共立ダイカスト加工所、ネジ不要の「DHロック機構」で落下事故を防止 医療・介護などへ用途拡大

共立ダイカスト加工所(社長=澤田 明氏、本社:兵庫県尼崎市)は、特許取得済みの落下防止技術「DHロック機構」を搭載した「ワンタッチクランプ」を製造・販売している。ネジを使わずに器具を固定できるのが特長で、理科実験器具をはじめ、企業の研究開発部門や医療・介護など、幅広い分野への用途拡大を目指す。
ワンタッチクランプは、レバーを握ると支柱に沿って上下に動かすことができ、手を離すとその位置で自動的にロックされる。「固定するときはネジを締め、動かすときはネジを緩める」という従来の操作を必要とせず、ネジの緩みや締め忘れによる器具の落下リスクを抑える。
搭載するDHロック機構は、荷重によってケースが傾くと、支柱との間に複合的な干渉が生じ、固定力が高まる構造を採用。シンプルな構造で製品へ組み込みやすく、静止荷重試験では100kgを超える耐荷重性能を測定したという。
開発のきっかけは、教育現場で実験器具を固定するネジが緩み、器具が落下して破損する事故が起きていると知ったことだった。本来は器具の改良によって防げる可能性のある事故が、現場の注意力だけに委ねられていることに課題を感じ、理科実験を安全に行える器具の開発に着手した。
一方、同社には、下請け加工を通じて培ってきた技術を生かし、独自製品を生み出して社会に貢献したいとの思いがあった。澤田社長は「何もしなければ固定され、操作したときだけ動く」という発想から約2年間にわたって試行錯誤を重ね、取引先の中小企業の協力も得て製品化した。現在は小中学校への普及を進めている。
同製品は「2023年度グッドデザイン賞」を受賞したほか、近畿経済産業局の「関西ものづくり新撰2025」に選定。「第37回中小企業優秀新技術・新製品賞」では奨励賞を受賞するなど、外部からも評価を得ている。
同社では今後、耐食性に優れ、クリーン環境や屋外、水回りでの使用を想定したオールステンレス仕様や、既設器具がある支柱にも途中から取り付けられる横入れタイプを開発する計画。DHロック機構を大型モニタースタンドや照明器具などへ応用する開発にも取り組み、教育現場にとどまらず、研究開発、医療、介護をはじめとする幅広い分野で、器具の落下事故防止につなげていく。



