【トップインタビュー】「販売しているのはお客様の生産性」ブルーム-ノボテスト 朝尾社長に聞く

 


自動化の救世主! ~売上はお客様の「いいね」~

「フォームコントロールX」の自動追込み加工を行う機能は便利! 測定結果を基にした自動修正加工のニーズも顕在化している

 

 

今年のINTERMOLDのブース。ソフトウェアの体験コーナーも!

 ― 労働人口の減少により製造現場の自動化は避けられません。貴社の『フォームコントロールX』は機上測定における自動化の救世主的なソフトウェアで注目を集めていますが、この製品の強みはどのような点ですか?
 朝尾 『フォームコントロールX』は、工作機械よりワークを下ろし測定室まで運び、さらに機外測定機でセットアップ後に測定を実施したり、測定結果により追込み加工が必要となった時に、ワークを再度工作機械まで戻し、再芯出しの上で追加工を実施するという一連の作業が、「もっと早く簡単にしたい!」という声から生まれた製品です。対象ワークをタッチプローブにより工作機械でそのまま測定し測定結果を出力、また追込み加工も再芯出しすること無く実行可能なので、その分工程の短縮ができます。ユーザーの使い勝手を重視してソフトウェアを組ませて頂いており、作業者のスキルが未熟でも操作が可能という点は、非常に大きな強みだと思っています。
 ― スキルレスということですね。使い方は簡単ですか?
 朝尾 簡単です。対象ワークのCADデータを用い測定ガイダンスに基づきマウスクリックなどで測定点を指定すれば、測定経路が最短となる測定パスが作成されます。測定結果はプローブによる法線方向のタッチで高精度です。スマホ、タブレットなどのWeb端末で何時でも何処でも確認を頂くことができるうえ、追込み量を自動で工具オフセットに書き込むことにより工作機内でそのまま追加工の実施が可能です。
 ― 貴社の『LC50-DIGILOG』と『LC-VISION』も工具測定のスタンダードとなってきました。
 朝尾 『LC50-DIGILOG』は工具測定システムにより、回転工具の刃先をレーザで遮光させ測定データを連続的に取得することで高速測定を可能にしたもので、工具径や工具長、摩耗、刃先の触れまでも非接触で測定できます。またアプリケーションである『LC-VISION』は測定中により多岐にわたる記録された値をリアルタイムで視覚化、分析ができる非常に画期的なものです。『LC-VISION』は、選択式アプリケーションである『3D ToolControl』等と組み合わせて使用すると、加工プロセスに最適な補正を行うことが可能になります。工具先端の熱変位量をモニタリングできれば、工作機械の熱変位が安定した状態に達し、加工を開始できるタイミングが分かります。
― 加工におけるデータの見える化は重要だと思います。
 朝尾 わたしたちはソフトウェアでのソリューションによる問題解決に注力しています。測ることも重要ですが、測ることは価値ではないのです。〝測った結果からなにができるか〟が一番重要であり、わたしたちはタッチプローブやレーザを売っているのではなくて、〝お客様の生産性を販売している〟ということに重点を置いています。これはわたしたちのモットーである「Focus on Productivity」であり、これが一番大事なメッセージになると思っています。社内では、「売り上げを上げよう。」ということではなく、「売り上げはお客様の〝いいね〟の数だ。」ということが浸透してきました。また、わたしたちと一緒に仕事をしたいとお客様に感じて頂けるよう社員ひとり一人が成長するために、半年に1度、社外のトレーナーにお越し頂いて、マナーやハラスメント教育等を教えて頂いたり、年に2回はキックオフミーティングといって会社方針や営業戦略の共有する場を設けています。
 ―最後に、読者へメッセージをお願いいたします。
 朝尾 ものづくりの楽しさをわたしたちと一緒に話しましょう。お客様は、工場を良くしよう、ものづくりを良くしよう、良いものをつくろうということを考えていると思います。わたしは工場を見学するのがとても好きで、日本の製造業が世界に影響力を与え続けることに貢献したいと強く思っています。日本の工作機械業界は素晴らしい技術があり、そこに貢献できる仕事を今後もしっかり実行していきたいと思っています。
 

 

 

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