DMG MORI SAILING TEAM、新艇「DMG MORI GLOBAL ONE」を発表 ~2028年ヴァンデ・グローブ挑戦へ~

DMG MORI SAILING TEAMは6月4日、フランス・ロリアンでIMOCA60クラスの新艇「DMG MORI GLOBAL ONE(グローバル・ワン)」を発表した。著名なヨット設計家のギヨーム・ヴェルディエ氏が設計し、Multiplastが建造した最新世代のレーシングヨットで、革新的な船体設計を採用したことが特徴だ。
本艇は、日本人スキッパーの白石康次郎選手のビジョンを具現化したプロジェクトとして、約2年にわたる設計・エンジニアリング・建造期間を経て完成した。イノベーション、信頼、協働を基盤に、「人」を中心に据えた開発思想のもとで進められた。
チームは今後、2026年のThe Ocean Race Atlantic、2027年のThe Ocean Raceへの参戦を経て、2028年のVendée Globeを最終目標に掲げる。白石選手はアジア人として初めてヴァンデ・グローブを完走した実績を持ち、今回、日本人スキッパーとして初のThe Ocean Race世界一周レース挑戦を目指す。
「DMG MORI GLOBAL ONE」は、アメリカズカップやフェラーリのハイパーセールプログラムで培われた技術に着想を得て開発された。チームが「コンバージェンス(融合)」と呼ぶ設計思想を採用し、最先端の性能とセーラーの快適性、構造効率を高次元で両立。4つのセクションで構成される独自の船体設計により、最新世代IMOCAの設計常識を覆す革新的な艇となっている。
また、単なる高速化ではなく、「より速く、かつセーラーへの負担を軽減する艇」の実現を目指した点も特徴で、クルーレースと単独航海の双方で高い性能を発揮できるよう設計されている。今回の新艇投入により、DMG MORI SAILING TEAMは世界最高峰の外洋ヨットレースへの挑戦を本格化させる。
DMG MORI SAILING TEAMスキッパー 白石康次郎選手 コメント
おそらく今回が私にとって最後のVendée Globeになるので、悔いの残らないレースにしたいと考えています。セールに描かれた波は、私にとって非常に特別な意味を持っています。
葛飾北斎は自らを“画狂老人”と称しましたが、私もまた“セーリングに魅せられた老人”なのかもしれません。私の師匠・多田雄幸氏は、海での成功は、まず共に生き、共に働くことを学ぶところから始まると教えてくれました。今回のプロジェクトで私が築きたかったのも、まさにそういうものです。若い日本人セーラーにチャンスを提供したいと考えています。
彼らがヨーロッパに来て、世界最高の環境で学び、自分たちも世界の大舞台に立てる存在であると信じてほしいのです。
The Ocean Raceの後は、私たちチームはVendée Globeに焦点を移します。おそらくこれが私にとって最後の挑戦となりますが、持てるすべてを出し切るつもりです。



