【令和8年 年頭所感】「非常に明るい見通し」日本ロボット工業会 会長 橋本康彦
新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
さて、昨年を振り返りますと、先ず、年末に、ロボット業界にとっての最大イベントでもある「2025国際ロボット展」を開催し、その出展社数に加え来場者数は過去最大となる15万6千人余りの方々にご来場をいただき、盛会裏に終了することが出来ました。当業界の2026年に向けての力強い応援となりました。本展示会の開催にご指導、ご支援を賜りました経済産業省はじめ関係諸団体、そして出展各社の皆様に対し心より御礼申し上げます。
また、昨年は我が国での開催が20年ぶりとなった「大阪・関西万博」が約半年間の会期を経て盛会裏に閉幕したほか、我が国初の女性総理・高市政権の誕生、さらにはノーベル・化学賞及び生理学・医学賞の2部門で日本人が同時受賞といった期待や希望での話題がありました。
一方、直近の国際通貨基金による世界経済の見通しでは、昨年が3.2%の伸びであったのに対し、今年は、不確実性の長期化や保護主義と分断化の拡大等により3.1%に鈍化するとの観測がなされています。
このような状況の下、昨年2025年の我が国のロボット産業は、世界経済の諸リスクや米国関税政策での不透明感のなかでも、受注額で対前年比19.9%増の9,980億円、生産額では19.7%増の9,350億円となることが見込まれ、当初見通しを大きく上回ることとなりました。
そして、今年のロボット市場におきましても、先のIMFの観測による保護主義の拡大等での懸念材料はあるものの、AIへの大規模投資による半導体や電子機器への需要回復が見られるなど、根強い自動化投資需要の回復をベースに、受注額では対前年比3.2%増の1兆300億円、そして生産額は6.9%増の1兆円と、ロボット業界にとって非常に明るい見通しを立てております。加えて、新政権による政策効果、世界的なフィジカルAIへの関心の高まりから、この見通し以上の回復を期待するところです。
次に当会の今年の活動については、業界活性化のさらなる推進に向け、昨年に引き続き以下の3点を重点項目として取り組む所存です。
第一は「市場拡大に向けた取組」です。ロボットの市場拡大に向けては、省力化投資支援等の施策を通じた普及に加え、国際ロボット展の裏年にあたるに本年12月2日~4日の3日間、関西のインテックス大阪において新たな展示会「RoboNxt(ロボネクスト)」の第1回を開催し、西日本のユーザー層にもアプローチをすることとしています。特に本展は、AI・ロボティクスなど技術革新のスピードに対応するため、最新テクノロジーの発信とともに、次世代を担うスタートアップ・ベンチャー企業や若手人材が集える場をイメージし、そのテーマを「ロボットをもっと身近に、そして未来(あす)へ」として、未来に向けて人とロボットが共に歩んでいく展示会にしたいと考えています。本展の開催により日本ロボットシステムインテグレータ協会はじめ、関係ユーザー団体との連携を通じて一層の市場拡大に努めてまいります。
第二は「イノベーションの加速化に向けた産学連携の推進」です。ロボット分野における国際競争は益々激化しておりますが、昨年、高市新内閣において「国家戦略技術」が創設され、経済安全保障上の重要性が高い6分野技術の1つに、「AI・先端ロボット」が盛り込まれました。当業界としても、我が国の優位性確保や潜在市場の顕在化に向け、日本ロボット学会をはじめ関係学会及び関連業界とのより一層の連携を通じて、ロボット・イノベーションの加速化を進めることとします。
第三は「国際標準化の推進、国際協調・協力の推進」です。国際標準については、引き続き我が国も官民挙げての戦略的な取り組みが重要です。特に、ロボットの国際標準を審議しているISO/TC299では、そのプレナリー会議をはじめ、各ワーキンググループ(WG)が各国で開催されることとなっていますが、その一つである「産業用ロボットの安全性」を審議するWG3については当会正会員のIDEC社がホストとなり5月に大阪で開催されることとなっています。このほか、海外開催の会議にも積極的に委員派遣を行い、ロボットのリーディングカントリーとして引き続き積極的に取り組むこととしております。また、国際ロボット連盟を通じた活動並びに国際交流を積極的に推進していく所存です。
そして、先程の12月開催のRoboNext展に加え、6月10日~12日にかけて「第27回実装プロセステクノロジー展」を東京ビッグサイトで開催します。両展示会を通じて技術情報の発信とともに、様々な分野へのロボット利活用拡大への意欲を喚起することに加え、市場調査、技術振興等の各事業を意欲的に展開する所存です。
引き続き関係各位の一層のご支援とご協力をお願い申し上げますとともに、皆様のご活躍とご発展を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。


