日立建機 マイニング製品開発責任者ミーティングで事業の展望などを説明

脱炭素化の重要性などを説明

  日立建機が本社(東京都台東区東上野)にてオンラインとのハイブリッド形式「マイニング製品開発責任者ミーティング」で、ダンプトラックを中心としたマイニング製品開発戦略の説明を行った。

 同社執行役の兼澤 寛 マイニングビジネスユニット副ビジネスユニット長は、鉱山業界のネット・ゼロ・エミッションの動向について説明をした。これによると、多くの鉱山企業が2050年ネット・ゼロ・エミッションを掲げていることに触れ、CO2排出量の半分や、掘削・積み込み工程、そのうち約40%が運搬だとし、鉱山ではマイニングショベル1台に対してダンプトラックは数台から数十台が稼働、「ダンプトラック1台あたりの年間CO2排出量は約3,000トン」と説明し、ダンプトラックの脱炭素化の重要性を述べた。

 また、鉱山企業の電動化ニーズに対し、多様なアプローチの中で同社はハイブリッド式とフル電動ダンプトラックに標準を当てるとした。同社がこれまで製造・販売してきたACドライブシステムの車体をベースに様々な動力源に対応出来る製品開発を推進するという。

 また、顧客の地域の電力事情において最適な選択肢を提案し、ターゲット市場については以下のとおりと説明した。

(1)フル電動
 トロリー式が多く稼働する地域、電力供給インフラが充実している地域
(2)ハイブリッド
 電気代が高い地域

 また、ダンプトラックの電動化における課題として、①バッテリーが重く運搬料が低下、②充電停車時間で稼働率が低下、③電力使用量の変動幅が増加、大容量充電インフラが必要―――としたうえで、同社では解決策として次の3つをまとめた。

(1) 最低限のバッテリー搭載・積載量確保
(2) 走行しながら充電し、高稼働率を維持
(3) 電力使用量の変動幅を抑制、周辺動力インフラへの負荷低減

 また、重電大手ABBと協業し2027年度中のスピード開発で商品化を目指す。スピード開発のポイントとしては、日立建機のACドライブ駆動技術を活用し、バッテリー駆動式路線バス・鉄道車両の尿入実績があるABBとの協業、長寿命、安全性の高いチタン製リチウムバッテリーを採用するなどを挙げた。

 また、世界初となる実証試験の概要と成果についても説明した。それによると、2024年6月~2025年8月まで、ザンビア共和国 カンサンシ 銅鉱山で実証試験を行い、①CO2排出量ゼロ、②早強距離4,413km達成、加速性能、静音性の向上、総運搬量3万トン以上達成(注:2025年1~7月の実運用試験に基づく)と、環境負荷低減と可動性能向上を認め、走行ルートに応じたバッテリー充電を実証した。

 ハイブリッドについては、フル電動単プトラックに次ぐCO2排出量低減のキーアイテムとして提案し、メリットについては、①新規インフラを必要とせずに導入可能、②既存のダンプトラックをレトロフィット可能、③回生エネルギーを有効活用し、燃料消費量10%以上削減、④日立グループと共同開発、オープンイノベーションを推進する、とした。2030年には実用化を目指すとしている。

 今後は鉱山機械のサポート中心から、鉱山運営の最適化に貢献するソリューション提供を目指し、安全性・生産性の向上、ライフサイクルコストの低減+環境負荷の低減に応える開発を推進する方針。

 

MOLDINO

 

INTERMOLD