【トップインタビュー】「販売しているのはお客様の生産性」ブルーム-ノボテスト 朝尾社長に聞く

 

 

 昨年、ドイツに本社を構えるブルーム-ノボテストの日本法人(愛知県小牧市大山)が設立25周年を迎え、本年1月1日付けで新社長に朝尾信之氏が就任した。同社が提供する製品の数々は、製造現場の自動化による高能率化と安定品質の確保に大きく貢献している。

 朝尾社長に今後の取り組みや、営業方針、意気込みなどについてお話しを伺った。


お客様の声を拾うことに注力

 ― 本年1月1日付けで社長に就任されました。心境をお聞かせください。
 朝尾 わたしが仕事においてやりがいを感じているのは問題解決です。現在社会的な問題と製造の問題は密接に関わっています。日本のものづくりは付加価値の根源であることに間違いはないと感じており、お客様も課題を持たれて取り組んでいますので、課題解決の一助になるようご提案を市場に発信していきたいと思っています。
 ― ユーザーの課題解決に向け、具体的にどのような取り組みを考えていますか。
 朝尾 現在、社内掲げていることは営業でエンドユーザーの訪問を強化することです。わたしたちは販売するときに自分たちの製品の良さを伝えようとしますが、重要なことは、お客様が抱えている問題は一体どんなことなのか、なのです。お客様の課題解決に合致した提案を強化するためには、通常の固まった営業トークではなく、個別のお客様の課題をしっかり理解することが必要だと考えています。
 ― 貴社が25年前に日本法人を設立した頃に、山田前社長が〝機上測定〟の言葉を日本に広め、ブルーム製品は工作機械業界を主体に浸透していきました。労働人口の減少から製造現場の自動化の必要性が年々高まっていますが意気込みをお聞かせください。
 朝尾 お陰様でブランドの認知は広まりました。以前は職人が手動で原点出しをして確認をする作業が主流でしたが、今では機械の中で測定をして測定した結果を機械そのものが判断することができるようになりました。これにより、職人技が必要な調整作業の工程を削減することができます。現在、人手不足が問題視されていますが、われわれの製品は、非熟練者でもミスがない製造現場を可能にしています。そこの理解をもっと広げていきたい。その一方で、まだまだ製品が浸透しきれていない部分もあります。われわれメーカーが販売したにもかかわらず、お客様の使い方が充分でない場合、わたしたちの販売やトレーニングの提供が不十分な点もあるのだろうと考えています。その点は、改めてわたしたちが学び直さなければならず、既存・新規問わず、お客様をたくさん回ることで情報をいただき、お客様とともに発展していきたいと考えています。
 ― お客様の声を拾うことを重点的に行うということですね。
 朝尾 今の時代、人も情報もものすごいスピードで更新されていきますから、時流に合わせてわれわれもどんどんブラッシュアップしていかなければならないと強く感じています。数年前の製品でもお客様から、「こんな機能があったんですね、知りませんでした。」という声を頂いたりすることもありますから、営業活動に終わりがないと感じています。地道にお客様の声を聞いていくことはこれからも大切にしていきたい。

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