【令和8年 年頭所感】日本建設機械工業会/日本光学測定機工業会/日本金型工業会/全日本機械工具商連合会

「建設機械は日本の誇る産業」
●(一社)日本建設機械工業会 会長 山本 明

 新春を迎え謹んでお慶びを申し上げます。
 会員各社ならびに関係省庁、関係団体の皆様には平素より日本建設機械工業会の活動に格別の御支援を賜り、厚く御礼申し上げます。

 昨年は第2次トランプ政権による関税引き上げにより、日本からの輸出品にも追加関税が課され、厳しい事業環境が継続しております。当工業会としても政府に対して要望書を2度提出するなど、現在、会員一丸となって対応に取り組んでおります。

 また、4月から10月に開催された大阪・関西万博は、国内外から多くの来場者を集め、そこで示されたAI活用、自動化・ロボティクス、循環型社会対応等の未来像は、建設機械業界の挑戦を支える重要な糧となりました。こうした中、当工業会が昨年8月に公表した需要予測では、2025年度は、国内、輸出ともに減少し、2025年度通年の出荷金額は2兆8,488億円(前年度比3%減)と2年連続の減少を見込んでおります。2026年度は、一部機種で回復が見込まれるものの小幅回復に留まり、出荷金額は、2兆8,457億円(前年度比±0%)と予測しております。

 さて、昨年の取り組みにおいて特に力を入れた項目と現状をご紹介いたします。

1.カーボンニュートラル関連
 5度目となる「CN実現に向けた要望とりまとめ」を策定し、政府関係各所への要望活動を行いました。その内容は、経済産業省に設置された「GX建機研究会」で取り上げられ、政府全体のGX推進戦略(GX2040ビジョン)において建設機械は自動車と並び重点分野として位置付けられました。また地球温暖化対策計画にも反映された他、第7次エネルギー基本計画(25年2月閣議決定)では、建機へのバイオディーゼル導入推進が明記されることとなりました。

2.DX関連
 自動化・自律化に関する要望書を24年12月に国交省へ提出し、厚労省・経産省等の関与を求めました。その結果、25年6月に閣議決定された規制改革実施計画に要望事項が反映され、厚労省に専門家会議が設置されました。本年前半に技術水準の検討項目が整理され、結論を得次第、必要な措置が講じられる予定となっております。

3.人材育成・情報発信
 建設機械及び施工分野における人材確保、育成は喫緊の課題です。建設機械の認知度向上と人材確保を目的に昨年より11月19日を「建設機械の日」に制定しました。記念イベント「KENKIドリームDAY」を渋谷で初開催し、3,300名を超える来場者にご参加いただきました。子どもから大人まで笑顔で建設機械に触れる姿から、建設機械が日本の誇る産業であり、社会に不可欠な存在であることを再確認いたしました。

我々工業会の使命は世界のインフラを担う日本の建設機械産業を支えることであり、今後も課題に積極的に取り組み、皆様のご支援・ご協力を賜りながら進めてまいります。
最後になりますが、皆様にとって安全で素晴らしい一年となりますように祈念し、年頭のご挨拶とさせていただきます。

「光学測定機市場は大きな変化点を迎えている」
●日本光学測定機工業会 会長 濱谷正人

 昨年は、アジア諸国向けの出荷がその前年に比べかなり回復した一方で、米国向けの出荷が米国政府による関税措置の影響を受け落ち込んだことから、通期では前年を若干下回る見通しとなっています。

 現在、光学測定機の市場は、フィジカルAIの実用化進展に伴うロボティクス分野での高精度センシング需要の拡大や生成AI向けチップをはじめとした先端パッケージ技術の進化に伴い大きな変化点を迎えています。フィジカルAIを支える各種半導体・電子部品の品種増加にともなって、測定アプリケーションも多様化し、複雑な形状や高精度な測定が求められるようになっています。それゆえ、高速・非接触という光学式ならではの利点を生かした測定ソリューションを迅速に開発・提案することが肝要と考えております。

 昨年より、地政学リスクの高まりを受けたサプライチェーン再構築の動きが加速、国内回帰や友好国への生産移管にともなう製造拠点の分散化が進むことで品質管理の標準化・管理強化の関心が増大しています。このような背景から、作業現場におけるサンプルの形状や寸法、表面性状を高速に取得するニーズも高まっています。光学式の測定機は、この点においても有効な技術として注目されています。また、労働人口の減少や熟練技術者の退職にともなう技能継承の危機が顕在化したことで、誰でも使える直感的な操作性と自動化機能を備えた測定機への需要も増加しています。

 昨年秋に東京ビッグサイトにて、「測定のDX化、省人省力化、高精度化、最新計測ソリューションで未来を創る!」をキャッチフレーズに測定計測展2025を開催し、各産業より多数の来場を頂き、課題解決の具体的な手段を見つけることができたという声もうかがいました。改めてご来場に対し御礼申し上げます。

 事業環境の不確実性が高く、ダイナミックに変化していくなかで生まれるニーズに対して、非破壊・非接触型測定機を主とした光学測定技術を深化させ、同時に使い勝手の向上を目指します。また、光形状計測セミナーなどを通じた光学測定の技術者育成に取り組みます。

 製造業の課題に真摯に応えていくことで貢献してまいりますので、今年もよろしくお願い申し上げます。

「〝稼ぐ力〟を高める 」
●(一社)日本金型工業会 会長 山中雅仁

 年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。皆さまには平素より、日本金型工業会の活動に格別のご支援とご高配を賜り、有難く厚く御礼申し上げます。

