「1兆7,000億円の見通し」日本工作機械工業会が賀詞交歓会を開く

新年の意気込みを示す坂元会長

 日本工作機械工業会(会長=坂元繁友 芝浦機械社長)が1月8日、都内のホテルニューオータニ(東京都千代田区紀尾井町)で賀詞交歓会を開いた。

 坂元会長は日頃の感謝の意を述べた後、昨年を振り返り、世界各地には依然として地政学リスクが顕在化している。米国は矢継ぎ早に通商政策を打ち出し、各国がその対応に追われるなど、世界情勢は混沌としたなかで、透明、不確実な状況が続いた1年だった」と振り返った。

 今年の展望については「先行きの不透明感が引き続き強い」との認識を示し、「各国による通商上の措置や外交上の対立など、不安定で不確実な状況が続くことが想定され、設備投資への影響が懸念される」と述べた。一方で、第7次エネルギー基本計画で指摘された、長年使用されている工作機械など生産設備の省エネルギー性能の相対的な劣化に対し、官民一体となった取り組みが進められている点に言及し、さらに、総合経済対策で示された17の戦略分野における危機管理投資や成長投資についても触れ、「これらの施策は、稲葉前会長から引き継いだヴィンテージ問題の解決につながり、国内の老朽設備更新に寄与していくものと期待される」との見方を示した。

 こうした状況を総合的に判断し、坂元会長は2026年の工作機械受注額について「1兆7,000億円」との見通しを示した。

 また、本年の事業については、「デジタルグリーンレジデンスを柱に、工作機械産業ビジョン2030で示した内容について委員会活動を中心として取り組みを前進させていく」と力強く述べた。

 具体的には、「国内製造業の国際競争力を強化していく観点から老朽機の更新を促し、生産性を向上させる脆性や補助金の創設、拡充を強く働きかけ、デジタルツールを活用した生産、加工②おける情報データの規格化や、EPA利用促進、アジアの新興市場や米国における工作機械需要産業の動向、さらにカーボンニュートラル実現に向けた省エネ活動、これらの調査研究事業を推進して、会員各社に共通する共有領域の進化・拡大を進めていく」と意気込みを示した。

 さらに「工作機械ビジネスは技術、輸出管理、経済保証などあらゆる面で高度化、複雑化しており、情勢の変化に対応していくために最新情報の入手、分析を進め、対処していく。また、工作機械業界の技術者、輸出担当者、サービス員等の人材育成や学生や社会一般に対する工作機械産業の周知活動も進めていく」とした。

 また、本年は製造業の祭典であるJIMTOF開催について触れ、「会場の東京ビッグサイト東展示棟の4から6ホールが大規模補修工事となるが、周辺設備も活用し、来場者の密集、混雑の回避を考慮した会場運営に努めていく」と述べた。

エールを送る経済産業省 伊吹 製造産業局長

 来賓を代表して経済産業省の伊吹英明製造産業局長があいさつをした。この中で伊吹局長は、昨年の国内経済の動きについて言及し、「デフレからインフレ経済へと移行する中で、投資によって収益を上げ、その成果を賃上げに振り向けて人材を確保し、さらに次の投資につなげる好循環を回せる企業が成長していくことが明らかになった一年だった」と振り返った。その上で、直面する課題として「人材不足と物価高の二点が大きな課題となった」と指摘した。

 また、重要分野についても触れ、「半導体、量子、バイオ、航空・宇宙、エネルギー、DX、ロボットなど、具体的な話は春に向けて色々議論が進んでいくと見込まれるうえ、中小企業政策についても、成長を志す企業に集中的に応援していく所存である。」と声援を送った。
 

MOLDINO