マザック財団 2024事業年度 研究助成・優秀論文表彰・国際会議助成の対象決定 表彰式を行う

マザック財団(理事長:棚橋祐氏)がこのほど、2024事業年度(2024年4月~2025年3月)の研究助成・優秀論文表彰・国際会議助成の対象が決定したと発表した。2024年9月1日~11月30日の募集期間に大学や研究機関などからの応募を受付け、審査を経て研究助成21件、優秀論文表彰18件、国際会議助成3件の計42件を選定した。
(1)研究助成
申請総数45 件の中から21 件を研究助成対象に選定した。
<代表例:名古屋大学 助教 李 炅耆(イ キョンキ)>
■研究テーマ
『工具動剛性を用いた新たなびびり振動抑制技術の提案』
■内容
旋削加工での再生びびりを抑制する新たな技術の提案である。再生びびり抑制の従来技術として、主軸の回転数を変動させる方法があったが、短時間での主軸の加減速は難しく、そのため高速加工時には対応できなかった。その問題点を解決するべく、その抑制原理に着目して工具側で対応しようとするもので、工具ホルダのクランプ部に応答性能の高い圧電素子を組み込み、クランプ力を変動することで工具の動剛性を変化させびびりを抑制するという手法の研究である。
(2)優秀論文表彰
応募総数25 件の中から18 件を優秀論文表彰に選定した。
<代表例:東京大学 大学院生 手嶋 勇太(テシマ ユウタ)>
■論文のテーマ
『工作機械における熱的誤差の推定のための低次元モデルに基づくセンサ配置戦略』
■内容
熱変位補正のための温度センサの位置を決める手法を提案している。機械の特性を変化させずに構造モデルを簡略化する有限要素モデルの低次元化に基づいて、各測温点が機械の熱変位に与える影響を定量的に定義した。これにより、多数のセンサを実際に取り付けることなく、解析のみによって影響度の高い測温箇所を同定できる。そして実際に検証を行い、センサ数を302 個から150 個に半減しても熱変位を精度よく推定できた。
(3) 国際会議助成
8件の申請の中から、3件を国際会議助成対象に選定した。