不二越 CNC自動旋盤用ドリル「LAアクアREVOドリル」を新発売

 

  不二越がこのほど、CNC自動旋盤用ドリル「LAアクアREVOドリル」を発売した。CNC自動旋盤は、複雑で高精度な加工や、生産効率の改善に 対応するため、複数の刃物台を有する機種が増え、多機能化が進んでいる。多くの工具を刃物台に取り付けて加工ができる反面で、工具が加工物に干渉しないように、旋盤の機種別で刃物台ごとに工具取付け長さが決められている一方で、一般的なドリルは取付け長さの制約やワークへの干渉が無いことを前提に、加工深さに合わせて直径ごとに剛性を重視した長さに設定されている。同社では、CNC自動旋盤のユーザーが工具取付け長さに合った工具を探すのに苦慮しており、「最適な工具を簡単に選定したい。」との声を受け、今回、発売に至った。

 CNC自動旋盤は、長尺の棒材から連続して部品を削り出し、切り離す加工が可能であり、自動化・省人化など、高い生産性を実現できることから、幅広い分野で利用されている。近年では、自動車のEV化に伴った電子部品をはじめとする精密部品の増加、他にも建設機械や油圧機器、医療機器分野などで精密部品加工の需要が増加しており、CNC自動旋盤の市場は全世界で拡大を続けている。

 今回同社が発売したCNC自動旋盤に合わせて最適化したドリル「LAアクアREVOドリル」と「LAアクアREVOドリル スターティング」は、工具選定時や段取りの手間を省き、工具長が最適化されることで加工プログラムを簡素化し、ユーザーの生産性向上に貢献する。

「LAアクアREVOドリル」の特長

① 工具交換時の干渉を回避 
 CNC自動旋盤の「クロス刃物台」は加工物との距離が短く、取り付ける工具の突出し長さに制約がある。クロス刃物台に取付けられた複数の工具は刃物台と一体で移動するため、工具の突出し長さが揃っていないと工具交換時に加工物への干渉を避けるため、工具を逃がす動作が必要となる。「LAアクアREVOドリル」は工具の突出し長さを一定にすることで、工具交換時の逃がし動作を不要にしてサイクルタイムの削減を可能にする。
② 一定の突出し長さと全長でしっかり取付け
 従来のドリルでは、自動旋盤の取付けスペースに合わせて工具の突出し長さを揃えるために、小径寸法では全長が短くドリルを保持する長さが不足したり、大径寸法では長過ぎて切断が必要となる場合があったが「LAアクアREVOドリル」は直径によらず、突出し長さが揃うように工具長を設定しているため、工具選定が簡単。

〈新製品の概要〉

(1)「LAアクアREVOドリル20」、「LAアクアREVOドリル30」
 ■ 特長
 優れた加工性能と高い汎用性を持つ「アクアREVOドリル」の溝・刃形状をベースに、CNC自動旋盤で作業性が良い突出し長さを追求した。それぞれの突出し長さに合わせ全長を統一することで、ホルダ内の取付スペースが狭い刃物台でも取回しが良好で、優れた段取り効率を実現する。
 ・基準突出し長さ20mm(突出し長さ対応範囲 19~30mm未満)、全長50mm
 ・基準突出し長さ30mm(突出し長さ対応範囲 30~40mm未満)、全長65mm
 ② 寸法範囲
 LAアクアREVOドリル20:φ0.5~7.0mm  全66寸法
 LAアクアREVOドリル30:φ0.5~10.0mm 全96寸法
 代表寸法 φ6.0 基準突出し長さ20mm 全長50mm 9,210円(税別)

(2)「LAアクアREVOドリル スターティング20」「LAアクアREVOドリル スターティング30」
 ■特長
 センタリングだけでなく、V溝加工や面取り加工まで1本で対応可能なスターティングドリル。刃欠けを抑制する刃先形状を採用し、安定加工と長寿命を実現する。LAアクアREVOドリルと同一の突出し長さと全長をラインアップ。
 ・基準突出し長さ20mm(突出し長さ対応範囲 19~30mm未満)、全長50mm
 ・基準突出し長さ30mm(突出し長さ対応範囲 30~40mm未満)、全長65mm
 ■寸法範囲
・LAアクアREVOドリル スターティング20:φ3.0~6.0mm
 先端角 90°、140°全8寸法
・LAアクアREVOドリル スターティング30:φ3.0~12.0mm
  先端角 90°、140°全14寸法
・代表寸法 φ6.0 基準突出し長さ20mm 全長50mm 9,030円(税別)
 

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