DMG森精機「Adaptive Coolant Flow」を開発 ~加工時の高圧クーラント流量を自動で最適化、省エネに貢献~
DMG 森精機株式会社がこのほど切削加工時に使用する高圧クーラントの流量を自動で最適化する「Adaptive Coolant Flow(アダプティブクーラントフロー)」を開発したと発表した。最適な流量でクーラントを吐出することで、工具寿命やワークの面品位を維持しつつ、過剰なクーラントの使用を抑えて消費電力やCO2 排出量を削減し、生産現場のGX(グリーン・トランスフォーメーション)を推進する。
近年、世界的なエネルギー価格の高騰により、生産に使用する電力コストも年々上昇しているうえ、生産現場では、環境に配慮した生産体制の実現がますます重要となっていることを受け、同社では、工作機械の省エネルギー化に貢献する「GREEN MODE」機能の搭載など、環境に配慮した設計を進めてきたが、工作機械で最も電力を消費するのはクーラント関連装置などの周辺機器のため、クーラント流量を最適に制御することが、消費電力およびCO2 排出量の削減に大きく貢献するとして「Adaptive Coolant Flow」を開発した。
同製品は、加工時に使用する切削工具に合わせて高圧クーラントの流量を最適に調整するアプリケーション。最適な流量を制御・算出するソフトウェアと、正確に流量を調整して吐出可能なクーラント装置のハードウェアから構成される。従来は、高圧クーラント装置を用いて、最大圧力でできるだけ多くのクーラントを吐出しており、必要以上のクーラントを使用し、多くの電力を消費していた。
「Adaptive Coolant Flow」により、工具寿命とワークの面品位を維持しながら、高圧クーラントポンプの消費電力量を従来比80%以上の削減が可能。独自開発したクーラント装置には、当社の金属積層造形機「LASERTEC 30 SLM」で製造した高圧配管部品を採用し、切削加工では困難な複雑形状を積層造形で実現している。これにより圧力損失を低減したクーラントの流れの最適化を図るとともに、省スペース化を実現し、クーラントタンク上へのビルトイン搭載を可能にした。また、各種センサを設置しており、クーラントの流量や圧力、濃度、温度といった数値をリアルタイムで検知して、ユーザーインタフェースERGOline X with CELOS からモニタリングできる。
また、消費電力やCO2 排出量の削減だけでなく、加工時のミスト発生量、クーラント蒸発量も削減可能なため、クーラントの消費量が抑制される。その結果、クーラントの補充頻度が減り、オペレーターの作業負担を軽減できる。自動化システムによる夜間や休日の無人稼働の際もクーラント補給頻度を低減し、安定した生産に貢献する。



