた安定的かつ適切なエネルギー需要構造の構築を図ることを目的とした補助金)についても触れ、予算が2,000億円から7,000億円へ増額が予定されることを受け、設備更新をする際に省エネが重要になることから、今回は同社の補助金対象モデルの油圧レス、省エネ研削盤、CNC成形研削盤「HPG500」シリーズが紹介された。
この機種は①汎用モデル、②CNCモデル、③高速反転モデルとユーザーニーズに応じて機種が選択可能。注目する点は、作動油削減でメンテナンス性を向上したこと。消費電力を50%以上のコストカットに成功している。また、廃油を無くして、CO2排出を年199.2kgも削減。しかも、研削加工の大敵である発熱抑制で高精度研削を可能にしている。
また、同社のベストセラー機「PSG-SA1」シリーズでは、省エネ用のオプションを実装。機上計測ユニットの「Quick Touch」で工程集約を実現した。また、余分な電力をOFFする〝省エネモード〟を新オプションとして実装を開始したことで、油圧モーターがテーブル駆動時以外オフすることで、電気代などのランニングコストを削減、省エネ補助金対策にも有用であることを説明した。
次に「自動化ソリューション」について説明をした。同社では「研削盤の自動化を行う場合、どの工程を希望するか」のユーザーアンケートを実施しており、それによると、3大希望は、ワーク脱着を含む自動化が29%、ドレス作業22%、加工開始点20%だったことから、動画で「UPZ-Li」シリーズでは協働ロボットによる砥石交換や、複雑形状のワークを自動で超精密仕上げをする様子、また、ロータリー平面研削盤のロボット仕様「PRG-iQ」では需要が増えつつあるプレート加工も自動化する様子などが動画により説明された。同社では、ロボットを用いた自動化ライン構築も提案可能だ。
続いて「超精密加工ソリューション」では、高精度加工が必要なEV関係製品を例にとり、同社の超精密研削盤ラインナップが紹介された。それによると、①大型ワークを対象とした「UPG-CHLi」シリーズの加工例としてモーターコア順送金型やスロットダイの研削加工、工作機械部品加工の様子、②中型加工ワークを対象にした「UPG-CA-iQ(Li)シリーズではレンズ金型が、③小型ワークを対象にした「UPZ210Li」シリーズでは電子部品のコネクタ金型の加工などがそれぞれ動画を用いて説明され、いずれも加工のトレンドを押さえた内容だった。
PSG会での目玉のひとつである特別講演では、「グリーン成長戦略で期待される関連産業における砥粒加工 〝Artificial Intelligence〟と次世代高速ネットワーク技術 〝CES2025〟と〝EXPO2025〟に見る近未来」をテーマに伊藤常務が講演をした。
講演はアメリカの状況からはじまり、米国がコンピュータや半導体など他国への依存度が高い点から日本企業にもチャンスがあるという見方があるとして、成長戦略について様々な例をとって分かりやすく説明をした。また、近年のトレンドである生成AIチップの必要な性能や、今後グリーン成長戦略を支える技術などについても詳しい話がなされ、会場内の聴講者は熱心にメモを取る様子が見られた。
「1年前倒しで目標を達成」

石井社長があいさつに立った。この中で石井社長は、「過去3カ年計画を繰り返してきたが、全中期経営計画の〝ソリューション2025〟の売上目標500億円、営業利益は60億円を目標にして本年3月に目標を達成しようと2022年から実行してきたが、お陰様で2024年3月に1年前倒しで目標を達成できた。これも皆様方のお陰である。」とお礼を述べたあと、「昨年4月から2028年3月期、当社にしては珍しく4カ年計画になるが売上690億円、営業利益110億円を目指した新4カ年計画〝INOFINITY700〟を発表し、現在実行中である。この中継は2030年の3月期に目指す姿として発表した〝ビジョン2030〟を見据えた中計になっている。INOFINITYは造語であり、革新という意味のInnovation、無限という意味のInfinityの言葉を掛け合わせてINOFINITYという言葉をつくった。研磨、研削の可能性を無限に追及し、進化した革新的な研削ソリューションを提供していく会社になりたいという意味を込めてINOFINITY 700という中計の名前とした。」と力強く思いを述べた。
また、海外の研削盤製造拠点の拡大についても触れ、「中国常州工場では年間400台の平面研削盤を製造するキャパを持つ工場が稼働し、中国市場の拡販に貢献している。また、販売面では海外拠点についても成長著しいインドマーケットをターゲットに、インド、プネに販売子会社を2021年に設立した。当社にとって最も戦略性が高い北米は、当社100%子会社のOkamoto CorporationがEllison Technologies社と昨年9月に販売強化に向けた覚書を締結している。工作機械は、高付加価値製品の米国での販売強化、半導体製造装置は、SiC等の化合物半導体の顧客開拓を進めていく。」と説明し、半導体製造事業については、「新幹線や幹線道路が近くにある埼玉県さいたま市大宮に用地を取得し、今年10月には技術開発とショールームを展開することでテスト加工活動の工場、またエンジニアの採用面でも有利な活用ができると考えている。半導体製造装置の集積地である九州には、2023年5月に伊万里市にパーツ対応やメンテナンスを担当する九州テクニカルサポートセンターを開設し、半導体分野での自動化に実績を持つプレシード社に資本出資を行った。23年11月には宮崎県都城市の大和工機を完全子会社化した。大和工機においては、大型のクリーンルームを備え、半導体関連の大型の装置の生産が可能であることにより、本社工場、大宮のショールーム、九州の拠点で弊社、岡本工作機械の半導体事業を拡充していく。」と意気込みを示した。
1935年創立の同社は、2030年には世界に類のない砥粒加工機、総合砥粒加工メーカーとして平面研削盤、半導体ウエハー研磨装置でグローバルナンバーワンを目指すという長期ビジョンを掲げており、本年90年を迎える。今後もサステナブル経営を推進し100年企業を目指す方針だ。
親睦を深める懇親会では、ゲームなどの企画もあり、参加者は大いに楽しみながら懇親を深め、宴たけなわの頃、散会した。