 昨年は、記録的な猛暑や自然災害の多発といった気候変動の影響が一層顕著になり、2025年版世界リスク指数ランキングでは、日本の自然災害リスクは、17位と前年から危険度順位が七つも上がり、企業経営における様々な災害リスク対策が急務であることを痛感させられる一年となりました。

 一方、米国の関税政策による通商環境の変化は、市場の不安定化を招き、自動車関連業界においては、イノベーションの加速はもとより、グローバルサプライチェーンの再構築によるコスト低減と市場拡大などが喫緊の経営課題となりました。また、超高齢化社会の到来による「2025年問題」への対応は産業界共通の課題であり、「多様な人材を雇用できる体制作り」、生産性向上や業務プロセス効率化から労働力不足解消につなげる「デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進」、人材確保・定着のための賃金政策も含めた「働きやすい環境づくり」など各社にとどまらず業界を挙げて、国の対策とリンクした取組みが、企業の永続的な成長に不可欠な要因であることはご存じの通りです。

 このように、益々、不確実性が高まる環境下にあって、我々、ものづくり産業に携わる者は、ニューノーマル(新常態)が到来したとの意識を持って、多岐にわたる課題に対して、衆知を結集し、変化に素早く対応できる柔軟性と迅速性が、重要なサバイバル要件であることは疑いがない所です。

 そういった厳しい環境のなかで、日本金型工業会では、金型産業が、「多くの社会課題やお客様のお困りごと解決のツールを提供できる企業集団」として、将来にわたってサステナブルに成長し、ワクワクする魅力ある産業であるべく、特別プロジェクトやワーキンググループを編成し、様々なテーマに取り組んでおり、夫々に形になってまいりました。

 さて、今年の干支は「午(うま)」です。力強く駆け抜ける姿から、活力、前進、発展の象徴と言われています。報道などを見ると、2026年も社会・環境課題への対応、テクノロジーの進化、グローバル経済の変動といったメガトレンドは変わらず、取り巻く環境は、なおも厳しいものがありますが、新たな動向として、1月から「下請代金支払遅延等防止法(下請法)」が、名称も「中小受託取引適正化法(取適法)」と改称し施行されたことがあります。

 その背景には、価格転嫁を定着させ、取引の適正化による賃上げの実現にありますが、「業界ワンボイスで儲かる業界にしていく」これまでの工業会活動と同期し、金型業界の経営体質強化に資する、時期を得た法令改正と考えています。

 以上の状況を踏まえて、新年の抱負は、昨年よりさらに前進、進化させて、“「稼ぐ力」を高める” を掲げました。具体的には、「業界連携(パートナーシップ)」「市場拡大の施策の推進」「業界の魅力度」「商品企画開発力(技術力含む)」の4つの軸で稼ぐ力の向上に焦点をあてたワーキンググループを編成し、2025年から3年のスパンで活動を展開しています。

 例えば、市場拡大施策の推進では、経済産業省・JETROと連携し海外展示会への出展企画、対象市場国の情報収集と共有、顧客への製品アピールイベントの企画などが検討されており、業界の魅力度では、Webツール活用による就職活動関係者への魅力度発信、金型フェスティバルの開催などのプランが挙がっていますが、夫々のワーキンググループにおいては、2026年より、いよいよ実行のフェーズに入りました。

 工業会では、それらの活動が、金型業界の認知度向上や会員企業の収益向上・人材確保に繋げるべく、継続的なモニタリングを行い、日本の金型産業を弛まず持続可能な成長産業にする取組みを進めてまいります。

 会員企業の皆さま、ならびに関係省庁、関係団体の皆さまにおかれましては、今年も更なるご指導・ご鞭撻ご協力をお願い申し上げ、私のご挨拶とさせていただきます。

「設備投資や技術革新が進展」
●全日本機械工具商連合会 会長 坂井俊司

 新年あけましておめでとうございます。
 昨年11月4日には、皆様のご協力と多数のご参加を賜り、第45回全機工連全国大会関東大会を開催することができました。組合員、賛助会員、メーカーの皆様との情報交換や懇親、交流も活発に行われ、大変有意義な大会となったものと存じます。

 さて、昨年の我が国経済は、米国の関税政策による輸出減速や世界経済の鈍化により足踏み状態となりました。企業収益は一定水準を維持したものの、設備投資や個人消費は不透明感から伸び悩み、前年に続き停滞感の強い一年でありました。また、人手不足と高齢化が顕在化し、DXや自動化の導入が急務であることを改めて強く認識させられました。

 一方、成長分野としてはEV・電池、半導体製造装置、ロボティクス、グリーンテクノロジーが挙げられ、設備投資や技術革新が進展しております。我々を取り巻く環境は大きく変化しており、この流れは本年以降さらに加速すると考えられます。

 このような状況の中、我々機械工具商においてもDXや自動化への取り組みは急務であり、成長分野や新規分野への参入にも挑戦していかなければなりません。一歩ずつでも着実に実行することが重要です。ユーザー様やメーカー様から頼りにされる存在であり続けるためには、従来とは異なる対応が求められ、過去にとらわれない思い切った取り組みも必要であると感じております。

 全機工連としても本年は、政府施策である補助金事業について、組合員の皆様へのさらなる活用促進を検討してまいります。教育・親睦・情報交換といった従来の活動にとどまらず、業界の活性化につながる取り組みを広げていきたいと願っております。また、全国大会や総会のあり方についても改めて議論を深め、常任理事会や総会を通じて進めてまいります。

 最後になりますが、会員各社、メーカー会員、賛助会員の皆様が新しい時代に適応し、ますますご発展されますことを心より祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

 

MOLDINO