日本工作機械輸入協会が創立70周年記念祝賀会を開く

あいさつをする金子会長

 日本工作機械輸入協会(会長=金子一彦 三宝精機工業社長)が、去る4月24日、インターコンチネンタルホテル東京ベイで創立70周年記念パーティを開いた。

 あいさつに立った金子会長は、あいさつの中で同協会の歴史を振り返り、「当協会は太平洋戦争終結の10年後、1955年4月20日に、輸入工作機械協会として当時の大阪電気倶楽部にて第1回の総会を開催し、創立された。創立当初の会員数は輸入業者を中心とした29社で、うち4社は現在も会員として活躍されている。1955年といえば経産省が国民車構想を発表した年で、日本の自動車産業は来るべきモータリゼーション時代に対応して、エンジン、トランスミッションを含めた自動車の大量生産のために、設備投資が行われ始めた頃。しかし大量生産を実現するには国産の機械がまだまだ発展途上であり、主力設備が欧米諸国から大量に輸入される時代だった。そんな中、欧米の最新の生産設備、生産技術の紹介と、輸入関税緩和の具申を主なミッションとして当協会は創立された。また日本の工作機械各社も技術の革新を迫られ、欧米の工作機械メーカーとの間で技術提携が行われ始めたことで、その橋渡し役としてのミッションもあり、多くの製造業の生産技術の発展と生産設備としての工作機械、機器、測定器の輸入促進に著しく貢献した。1962年に大阪で、第1回日本国際工作機械見本市が開催されたが、これについては大量の輸入工作機械、機器を展示し、その開催に大いに貢献した。またEMO、IMTS等の海外工作機械見本市や、海外メーカーの製造現場の視察を国内のユーザーを連れてツアーを行い、本場の工作機械、機器を直接見ていただき、輸入促進を図ってきた。現在、日本の製造業は、さまざまな苦難を乗り越え世界最高レベルのものづくり大国に成長したことは非常に喜ばしいことで、当協会も微力ながらそれに貢献できたと思う次第である。」と述べたあと、「ここに70周年の節目を迎え、われわれの先輩たちがビジネスの基礎を築いた偉大な功績に大きな感謝と敬意を表すために、未来に向けて引き継いでいくことが、重要な使命であると改めて考えたい。ぜひこれからも世界最先端の工作機械の技術を日本のユーザーに紹介し、日本のものづくりに貢献していきたい。」と力強く思いを示した。

経済産業省 田中審議官

 来賓を代表して経済産業省の田中一成 審議官が、「日本工作機械輸入協会は日本の工作機械産業の発展に多大な貢献をされてきた。特に、優れた輸入機械の導入、促進については国内の工作機械産業の技術革新、品質向上に貢献するとともに、自動車産業機械、ユーザー環境の競争力を高めることに重要な役割を果たしてきた。工作機械産業は製造業の基盤であり、この役割はデジタル化、自動化という新しい流れの中で増大している。AI、IoTなどの実現に向けて、貴協会が果たす役割はますます大きくなっていく。ぜひ今後とも最新の技術動向などを会員内外に積極的に共有していただき、業界全体の発展、わが国の製造業の発展につなげていただければと思う。」と声援を送った。

 続いてUNITED GRINDING Management AG、Stephan Nell CEOが祝辞を述べた。
 乾杯の発声は、日本工作機械工業会の稲葉善治会長(ファナック会長)が行った。


 

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