DMG森精機 次世代の自動化システム「MATRIS WPH」を新開発

DMU 50 3rd Generation + MATRIS WPH 70 外観

 

 DMG 森精機がこのほど、ワークとパレットを自在にハンドリングし、柔軟な生産を実現する 次世代の自動化システム「MATRIS WPH」を新たに開発したと発表した。

 近年、多品種少量生産の増加により、工程集約や自動化に取り組む方が増えており、多品種少量生産は、ワーク1種あたりの生産数が少なく頻繁に治具交換作業が発生するため、ワークハンドリングの自動化のみでは長時間の無人生産や複数種ワークの無人生産の実現が困難である。また、パレットハンドリングの自動化のみではパレット数に合わせた治具を購入する必要があり経費が増加するなど、効率的な自動化システムの構築にはさまざまな課題があった。

 今回新たに開発した「MATRIS WPH」は、これらの課題を解決する新しい自動化パッケージシステム。「MATRIS WPH」は、ワークハンドリングとパレットハンドリングを1つのシステムに集約し、さまざまなワークの変種変量生産に対応することが可能になる。

 ロボットの最大可搬質量が70 kgの「MATRIS WPH 70」と、210 kgの「MATRIS WPH 210」の2種類がある。MATRIS WPHの操作は、引き出しストッカ横に設置しているDMG MORI Automation Controllerに集約し、直感的な操作を可能にするユーザーインタフェースにより、ノーコードでロボットの操作や稼働状況の確認などを行うことができる。

 その他、多様な種類の治具を収納できる可動棚や作業性の良い段取りステーション、大容量の引き出しストッカなどを備えている。また、迅速なシステム構築を可能にする設計や、タッチプローブを用いた自動ティーチングを採用したことで、システムの立ち上げ日数を既存機のMATRISと比べ50%短縮し、垂直立ち上げも可能になった。

主な特長
 

DMC 65 monoBLOCK + MATRIS WPH 210 外観と構成図

 

(1)顧客の生産に合わせて柔軟にオーダー可能な構造
 ・1台のロボットでワークとパレットを自在にハンドリング可能
 ・ロボットの最大可搬質量は70 kgと210 kgを選択可能。多種多様なワークに対応可能
 ・MATRIS WPH 210ではパレットサイズの組み合わせにより最大38パレット収納可能
 ・素材や完成品を収納する大容量の引き出しストッカを搭載
 

(2)長時間の無人生産の実現
 ・システム内に滴下したクーラントをシステム中央のオイルパンで回収。オイルパンのメンテナンスは工具不要で作業可能
 ・長時間の無人生産を実現するための、加工三悪(切りくず、クーラント、ミストによるトラブル)の対策ソリューションを搭載
  -オペレーターに代わり加工中の切りくずを清掃するAIチップリムーバル
  -タンク内に溜まったスラッジを効率的に攪拌・回収するクーラントタンク zero-sludgeCOOLANT
  -加工時に発生するミストを効率的に捕集する zeroFOG

(3)幅広い工作機械に連結可能
 ・5軸加工機DMU / DMCシリーズ、monoBLOCKシリーズ、eVoシリーズやCMXシリーズ、NVXシリーズなど、さまざまな工作機械と連結可能
 ・工作機械2台との連結したシステム構築も可能
 ・既存機と比べ、システムの立ち上げ日数を50%短縮、垂直立ち上げが可能
 

(4)作業性
 ・MATRIS WPHの操作は引き出しストッカ横に設置しているDMG MORI Automation Controllerに集約。分かりやすい画面構成でジョブの設定や稼働状況の確認が可能
 ・加工機の正面近くに段取りステーションを設置。段取りステーション内にバキュームユニットを取り付けることで、清掃における作業性が向上
 

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