「工作機械技術の発展へ」工作機械技術振興財団 第47回工作機械技術振興賞 贈賞式を開く

工作機械技術振興財団(理事長=安達俊雄氏)が、第47回工作機械技術振興賞決定に伴い、第一ホテル東京(東京都港区新橋)で贈賞式を開いた。同財団は学術および科学技術の振興を目的として、牧野フライス製作所の創業者である牧野常造氏らの寄付により、1979年7月17日通商産業(現経済産業)大臣の許可を得て設立されたもので、2012年4月20日、内閣総理大臣から公益法人への移行認定を受け、公益財団法人工作機械技術振興財団となった。
今回は、工作機械技術振興賞・論文賞5件、同・奨励賞7件ならびに試験研究助成11件を選定した。その他同財団では、海外国際会議への参加支援、国内で開催される国際会議への開催支援も行っており、2026年6月期はすでに8件の助成を行っている。今回の選定を含め、贈賞・助成は累計1,225件(3,136名)総額13億8,811万円となる。
安達理事長はあいさつで、「当財団の事業は地道な活動ではあるが、工作機械技術の進歩・向上に間接的ながら着実に寄与してきたと考えている。」と述べた。その上で、「わが国経済を取り巻く環境は大きく変化している一方、牧野フライス製作所からの支援強化が進められている。当財団としても関係各位との連携を一層深め、振興事業のさらなる充実に努めていきたい」と今後の方針を示した。
続いて、新野秀憲審査委員長が審査報告を行い、試験研究助成事業の概要が紹介された。
来賓を代表して経済産業省の須賀千鶴産業機械課長があいさつした。須賀課長は、「工作機械は生活用品から航空宇宙分野に至るまで幅広い製品の生産を支えるマザーマシンであり、製造業の基盤を担う重要な存在だ。わが国の工作機械産業は、多様なニーズに高いレベルで応え続けることで世界トップクラスのシェアを維持している日本を代表する産業である。」と評価した。
さらに、「工作機械は製造業の復権という世界的潮流を象徴する戦略産業であり、経済安全保障上も極めて重要なことから、政府は経済安全保障推進法に基づく特定重要物資に位置付けている。」と説明。「今回の受賞を新たな飛躍の契機として、わが国工作機械産業のさらなる発展を牽引していただきたい」と期待を寄せた。
講演会では、東京都市大学理工学部機械工学科の川合邑佳氏が「微粒子ピーニングによるガラスのナノテクスチャリングとそれを用いた粉体付着防止効果」をテーマに、また、岡山大学学術研究院の篠永東吾准教授が「磁場制御下での大面積電子ビーム照射による表面仕上げ」についてそれぞれ講演した。
技術交流会では、大曽根靖夫日本機械学会筆頭副会長があいさつし、「研究・技術開発の成果が高く評価されたことに敬意を表する。これらの成果は研究開発の積み重ねにとどまらず、未来のものづくりを切り拓く一歩でもある」と述べた。さらに、「日本機械学会としてもフィジカルAI分野の強化に取り組んでいく。ぜひ活発な提案を寄せてほしい。」と呼び掛けた。その後、大曽根副会長の発声で乾杯が行われ、参加者による技術交流が深められた。



