核融合炉ダイバータ材料向け新規炭素複合材料の共同研究を開始 ~核融合の商用化に向け、タングステンに替わる高耐熱・高熱伝導材料の開発をめざす~ 三菱ケミカル
2026年04月27日
三菱ケミカル(社長=筑本 学氏)は、このほど、筑波大学(学長=永田恭介氏)および東京理科大学(学長=石川正俊氏)、と、核融合炉内の重要機器のひとつであるダイバータ向け新規炭素複合材料の開発および評価・実証と社会実装に関する共同研究を開始したと発表した。
■背景と目的
「地上の太陽」とも称される核融合発電は、次世代のクリーンエネルギーとして世界的に注目され、商用化に向けた技術開発が各国で加速している。核融合炉は多くの重要機器で構成されるが、中でもダイバータは、プラズマから放出される高熱や粒子が集中する過酷な環境で使用されるため、優れた耐熱性と高い熱伝導性が求められる。
現在、国際協力実験炉(ITER)ではダイバータ材料にタングステンを採用する計画だが、連続運転時の耐熱性や耐プラズマ性に課題が残る。このため、より高い耐熱性と熱伝導性を備えた新材料の開発が急務となっている。また、タングステンは海外依存度が高く、供給の安定性にも課題があることから、代替材料への期待が高まっている。
■新規炭素複合材料について
炭素複合材料は従来から1000度超の耐熱性と高い熱伝導性を持ち、さまざまな産業分野で利用されてきた。本研究では、この炭素複合材料に高融点金属を含浸させることで、2000度を超える耐熱性と高い熱伝導性に加え、耐プラズマ性能の付与を目指す。
この新材料は核融合炉用途にとどまらず、宇宙往還機や超音速機の熱シールド材などへの応用も期待される。核融合分野と航空宇宙分野の双方で活用が見込まれる、日本発の先進材料として注目される。
■それぞれの役割



