芝浦機械 世界最大級・型締力12,000トンの超大型ダイカストマシンを受注(ギガキャストに対応)

 

 芝浦機械がこのほど、韓国上場企業SEOJIN SYSTEM CO., LTD.(CEO : Jun,Dong kyu)のグループ会社であるベトナム工場より12,000トンの型締力を持つ、「ギガキャスト」に対応した超大型ダイカストマシンDC12000GSを2台、正式に受注したと発表した。

 近年、電動化や軽量化の進展により、自動車の車体構造部品をアルミニウム合金などの軽合金で大型一体鋳造(ギガキャスト)するニーズが急速に高まっていることを受け開発に至った同社。この「ギガキャスト」技術は、複数の部品を一体化することで部品点数や製造工程の削減、さらなる軽量化や強度向上を可能にし、自動車の環境性能と生産効率を大幅に向上させる技術である。同社は、長年にわたるダイカストマシンの開発実績と技術力を活かし、「ギガキャスト」に対応した超大型ダイカストマシンをラインアップ化することで、次世代モビリティのニーズに対応するのが狙い。

〈新製品の特長〉


●業界最大クラスの型締力
 型締力12,000トンの超大型型締め装置により、より大きなアルミ部品の一体成形が可能。車体構造部品を一度に鋳造し、生産効率を大幅に高める。また今後は、型締力6,000 - 9,000トン級の複数ラインアップ化を進めていく。

●高精度・高信頼性の射出制御技術
 同社独自の2シリンダー方式と大流量、高応答サーボバルブを用いた射出機構及び制御により、短時間充填と短時間昇圧を実現、歩留まり向上と高品質を実現する。また最新の制御装置TOSCAST-999を搭載し視認性、保全性、使い易さを追求した。

 
〈今後の展望〉
 

 受注した2台のDC12000GS機は、次世代モビリティの生産工程にイノベーションを巻き起こすもので、同社の超大型ダイカストマシンと顧客の高精密金型との複合技術により、革新的な製品を生み出し、モビリティ社会へ新たな価値・創造を提供することとなる。生産を予定している製品群は大型バッテリーケースにとどまらず、車体ボディパネル成形も含まれ、将来、グローバル規模での需要増が見込まれる市場に新たな1ページを刻むとしている。同社は、このイノベーションを共創し、12,000トン機をはじめとする超大型ダイカストマシンによる成形を通じて、さらなる大型化・高効率化が求められるBEVやハイブリッド車などの次世代モビリティ領域でのイノベーションを力強くサポートしていく方針。

 また、自動車業界を中心に大型一体部品、複合鋳造品の需要が高まっていることから、引き続き顧客の多様なニーズに応えるための技術開発やサービス体制を強化し、国内外のモノづくりを牽引していくとしている。 
     
 

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