日立建機 充電用電源が未整備の施工現場におけるバッテリー駆動式ショベルの安定稼働を実証

移動式給電車によるバッテリー駆動式ショベルへの充電

 

 日立建機は、11月10日から14日まで、東京都府中市の施工現場で、バッテリー駆動式ショベルとベルエナジーの移動式給電車を組み合わせた実証試験を行い、最適な充電計画を検証した。

 この結果、充電用電源が未整備の施工現場においてもバッテリー駆動式ショベルと移動式給電車の組み合わせで工事が安定して実施できることを確認し、さらにエネルギーマネジメントを行う上での最適な充電計画を検証できたと発表した。

 昨今、GX建機認定制度の開始など、日本国内でも電動建機の導入機運は高まりつつあるが、日立建機は2024年9月に、バッテリー駆動式ショベル3機種と可搬式充電設備の国内販売を開始。電動建機は排出ガスを出さず静音性に優れている一方、充電インフラの整備や充電時間の確保など運用面での業界共通の課題が存在するため、同社にとっては、施工現場での実証試験を通じて、最適な運用方法を提案することが重要と考えた。

 一方、ベルエナジーは、EVをベースとした移動式給電車「MESTA Gen(メスタ・ジェン)」などを活用して電力供給サービス「電気の宅配便」を提供しており、指定の場所に出向いて建設機械やEVに電力を供給することができる。この移動式給電車は自走して充電ステーションへ赴き、充電することが可能。また、工事の進捗状況に応じて移動できるため、設置場所に縛られず、現場の変化に柔軟に対応することができる。

 同試験は、充電用電源が未整備の施工現場を想定し、日立建機のバッテリー駆動式ショベルZX55U-6EBとベルエナジーの移動式給電車「MESTA Gen(メスタ・ジェン)」1台を組み合わせて実施した。移動式給電車は施工現場近隣の充電ステーションで充電し、施工現場に戻ってバッテリー駆動式ショベルへ1日に複数回、直接給電した。

 今回は、日立建機が施工現場の運用スケジュールやバッテリー駆動式ショベルの稼働状況の予測に基づき、充電の必要性を判断することで給電車の最適配車タイミングを計画し、ベルエナジーがその計画に合わせて給電車を配車する運用を実施した。その結果、充電用電源が未整備の施工現場でもバッテリー駆動式ショベルと移動式給電車の組み合わせにより外構工事を安定して実施できることを確認した。
 

MOLDINO